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2026年10月30日

がんばれ!「リンガーハット」と「餃子の王将」!!

「安全な食べ物で、食料自給率100%をめざす」という目標に向けての第一歩は、国産の食材を使うことである。食の安全という観点で言えば、国産も必ずしも安全とは言えない食品もあるが、外国産よりずっと安心である場合が多い。

 

政策提言 農業:「経世済民」の農政を!

 

外食チェーンのなかで、「リンガーハット」と「餃子の王将」が国産にこだわってくれていることが明らかになった。両店を応援したい。

 

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有害物質ホルムアルデヒドにまみれた、中国からの白菜の存在が明らかになり、改めて「中国産」に対する懸念が強まるなか、「週刊新潮」が、外食チェーンにおける「中国産野菜」の使用有無を徹底調査し、その実態を「実名リスト」で明らかにした。今回、その記事を抜粋して紹介してみたい。

 

(引用)

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中華料理やラーメンの類いをメニューにそろえるチェーンの運営会社でも「取材拒否」の姿勢が目立った。

 

何度かの取材依頼にもかかわらず、広報担当者が「『回答なし』でいいです」と口にしたのは、そばチェーン「ゆで太郎」を運営する「ゆで太郎システム」だ。全国に200を超える店舗を展開する業界トップ企業だけに、そばのみならず、天ぷらや丼物、カレー、もつ煮まで豊富なメニューを扱う。そのため野菜も多く使用しているが、最後まで明確な返答はなかった。

 

さらには「どうせ回答しないのだから」と、質問状の送付先を明かすことさえかたくなに拒んだのは、東京都心の繁華街を中心に立ち食いそばチェーン「小諸そば」を運営する「三ッ和」である。

 

喜多方ラーメンで有名な福島県に本社を置き、東日本を中心に358店舗を持つ「幸楽苑」は、“担当者に伝える”と言いながら、最後まで回答を寄せることはなかった。

 

丁寧な言葉遣いながら実質的には“回答拒否”を貫いた「大阪王将」とは対照的に、「餃子の王将」は「中国産たけのこ」以外の主要食材は「全て国産」と答えた。長崎ちゃんぽんでおなじみの「リンガーハット」は、漬物や付け合わせを含めて全て国産野菜を使用する徹底ぶりだった。

 

同じく明暗分かれたのは居酒屋チェーンである。

 

焼き鳥を看板メニューに掲げて、アジアをはじめ北米にも店舗を展開する「鳥貴族」は、公式HPで〈加工食品は(中略)使用する食品原料には外国産も含まれております〉と注釈はあるものの、「野菜も鶏肉も漬物などの付け合わせも国産を使用」と回答した。

一方、その名のついた看板を繁華街で目にすることの多い「串カツ田中」や「魚民」は、共に中国産白菜は使用していなかったが、多種多様な中国産野菜を食材に採用していた。

 

驚かされたのは、メインメニューであるカレーに欠かせない野菜の多くに、中国産を使用する「カレーハウスCoCo壱番屋」である。オプションで選択の余地があるとはいえ、薬味のらっきょうまでもが中国産と聞けば、今後は口直しをちゅうちょする向きもあろう。

 

同チェーンと同じく「HPにて開示」などと詳細な回答を拒んだ「大戸屋」「ジョイフル」「松屋」も、中国産野菜を使用していた。

 

丁寧な説明の「やよい軒」

とはいえ、産地を公開する企業はまだマシかもしれない。「バーミヤン」「ガスト」「ジョナサン」「夢庵」を運営する企業や「サイゼリヤ」、それに「デニーズ」は、“時期により産地は変動”“契約等の関係”などを理由に明確な返答を避けた。包み隠さず回答した企業との姿勢の違いは明白だ。

 

例えば、さまざまな定食メニューを提供する「やよい軒」は、今回唯一、「中国産白菜」を「刻みごま白菜漬」で使用しているとして具体的なメニュー名までを明らかにした。その上で、当該商品に「ホルムアルデヒド白菜」が使われていないと確認する過程まで、丁寧に説明したのである。

 

片や「一部の業態において、白菜や枝豆などの中国産野菜を使用しています」と明かす「ゼンショーホールディングス」は、メニュー名の明示がなかった。しかも同社はファミレスチェーンの「ココス」「ジョリーパスタ」と、丼ものチェーン「すき家」「なか卯」まで運営している。どの店のメニューで、具体的にどう使用されているのかは分からないままである。

