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2017年11月20日

ニュース:国産「量子コンピューター」開発へ本腰

国産量子コンピューター試作機、無償公開へ 改良目指す
(2017年11月20日、朝日)

 

スーパーコンピューターをはるかに超える高速計算を実現する「量子コンピューター」の試作機を、国立情報学研究所などが開発し、27日から無償の利用サービスを始める。世界的な開発競争が進むなか、試作段階で公開して改良につなげ、2019年度末までに国産での実用化を目指す。従来のコンピューターは、多数の組み合わせから最適な答えを探す際に一つずつ計算するが、量子コンピューターは極小の物質の世界の現象を応用し、一度に計算する。現時点では一度に計算できる組み合わせは、スパコンの数千分の1~数十分の1程度だが、理論上は1千年かかる計算も一瞬で済むとされ、人工知能や新薬の開発、交通渋滞の解消などに役立つことが期待されている。

 

基礎研究は1980年代に始まり、日本の業績も世界的に評価されている。だが、実用化では米IBMやグーグルなどが先行。カナダのD―Waveシステムズは11年に一部実用化し、米航空宇宙局(NASA)や自動車部品大手「デンソー」、東北大などが活用している。国立情報学研究所や理化学研究所、NTTなどは、内閣府の研究支援制度「革新的研究開発推進プログラム」(ImPACT)を使い、光ファイバーとレーザー光を組み合わせた独自の方式を開発した。計算速度は、理研にある小型スパコンと比べて平均で約37倍速く、特定の計算では、D―Waveよりも正答率は大幅に高かった。スパコンは冷却に多くの電力が必要で、大規模な「京(けい)」では1万数千キロワットに及ぶ。今回の試作機は大型電子レンジ程度の1キロワットで済むという。

 

一方、従来のスパコンで使われるソフトウェアは使えず、開発に必要な専門家が不足している。このため、研究グループは、試作機の段階で企業や研究機関に量子コンピューターを使ってもらい、そこで得た蓄積を技術の開発や人材育成につなげることにした。27日から、ウェブ上でサービスを公開し、世界中の利用者が無償で使えるようにする。研究グループの山本喜久プログラムマネジャーは「実社会の課題に対応するために、さらなる改良を目指したい」と話している。

2017年11月20日

ニュース:「殺人ロボット」規制、可能か?

「殺人ロボット」の規制や禁止求める声高まる、初の国連会議が閉幕
(2017年11月18日、AFP通信)

 

スイスのジュネーブで17日、史上初の自律型兵器、いわゆる「殺人ロボット」に関する国連(UN)の公式会議が閉幕した。だが「殺人ロボット」の使用を制限するための協議の進展が遅いことに対し、批判の声が高まっている。会議の議長を務めたインドの軍縮大使、アマンディープ・ギル(Amandeep Gill)氏は批判を緩和しようと、「ロボットは世界を乗っ取ってはいない。(世界は)いまだに人間が管理している」と発言した。

 

人間が制御しなくても目標を識別し破壊する兵器システムはまもなく実戦配備が可能となると専門家らは指摘している。そうした兵器を抑制するための規定の設定に向けた最初の一歩が今回の、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)に関する会議だった。だが、活動家らは遅々として進展しない協議ではすでに進行している軍拡競争に対応できず、時間切れになってしまうと警鐘を鳴らしている。国防予算の規模が小さく、技術的なノウハウも少ない国を中心とした22か国は自律型兵器について、本質的に違法で、攻撃開始については一つずつすべて人間が決定を下さなければならないと主張し、全面禁止を求めている。だがギル氏は、殺人ロボットについては禁止どころか、規定に関する合意までさえもいまだ遠い状態であるとし、来年再びこの問題は協議される予定だと述べた。

 

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)兵器部門のメアリー・ウェアハム(Mary Wareham)氏はAFPに対し、人間が制御しなくても標的を選択・破壊できる兵器に「世界中の軍や兵器企業が巨額を投じている」と語った。また国際赤十字委員会(ICRC)のキャサリン・ラワンド(Kathleen Lawand)氏は電子メールで、ICRCは禁止は求めていないが、技術の進歩は速く、制限をを設ける動きが「緊急に必要」だと述べた。会議と並行して行われたイベントで講演した人工知能(AI)の専門家、豪ニューサウスウェールズ大学(University of New South Wales)のトビー・ウォルシュ(Toby Walsh)氏は、「(殺人ロボットは)大量破壊兵器となるだろう。こうした兵器をわれわれ人間が禁止することに確信がある。だが、今すぐ(世界の国々に)そうする勇気があるか、それとも先に人間が死ぬまで待たなければならないのか、という点を懸念している」

 

2017年11月17日

ニュース:中国の対日国連外交、同時に報道された二つの出来事

日本の高校生の演説見送り、中国の反対が背景 軍縮会議
(2017.11.17朝日新聞デジタル)

 

2014年から毎年8月、国連欧州本部(スイス・ジュネーブ)の軍縮会議で、日本の高校生が政府代表団の一員として演説してきたのが今年見送られた問題で、背景に中国による強い反対があったことが複数の日本政府関係者の話でわかった。中国は国連などの場で日本が第2次世界大戦の被害を強調することに反発を示しており、こうした異論も踏まえて判断したという。

 

