明治憲法への冤罪をほどく!?
今までの通説に疑いの目を向ける企画「タブーに挑む」シリーズの第2段として、「明治憲法」を取り上げます。大日本帝国憲法(明治憲法)は、日本を軍国主義に導いた「悪い憲法」とみなされ、「日本国憲法(善)vs 明治憲法(悪)」の構図が定着しています。
果たして、本当にそうなのでしょうか?明治憲法を批判的にとらえている人もそうでない人も、実際、明治憲法を全文読んだことのない人が多いのではないでしょうか?現在、取り上げることさえタブーになっている帝国憲法(明治憲法)を中立的な立場で考えます。ただし、決して明治憲法を賛美するのが目的ではありません。「誤解があるのではないか?」という仮定に立って、賛否両論を紹介していますでの、その点は誤解のないようにお願いします。
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告文・勅語・上諭
帝国憲法(告文・勅語・上諭):近代国家日本の真姿
第1章 天皇
帝国憲法1条(天皇の統治権):天皇が治す(しらす)国とは?
帝国憲法2条(皇室典範):憲法と同格だった皇室典範
帝国憲法3条(天皇の不可侵性):天皇の絶対性=不敬禁止
帝国憲法4条(天皇大権①):天皇は統治権を総攬する
帝国憲法8・9条(天皇大権②):緊急勅令と独立命令
帝国憲法11条(天皇大権③):天皇は陸海空軍を統帥する
帝国憲法14条(天皇大権④):天皇は戒厳を宣告する
第2章 臣民権利義務
帝国憲法19条 (公務就任権):唯一の平等権規定と批判されるが…
帝国憲法20条 (兵役の義務):「戦争に駆り立てた」は時代錯誤!
帝国憲法22条 (居住・移転の自由):むしろまっとうな「法律の留保」
帝国憲法23~25条(人身の自由) :現在と変わらぬ刑事手続きの規定!
帝国憲法27条 (所有権の不可侵):日本国憲法29条と変わらず
帝国憲法28条 (信教の自由) :伊藤博文らは国家神道を否定!
帝国憲法29条 (表現の自由):「法律の留保」は機能せず…
帝国憲法31条(非常大権):国家緊急権のない憲法は国民を守れない!
第3章 帝国議会
帝国憲法33~36条(議会の仕組み):貴族院はバランサー!?
帝国憲法37~40条(議会の権能):「法律を作れない議会」は本当か?
帝国憲法41~51条(議会の運営):日本国憲法は帝国憲法の写し?
帝国憲法52~54条(議員の特権):日本国憲法は帝国憲法の写し!
第4章 国務大臣及枢密顧問
帝国憲法55~56条(内閣):国務各大臣は天皇を輔弼しその責に任ずる!
第5章 司法
帝国憲法57~59条(司法権の独立):天皇の名において裁判所が行使する
帝国憲法60~61条(特別裁判所):あって当然の行政裁判所や軍法会議!
第6章 会計
帝国憲法62~70条(財政):立憲主義にかなった財政制度!
帝国憲法71条(予算):前年度予算の「再利用」は禁じ手か?
第7章「補則」
帝国憲法73~75条(改正): 天皇だけが行える憲法と皇室典範の改正
以上、帝国憲法(明治憲法)を1条から76条まで全条文をこれまでの通説(<既存の解釈>)とそうではないという視点(<善意の解釈>)の両方からみてきました。いかがでしたでしょうか。大日本帝国憲法を最初から最後まで一度も読んだことがなかった方々で、帝国憲法は「悪い憲法」だと思い込んでいた人がいたら、これを機にまずは中立な立場に戻って、その是非をご自分でしっかりと考えていただければと思います。
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旧皇室典範(全文)
「タブーに挑む」シリーズ3部作