 

同じくファミレスチェーン「ロイヤルホスト」と天丼チェーン「てんや」を運営する「ロイヤルホールディングス」は、中国産白菜の使用は否定しながらも、他の野菜について産地の回答はなかった。

―――――ー

(引用ここまで)

 

<記事>

「白菜を土足で踏み、その上に吸い殻を…」 リスクが高い「中国産野菜」を使用する外食チェーンの実名を公開! 「取材拒否」を貫く企業も

(2026年09月29日、デイリー新潮)

カレーの野菜の多くに「中国産」を使用する「CoCo壱番屋」 一方、国産野菜にこだわる外食チェーンの名前は? 中国産野菜の使用を徹底調査!

(2026年09月29日、デイリー新潮)

 

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農業:「経世済民」の農政を!

そのほか、食の安全、食料安保、農政などについてご関心の方は、本HP「私の主張・日本の青写真」のなかの農業政策を参照下さい((←赤字をクリック))。

 

 

むらお政経塾「レムリア」

 

 

2026年10月30日

2027年産米は大幅減産へ、未だに続ける減反政策

次世代のためのコメ政策は、食料安全保障の観点から、実質的な減反政策をやめて、増産に転じることである。今も、高いコメ価格の維持に固執する農水省とJA農協の政策は、自己保身・近視眼的で「国益」に反する。

 

政策提言 農業:「経世済民」の農政を!

 

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◆ 農水省のコメ需給試算

 

農林水産省が、2026年10月28日に発表した2027年(27年7月〜28年6月)のコメ需給試算によれば、2027年産の主食用米の需要量は693万〜710万トンと想定されている。2026年の693万トンと同程度か、やや上振れすると想定した

 

また、2028年6月末のコメの民間在庫量は最大257万トンになるとし、適正量とされる180万~200万トンを依然上回り、コメ余りが長期化する可能性を示唆した。

 

◆ 減反で米価の高値維持を狙う農水省

 

これを受けて、農林水産省は、2027年産主食用米の生産目安を前年比6%減の693万トンとすることを自民党の委員会で示した。693万トンは、26年の予想収穫量約740万トンからは大幅な減産となる。

 

これは、需要の「最小値」に合わせた設定で、政府が掲げる「需要に応じた生産」に基づき、今回は、2027年産の主食用米の需要量の想定値693万〜710万トンの下限である「693万トン」を生産目安として設定した。

 

なぜ「6%もの大幅減産」をするのかといえば、店頭価格の下落を食い止めるためである(足元ではコメの店頭価格が前年比で大きく下落している)。農水省は、JA農協や自民党などからの要求を受け入れ、大幅な減産目安を示して市場に出回るコメの需給を引き締め、米価下落を抑える官製の需給調整を続ける意向だ。。

 

◆ 未来を見据えない農水省

 

この「官製需給調整」には、二つの大きなリスクをともなう。

 

価格の乱高下リスク

もし実際の需要が国の予想を大きく上回った場合または、異常気象などから生産が想定を下回った場合、再びコメの供給が不足して価格が急騰(コメ騒動のような状態)しかねない危うさがある(予想外の需要増・供給減に対応できない))。

 

これまでも、国内消費量の減少に合わせて生産量を減らすことで価格を維持させようとしてきたが、市場機能に国が人為的に介入しようとしても中長期的には市場を歪ませるだけで、そのツケはいずれ跳ね返ってくる。

 

食料安全保障上のリスク

何より、官製需給調整により減産を続けることでコメの生産基盤そのものが縮小する重大なリスクがはらんでいる。一度作付けをやめて荒れてしまった農地を再生するのは極めて困難だ(一度やめた農地は戻りにくい)。

 

農水省は、減反政策は取りやめたと言ってはいるが、高市政権の鈴木農相は、「需要に応じた生産」を目指すとして、石破政権の増産方針をあっさり覆し、法制化までやった。鈴木農相がいう「需要に応じた生産」とは、生産抑制を促してコメの供給量を絞り、米価を高く維持することで農家を保護しようとするものだ。後任の2人の農相も「需要に応じた生産」を引く継ぐと宣言している。

 

官製需給調整(実質的な減反政策)は、JA農協と農水省の既得権確保、自民党族議員の保身のための政策であり、国民のための政策ではない。もしては心ある農家のためでもない。

 

近年、自然災害(豪雨など)や、紛争・局地的戦争のリスクが高まるなか、有事の際に見合うだけのコメを確保しておかなければならない。農政は増産に転じるのが、安全保障上必須である。

 

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農業:「経世済民」の農政を!

