2026年10月24日

国際刑事裁判所(ICC)と赤根所長を守ろう!

自国の利益を最優先にした力による支配から、戦後の国際法秩序と「法の支配」を守るために、アメリカとロシアと戦っている日本人女性がいる。国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長だ。

 

「私には国際法は必要ない」と豪語するアメリカのトランプ大統領は、ICCそのものを「解体する」キャンペーンを宣言しており、2025年2月、ICCの関係者らを対象に、資産凍結や、入国禁止・査証(ビザ)の発給制限を可能にする「大統領令」に署名、2026年8月には、赤根智子所長らを直接の標的にして個人制裁を課した。、

 

ロシアは、2023年3月にICCがウクライナ侵攻を巡りウラジーミル・プーチン大統領らに戦争犯罪容疑で逮捕状を発付したことに対する報復として、プーチン大統領への逮捕状に関わった、赤根智子ICC所長らICCの関係者を国際指名手配しました。

 

また、「法的根拠がないのに不当にロシア国民の刑事責任を追及した」として、逆に刑事告発し、2025年12月、赤根所長らICC幹部・職員に対し、本人不在の「欠席裁判」で懲役3年6カ月〜15年の実刑判決を言い渡した。さらに、2026年10月、この有罪判決を根拠に、ICCの本部があるオランダに対し、赤根所長らの身柄をロシアに引き渡すよう公式に要請している。

 

これに対して、特にICCの解体を目論むアメリカに対して、ICC側は「法の支配と国際法秩序への攻撃だ」と激しく反発し、英国、フランス、ドイツなど欧州は、国際司法の独立性を守るために「ICCを一貫して支持する」との共同声明を出した。

 

日本政府もこの制裁案について「極めて遺⁠憾」とし、高市首相は国連総会でICCを支持する日本の立場を表明し⁠ているが、前出の共同声明に名を連ねず、「ICCを一貫して支持」するという抽象的な確認にとどまっている。

 

これは、アメリカ(トランプ大統領)に遠慮しているからであることは明白だが、日本は、2024年時点で分担金全体の約15%を負担する最大の拠出国で、日本出身の赤根智子所長がアメリカやロシアの「攻撃」の矢面に立っているのである。もっと積極的に、ICCを守る立場を表明するべきではないか?

 

EUとともに、「支持の表明」を超えて、制裁の下でもICCが機能し、赤根所長らがその職責の遂行をすることができるように支援を惜しむべきではない。

 

日本の安全保障にとって、日米同盟が最重要であることに異論はない。しかし、戦後の国際法秩序と「法の支配」を守ることは、これから、国際社会が生き延びるための絶対条件であると考える。

 

これからの日本を考えたとき、国土面積、人口、資源、軍事力をみれば明白なように、日本が、力による支配を主張するアメリカ、中国、ロシアと同レベルで対抗できる大国となる選択肢はない。

 

ICCを指示する欧州やオセアニア、一部のアジア・アフリカ・中南米諸国などとの関係強化・発展させ、国際関係に、国際法秩序と「法の支配」による国際秩序を志向するもう一つの軸を作りあげるぐらいの気概を持って取り組んだもらいたい。

 

かつて、日本外交の対米追随への批判に対して、「ノーと言える日本」というのがスローガンのように言われて時期があった。ただ、個人的には、20年以上経っても、「ノーと言える日本」しか言えないことに、日本外交の情けなさを感じたこともあったが、トランプ大統領のアメリカに対しては、ノーとすら言えない現状だ。日本の政治家の覚醒と奮起を期待したい。

 

日米同盟は、日本が激烈化する国際社会のなかで生き延びるための術であり、国際刑事裁判所(ICC)への支持と支援は、日本が国際政治の場で輝くための戦略である。

 

 

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