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(参照)

27年産米6%減の見通し 続く官製需給調整、生産基盤の縮小リスク

(2026/10/27、 日本経済新聞)

政府、コメ27年大幅減産で700万トン割れ

(2026/10/27、共同通信)

27年主食用米、海外依存脱却へ

(2026/10/28、京都新聞)

 

むらお政経塾「レムリア」

 

 

 

2026年10月26日

経産省のホワイトハッカー・チーム新設とWinny事件

連日、サイバー攻撃のニュースが報じられている。日本のサイバーセキュリティ人材は、不足しており、その数は約11万人と推計されている。政府は、過去のWinny事件の「失敗」から学び、急ぎ、官民協力して、敵対国からのサイバー攻撃に対応できるサンバー人材の育成が必要だ。

 

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◆ 国もようやく動いた!

 

企業や自治体などへの不正アクセスの被害が相次ぐなか、経済産業省は、10月23日、独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」に、サイバーセキュリティーに詳しい専門家からなるホワイトハッカーの専門チームを11月中に新設すると発表した。

 

チームにはサイバー攻撃と防御に精通した技術者を集め、企業のシステムに模擬的な攻撃を仕掛ける「ペネトレーションテスト」を実施、攻撃者より先に弱点を発見し被害を防ぐ狙いである。

 

赤沢大臣は、攻撃者がAIを悪用して脆弱性を探している可能性を指摘し、防御側もAIを活用して先手を打つ必要性を強調、今後も国家サイバー統括室と連携しながら、事業者に迅速かつ適切な対応を促していくと述べた。

 

しかし、7年前のWinny事件を引き合いに、「日本の天才を潰しておいて今さらなにを?」など冷めた声も聞かれ、政府主導の専門チームの実効性には疑問が呈されている。

 

◆ Winny事件とその影響

 

Winny事件とは、ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」をめぐり、開発者である金子勇氏が著作権法違反の幇助(ほうじょ)の罪に問われ、最終的に無罪が確定した一連の刑事裁判および社会問題のことである。

 

事件の経緯

2002年:天才プログラマーと呼ばれた、当時東京大学の大学院特任助手だった金子勇氏(ネット上では「47氏」と呼ばれる)が、P2P(ピア・ツー・ピア)方式を用いたファイル共有ソフト「Winny」を匿名掲示板「2ちゃんねる」に無料公開する。

 

2003年:Winnyを通じて映画や音楽などを違法にアップロードした利用者が相次いで摘発される。

2004年5月:京都府警が、ソフトを開発・公開したことが著作権侵害を助長したとして、金子氏を著作権法違反幇助の容疑で逮捕・起訴する。

2006年:京都地裁で金子氏に有罪判決(罰金150万円)が言い渡される。

2009年:大阪高裁で一審が破棄され、逆転無罪となる。

2011年12月:最高裁判所が検察側の上告を棄却し、金子氏の無罪が確定する。

 

主な問題と社会的影響

 

著作権侵害の甚大な被害と情報漏洩という国家安保上のリスク

Winnyの公開によって、Winnyのネットワーク上では「Antinny」などのワーム(暴露ウイルス)が流行し、たとえば、Winnyによる映画、音楽、アニメ、ゲーム、ビジネスソフトなどの違法アップロード・ダウンロードが行われ、コンテンツ産業に何百億円、何千億円規模とも言われる大打撃を与えた。

 

また、Winnyを通じて自衛隊、警察、官公庁、医療機関などの極秘情報や個人情報がウイルス(Antinny等)によって次々とネット上に暴露される事態が多発した。これは単なる著作権の問題を超え、国家の安全保障や重大なプライバシー侵害の脅威となっていった。

 

しかし、Winny事件が「日本のIT技術や産業の発展を遅らせた」という批判については、多くのIT技術者、法学者、起業家、そしてメディアの間で「概ね当たっている(多大な悪影響を与えた)」というのが共通した見解となっていると言われている。

 

P2P技術の主導権喪失

Winnyが採用していた「P2P(ピア・ツー・ピア)」という分散型の通信技術は、その後のブロックチェーン(暗号資産)や、Skype、LINEなどの通信インフラ、動画配信(Netflix等)のベースとなる非常に重要な技術であった。

 

金子勇氏は当時世界トップクラスのP2P技術を持っていたが、裁判によって約7年半もの間、開発現場の第一線から引き離された。結果として、日本がこの分野で世界をリードする機会を失ったと指摘されている。

 

技術者の萎縮効果

開発者の逮捕によって、「技術者の萎縮を招き、日本のIT産業の進化を遅らせた」と強い批判と議論を呼んた。実際、国内の技術者が「画期的なソフトを作ると捕まるかもしれない」と恐れ、イノベーションを躊躇する環境が生まれた。

 

投資家や企業のIT忌避

加えて、刑事事件に発展したことで、日本のベンチャーキャピタルや大企業が、先進的でリスクのあるITスタートアップへの投資や支援に極めて消極的になった。これが米国のシリコンバレーのようなダイナミックなITエコシステムが日本で育たなかった一因とされている。

 

最高裁で、金子氏の無罪が確定した際にも、判決文の中で「価値中立的な技術の開発そのものを処罰することには慎重であるべき」という趣旨が示された。

 

「コンテンツ保護や治安維持という当時の目的はあったにせよ、汎用的な技術やソフトを開発しただけで、悪用したユーザーではなく、一人の天才技術者を、悪用されたことの責任を問う形で逮捕・起訴した社会的コスト(日本のIT競争力の喪失)はあまりにも大きすぎた」というのが、現在の歴史的な評価として広く定着している。

 

◆ 将来を見据えたIT・AI立国へ

 

いずれにしても、AI技術の悪用による、個人情報の保護や国家安全保障に甚大な被害をもたらすことを考えれば、日本も遅ればせながら、IT・AI技術者の養成を急がなければならないであろう。

 

政府は、Winny事件の反省と謝罪を込めて、経産省のホワイトハッカーの専門チームの技術者のトップに金子勇氏を招聘するぐらいの意気込みと誠意を示すべきである。

 

日本が、民間に埋もれた天才たちを見い出し、IT・AI先進国の地位を築くことは、究極的には、武器を持たない日本の核抑止力にもつながる。

 

 

(参照)

「トップガン人材を集める」赤沢経産大臣 ホワイトハッカーチームの11月中立ち上げを発表 攻撃者よりも先に脆弱性発見し対処へ

(2026年10月23日、FNNニュース

経産省のホワイトハッカー新設に「日本の天才を潰しておいて今さら?」「日本のIT技術を衰退させたのは誰だよ」SNSで賛否

(2026年10月25日 mataiku)など

 

むらお政経塾「レムリア」

 

 

 

2026年10月24日

国際刑事裁判所(ICC)と赤根所長を守ろう!

自国の利益を最優先にした力による支配から、戦後の国際法秩序と「法の支配」を守るために、アメリカとロシアと戦っている日本人女性がいる。国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長だ。

 

「私には国際法は必要ない」と豪語するアメリカのトランプ大統領は、ICCそのものを「解体する」キャンペーンを宣言しており、2025年2月、ICCの関係者らを対象に、資産凍結や、入国禁止・査証(ビザ)の発給制限を可能にする「大統領令」に署名、2026年8月には、赤根智子所長らを直接の標的にして個人制裁を課した。、

 

ロシアは、2023年3月にICCがウクライナ侵攻を巡りウラジーミル・プーチン大統領らに戦争犯罪容疑で逮捕状を発付したことに対する報復として、プーチン大統領への逮捕状に関わった、赤根智子ICC所長らICCの関係者を国際指名手配しました。

 

また、「法的根拠がないのに不当にロシア国民の刑事責任を追及した」として、逆に刑事告発し、2025年12月、赤根所長らICC幹部・職員に対し、本人不在の「欠席裁判」で懲役3年6カ月〜15年の実刑判決を言い渡した。さらに、2026年10月、この有罪判決を根拠に、ICCの本部があるオランダに対し、赤根所長らの身柄をロシアに引き渡すよう公式に要請している。

 

これに対して、特にICCの解体を目論むアメリカに対して、ICC側は「法の支配と国際法秩序への攻撃だ」と激しく反発し、英国、フランス、ドイツなど欧州は、国際司法の独立性を守るために「ICCを一貫して支持する」との共同声明を出した。

 

日本政府もこの制裁案について「極めて遺⁠憾」とし、高市首相は国連総会でICCを支持する日本の立場を表明し⁠ているが、前出の共同声明に名を連ねず、「ICCを一貫して支持」するという抽象的な確認にとどまっている。

 

これは、アメリカ(トランプ大統領)に遠慮しているからであることは明白だが、日本は、2024年時点で分担金全体の約15%を負担する最大の拠出国で、日本出身の赤根智子所長がアメリカやロシアの「攻撃」の矢面に立っているのである。もっと積極的に、ICCを守る立場を表明するべきではないか?

 

EUとともに、「支持の表明」を超えて、制裁の下でもICCが機能し、赤根所長らがその職責の遂行をすることができるように支援を惜しむべきではない。

 

日本の安全保障にとって、日米同盟が最重要であることに異論はない。しかし、戦後の国際法秩序と「法の支配」を守ることは、これから、国際社会が生き延びるための絶対条件であると考える。

 

これからの日本を考えたとき、国土面積、人口、資源、軍事力をみれば明白なように、日本が、力による支配を主張するアメリカ、中国、ロシアと同レベルで対抗できる大国となる選択肢はない。

 

ICCを指示する欧州やオセアニア、一部のアジア・アフリカ・中南米諸国などとの関係強化・発展させ、国際関係に、国際法秩序と「法の支配」による国際秩序を志向するもう一つの軸を作りあげるぐらいの気概を持って取り組んだもらいたい。

 

かつて、日本外交の対米追随への批判に対して、「ノーと言える日本」というのがスローガンのように言われて時期があった。ただ、個人的には、20年以上経っても、「ノーと言える日本」しか言えないことに、日本外交の情けなさを感じたこともあったが、トランプ大統領のアメリカに対しては、ノーとすら言えない現状だ。日本の政治家の覚醒と奮起を期待したい。

 

日米同盟は、日本が激烈化する国際社会のなかで生き延びるための術であり、国際刑事裁判所(ICC)への支持と支援は、日本が国際政治の場で輝くための戦略である。

 

 

<関連投稿>

むらお政経塾「レムリア」:学び直しの場:国際法より

 

国際法と国家:国家成立の3要件とは?

国家領域:領海、EEZ、大陸棚から領空まで

国際法の法源:慣習国際法・条約・戦時国際法…

戦争犯罪:平和・人道に対する罪, ジェノサイド…

国際司法の枠組み:PCA、PCIJ、ICJ、ICC

国際刑事裁判所(ICC):「国際正義の番人」の現実

トランプの目の敵にされたICCの行方

 

 

 

 

 

2026年10月15日

最近のコメ価格下落と備蓄米買戻しを考える

2024年夏頃から2025年にかけておきた「令和の米騒動」で、スーパーからコメが消え、価格高騰が社会問題になったが、2026年に入ると、一転して「米余り」が鮮明になり、価格の下落が起きている。

 

背景には、供給増と在庫の積み上がりがある。2026年産米の生産量は当初見通しから増加し、新米の流通も本格化した上、前年産米は大量に在庫として残っている状況である。

 

ある県では、2026年産の新米が5キロ2700~2900円程度で販売される一方、2025年産の古米が3200円程度で売られる逆転現象が起きていると報じられている。これは、前年に高値で仕入れた古米を値下げすれば、卸売業者や集荷業者に損失が発生するためとされている。

 

そうした中、当時の鈴木農林水産大臣は、2026年9月、政府備蓄米21万トンの買い戻し手続きを開始すると発表した。簗前大臣も、政府備蓄米の追加の買い戻し時期について、「適時適切かつ迅速に対応していく」と発言し、政府は米価の下落を防ぐ構えだ。

 

マスコミによる最近の米価の下落報道にみられる違和感と、政府備蓄米買戻しの目的について、考えてみたい。

 

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◆ インフレの時代にコメ価格の急落

 

農家には厳しいとの報道

 

最近の米価下落について、マスコミの大半は、「消費者にとっては歓迎すべきニュースだが、農家には厳しい」を繰返して報じている。農家にとってはどれほど厳しいのかといえば、今年に入り、コメ価格の大幅下落に加えて、物価高騰の影響で、農業機械を動かす軽油やガソリンなどの原料、輸入原料に頼る肥料も包装資材、さらには人件費まで、何もかも 価格が上昇しているため、コメ作りをやめる農家が続出するという主張だ。

 

さらに、JA農協は、収穫時に農家に前払いする26年産米の概算金(玄米60kg)を、前年のバブル的な高値から前年比3〜4割も一気に引き下げた。概算金引き下げの理由は、ここでも、コメの在庫が積み上がっているからで、銘柄によってはほぼ半値となったとも報じられている。これによって、苗年比での「急激な収入減」が経営を直撃し、コメ作りを止める農家が増え、農家が離農するとコメが食べられなくなると、危機感が煽られる形となった。

 

しかし、コメ価格の低下と、概算金の大幅安で、マスコミや農協などが警鐘を鳴らすように、コメ農家が廃業せざるをえないほどの事態を引き起こすのであろうか?

 

米価急落と言っても、23年より高水準

 

たしかに、これまで報道されている26年産新米の各県の概算金は、1万7000円から2万円のレンジのものが多く、高騰した25年産比で3~4割の減少となったが、「令和のコメ騒動」前の23年産米の概算金1万5000円より高水準を維持している。これは、出荷業者と卸売業者との間で決まる相対価格や、精米価格、店頭価格をみても同様である。

 

概算金

(JAなどの集荷業者がコメの販売前に生産者へ支払う仮払金)

23年産1万2700円

24年産1万9100円

25年産2万8200円。

26年産1万8000円

 

相対取引価格

(JAグループなどの出荷業者と卸売業者との間で、主食用米を売買する際の契約価格)

23年産1万5300円

24年産2万4800円

25年産3万6900円。

26年産2万3000円

 

精米価格

精米5キログラムのコメの値段(2026年度産)は、3000円をやや下回るという予想もあるようだが、それでも、2023年まで2000円を切っていたことを考えれば、昨今の米価下落が、農家をつぶすほどの危機的な状況なのかは疑問だ。令和のコメ騒動以前、今のような「農家が潰れる…」といった悲鳴は聞かれていなかった。

 

 店頭価格(スーパー)

2025年には5kgあたり4,000円台まで高騰していたが、2026年に入り下落基調へ転じ、直近(2026年9月)には5kg平均が2,971円と、約2年ぶりに3,000円を割り込んでいる。しかし、2023年当時の店頭価格(5kgあたり)は3,000円を大幅に割り込み、一般的な白米(5kg)の全国平均価格は約2,000円〜2,400円前後で推移していた。

 

このように、日本のマスコミは、3~4割の価格低下だけを強調して、農家の経営は悪化し、離農者が続出すると報道しているが、「暴落・下落が深刻」と言われているのは、あくまでピーク時の異常値からの比較であって、令和のコメ騒動(2024年夏)が起きる前の平時と比べると、高止まりしているのが実態である。

 

コメの需要が伸びないのは、消費者から見れば「下がったと言われても、昔に比べればまだ1.5倍近く高くて家計に響いている」のである。

 

たしかに、円安や世界情勢の影響で、肥料、燃料、農薬、人件費などの生産コストが以前より大幅に上昇していることから、農家の経営を圧迫している。実際、農水省が算出した現在のコスト指標(基準)は玄米60kgあたり2万437円とされているが、騒動前の1万2,000円といった水準まで価格が戻ってしまうと、農家は赤字に陥りと警戒されている。

 

しかし、専門家によれば、「これら(肥料・農薬や石油代)は、農家が生産資材に払った物財費(コスト)の3割、全算入生産費の2割」なのだそうで、仮に5割上昇しても生産費の増加は10~15%程度だとの指摘もなされている。

 

むしろ、農家や流通から見れば「ピークから急転直下で下落し、在庫がダブついてこの先暴落したら経営がもたない」 という恐怖があり、その「下がり方の勢いと在庫の急増」を問題視しているのかもしれない。それでも、農家経営は良好とは言わないにしろ、危機的という表現には誇張があるように思われる。現に、令和のコメ騒動前、農業経営が危機的状況を迎えていなかった。

 

政府と農協の深慮

 

では、なぜ、「まだ高い」のに「下がって大変だ」と騒いでいるのか? なにより、マスコミは、「まだ高い」の事実を伝えようとしないのか? それは、政府や農協は、コメ騒動前に水準には戻したくないからである。

 

よく思い出してみよう。令和のコメ騒動でコメが急騰するなか、消費者の負担が指摘されると同時に、(高騰した)米価が下がると、農家も大変なんだという論調が支配的となった。中には「農家の時給は10円」なんていう主張も飛び出し、当時、消費者も、コメの上がり過ぎは困るが、一定の高い米価も受け入れなければ…と思うようになった。メディアもその論調を当然の帰結のように繰り返した。

 

農水省や農協は、生産者も消費者も納得する適正価格が必要というようになった。彼らがいう適正価格とは、令和のコメ騒動で高くなりすぎると、消費者のコメ離れが加速するので困るが、コメ騒動の前の価格帯よりも高く水準である。一定のコメの高値維持を既成事実化させたいという思惑があるように思う。

 

したがって、2026年以降の米価の下落については、「農家がつぶれる!」を全面に押し出して、マスコミも、農水省と農協の主張通りの報道をしている。このまま米価が下がって、コメ騒動前の価格までは戻ることは絶対に許さないであろう。その一つの「対策」が、備蓄米の買戻しである。

 

 

◆ 備蓄米買戻し

 

鈴木農林水産大臣(当時)は、2026年9月、政府備蓄用米として、2025年産米21万トンの買い戻し手続きを開始すると表明した。2025年度に米価の高騰や品薄に対応するために、備蓄米59万トンを、買戻し条件付きで放出した。そのため、約100万トンあった備蓄が現在では、約32万トンまで大幅に減少したことから、食料安全保障の観点から「令和のコメ騒動」で減少した備蓄量を標準とする約100万トンへ計画的に戻す必要があると農水省は説明している。

 

しかし、今なぜ、多額の国家予算をつぎ込んで、政府備蓄米を買い戻さなければならないのか?

 

このタイミングで買い戻しを決めた理由について鈴木農水相は「今年のコメの作柄は近年の平均を上回る見込み」となり、「コメの供給量は十分以上に確保される身通しがたった」からだとした。実際、8月末に農水省が発表した今年のコメの作柄は、8月15日時点で新潟県や北海道など24道府県で例年の平均を「やや上回る」、秋田県や宮城県など19都県で「平年並み」となっている。

 

米価の下支え

 

しかし、買い戻しの本当の理由は、政府備蓄米の制度を正常に戻すためというよりは、米価の下支えとJA農協の支援である。前述したように、コメの価格は、2026年に入って、コメの民間在庫が過去最多となっていることから、急落し、このまま新米が本格的に流通し始めれば、販売価格が暴落しかねないことが懸念されている。

 

米価維持のために備蓄米の買い入れを使うのは、古くからの常套手段で、今回も、令和のコメ騒動でせっかく上がった米価を維持するための措置との見方が支配的だ。

 

令和のコメ騒動時、2025年2月に政府備蓄米が放出された際の平均落札価格は、取引される米の指標となる玄米60kgあたり、2万2477円であった。農水省の「米穀の取引に関する報告」によると、当時、2024年産の玄米60キログラムの相対取引価格は、2万5179円に上昇し、2025年に入ると価格はさらに2万7000円台に乗せ、当時の史上最高値を記録していた。これを受けて、政府(農林水産省)は備蓄米の放出を余儀なくされ、2025年2月に21万トン(最終的に累計約59万トン)の市場放出を実施した。

 

では、これに対して、今回の備蓄米の買戻しの対象とされる2025年産米の価格はどう推移しているのか?

 

農林水産省が直近(2026年9月)に公表した最新データ(8月取引分)では、約3万1,556円 / 玄米60kgで、前年秋のピーク時(3万7,058円)からは約5,500円値下がりしているものの、年間平均では過去最高の3万5,330円を記録した歴史的高値の年産米となっている。この価格で買い戻すとなると、売却価格との差額は約450億円近くになる計算されている。

 

しかし、足元では民間在庫が回復し、2026年産の生産量も増える見通しで、コメ余りの今年、まだ価格が高い時期に21万トンを急いで買い戻す必要はない。しかも、買戻しの期限は「5年以内」と猶予が設けられているので、せめて落札価格の水準に下がるまで待つべきだったとの指摘もなされている。

 

しかも、高値で備蓄米を買い戻せば、大幅な財政負担が生じ、買い戻し費用を最終的に負担するのは私たち納税者となる。逆に、高値での買い戻しによって利益を受けるのは主にJA農協である。

 

JA支援の実態

 

21万トンの買戻しの対象は、2025年このほとんどを落札したJA農協である(農協の過去3回の落札率はいずれも9割超)ことからもわかるように、史上最高のバブル米価となった25年産米で買い戻すことは、JA農協の救済策にほかならない。

 

まず前提として、農協は農家から委託を受けてコメを販売する。最終的な販売価格は翌年秋にならないと分からないが、農協はこの金額を予測して、集荷の際に概算金という仮払金を農家に払う。こうした仕組みの中で、農協は「令和のコメ騒動」を受け、他業者との集荷競争に負けないためという名目で、高い概算金を払った。

 

その後、販売価格が下がれば、農協は農家に支払った概算金の一部を、払い戻してほしいと要求することになるが、「農家のために」要求せず、結果、在庫を増やして流通量を絞り、計画的に高い小売価格を実現させた。

 

しかし、結果的に、大量の在庫を抱え、そのコスト負担を強いられるなか、政府が備蓄米を買い戻してくれるとなれば、農協の在庫は消滅する。農協からすれば、高い概算金を支払ったことで生じるリスクを、政府による備蓄米の買い戻しによって解消できるのである。

 

現在、2025年産が高止まり、2026年度産の価格は急落する市場環境下、市場での処分を余儀なくされれば、大きな損失が出る可能性もあったが、2025年産米を買い上げてくれるとなると、JA農協は、在庫の損失を出すことなく処理できる。

 

随意契約による買戻し

今回の政府による備蓄米の買戻しは、その目的もそうだが、買戻しの方法にも問題がある。

 

国の会計法では競争入札が原則である。これによって、国が財産を売るときは最も高く、買うときは最も安く、入札した業者が落札できる。しかし、今回の買い戻しは一般競争入札ではなく、買い戻し特約付きで、備蓄米を落札した事業者から見積もりを取り、価格を決める随意契約で行われる。

 

今回の契約相手は、これまでの落札実績からみてJA農協であることは明白である。そうすると随意契約の真意は、本格的に新米の集荷が始まる前に、買い戻し特約を利用して、JA農協が積み上げた在庫を政府が肩代わりするということになる。

 

*コメの随意契約

国が競争入札を行わずに、販売先や販売価格を自ら任意に決定して政府備蓄米を卸す仕組みのこと。

 

変わらぬ農政

 

高市政権は、当初、物価対策に逆行するとして難色を示していたそうだが、「米価が暴落して農家経営に重大な影響を与える」という鈴木農水大臣やJA農協、さらには自民党農林族議員の圧力に抗しえなかったと言われている。

 

簗 前農水大臣も、放出した備蓄米の追加買い戻しについて、国の責務だとし「食糧安全保障でもあるので、できる限り早期に、備蓄水準回復に努めたい」と意欲を示していた。

 

今回の政府による備蓄米の買戻しは、食料安全保障表向きの理由で、JA農協をはじめとする集荷業者への救済策、すなわち、高騰で積み上がったJAの在庫を政府が肩代わりし、コメ価格の下落を防ぐ政策であることは明らかである。

 

 

<関連投稿>

農政全般については、農業政策にまとめていますので、参照下さい。

 

 

<参照>

コメ5キロ2971円、2年ぶり3000円割れ:「不足」から一転「コメ余り」は誰のせい?

(2026.09.19  アゴラ言論プラットフォーム)

高いコメを買わされ、年4000億円の税金がかかる…鈴木農水大臣とNHKが無視した「既得権を守る農政のコスト」

(2026/9/17, PRESIDENT Online)

コメ価格を下げるためでも農家救済でもない…鈴木農水相が「JAが9割超落札した備蓄米」を1年半で買い戻す理由

(2026/9/2 PRESIDENT Online)

新米が安くなっても日本のコメには暗雲…高市内閣の”過剰な市場コントロール”が消費者と農家に払わせるツケ

(2026/09/03、PRESIDENT Online)

簗農相、コメ政策は「鈴木前農相の路線を継承」 就任会見

(2026/9/18, 毎日新聞)

《豊作でもコメ価格がそこまで安くならない本当の理由》「農家を守る」と言いつつ「米価を守る」自民党農政と農水省の勘違い そして消費者は高いコメを買わされる

(2026.08.16 マネーポストWEB)

 

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