高校生は、外務省からユース非核特使として委嘱された「高校生平和大使」。14年から16年まで計3回、代表が軍縮会議本会議で演説する機会を与えられてきた。日本政府関係者によると、今年に入って、演説を問題視した中国側がやめるよう要請してきたという。同関係者は「ここ数年、日本だけ特別な対応が認められていることに核保有国を含む各国から異論があった」と指摘。「軍縮会議では全会一致で議決するのがルールなので、全員に納得してもらわなければ通らない。最終的に政府として判断した」という。15年に米ニューヨークでの核不拡散条約(NPT)再検討会議でも、核軍縮を扱う最終文書案で、日本が世界の指導者らに被爆地を訪ねるよう提案した部分をめぐり、中国が日本の歴史認識を理由に反対し、見送られた経緯がある。

 

中国外務省の耿爽副報道局長は16日の定例会見でこの問題について、「調べてはみるが、高校生の発言がなくなったのかということも含め、会議の主催者に聞くべきだ」と述べた。中国は、第2次世界大戦終結から70年たった2015年を「中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年」と位置づけて大規模な記念式典を開催。国連代表部や各国に置く大使館などを通して、中国側の歴史認識を国際的にアピールする取り組みを強化した。

 

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【歴史戦】慰安婦問題で「日本の謝罪、補償を」 国連人権理事会 暫定報告書に記載、中韓・北朝鮮の要求を列挙
(2017.11.17産経新聞)

 

国連人権理事会の対日作業部会は16日、日本の人権状況について218項目の勧告を盛り込んだ暫定報告書をまとめた。慰安婦問題では、中国の主張に沿って、日本に対する謝罪と犠牲者への補償を求める要求が明記された。同報告書は14日に行われた対日作業部会の審査で106カ国が行った勧告や意見をほぼそのまま列記したもので、法的拘束力はない。16日に行われる同部会で採択する予定だ。報告書では「歴史を直視し、慰安婦に対して誠実に謝罪し、補償を行うべきだ」とする中国の要求をそのまま記載した。慰安婦問題ではこのほか、「次世代に歴史的真実を伝える努力をすべきだ」とする韓国の要求が盛り込まれた。

 

また、「『性奴隷』を含めた人道に対する罪への法的責任と誠実な対応」を求める北朝鮮の要求もそのまま記された。このほか、米国の要求に沿って、政府の放送局に対する電波停止権限を規定する放送法4条の見直し、独立した放送監視機関を置くなどして「報道の自由」を確保すべきだとの勧告が明記された。「報道の自由」については、オーストリアも法的措置の見直しを勧告した。北欧やフランスなど欧州諸国は、死刑の廃止を勧告。性的少数者(LGBT)や障害者に対する差別是正要求なども盛り込まれた。16日の採択後、日本の対応を踏まえて、来年3月の国連人権理事会が最終的な報告書を採択する。

2017年11月09日

ニュース:英首相、バルフォア宣言に謝罪拒否

バルフォア宣言に「誇り」=パレスチナへの謝罪拒否-英首相
2017/11/03、時事ドットコム

 

英国のメイ首相は2日、イスラエルのネタニヤフ首相とロンドンの首相官邸で会談した。英首相府報道官によるとメイ氏は席上、パレスチナにユダヤ人国家を建設することを支持した英国の「バルフォア宣言」から同日で100年になるのを踏まえ、イスラエル建国に際して英国が演じた役割を「誇らしく思う」と述べた。パレスチナ側はバルフォア宣言を批判し、英国に謝罪やパレスチナ国家の承認を求めているが、メイ氏は「誇りと敬意を持って宣言100周年を記念する」と述べた。

 

両首相は停滞する中東和平プロセスについて協議。この中でメイ氏は、東エルサレムやヨルダン川西岸でのユダヤ人入植地の建設に「重大な懸念」を表明した。両首相はこの後、ロンドン市内で催された記念夕食会に出席。首相府が公表したメイ氏のスピーチテキストによれば、同氏は宣言が表明された当時のバルフォア英外相からロスチャイルド卿への書簡を「歴史上最も重要な書簡の一つ」と称賛。宣言をめぐる謝罪要求について「絶対に(謝罪は)ない」と拒否した。

2017年11月08日

ニュース:在米日本大使館の内部文書から見えた衆院選の裏側

小池百合子、前原誠司の失脚の裏に米国政府 在米日本大使館の内部文書入手
(2017,11.8 AERA dot.)

 

ゴルフ、最高級鉄板焼き、米兵器の“爆買い”とトランプ大統領の“貢ぐ君”と化した安倍晋三首相。だが、その裏で米国を巻き込んだ憲法改正、野党分断などの日本改造計画が着々と進行していた。本誌が入手した在米日本大使館の報告書に記された米国の本音とは──。

* * *

訪日中のトランプ米大統領は「日本は極めて重要な同盟国だ」と述べ、安倍晋三首相首相との5回目となる首脳会談に6日午後、臨んだ。安倍首相も「日米同盟の絆をさらに確固たるものにしていきたい」と応じたが、11月に発足した第4次安倍内閣の本丸はズバリ、憲法改正だ。政府筋は「安倍官邸は単なる9条3項の自衛隊の明記にとどまらず、『国際平和に貢献するために』という文言を付記して、自衛隊が海外で自由に集団的自衛権を行使できるという解釈にしたい」と明言する。元外務省国際情報局長の孫崎享氏も「米国が求めるように自衛隊を海外派遣できる環境づくりに北朝鮮の存在は絶好のチャンス到来だ」との見解を示す。

 

総選挙後、在米日本大使館がまとめた内部文書を本誌は入手した。

《改憲勢力が発議可能な3分の2を確保した総選挙結果は米国には大歓迎の状況だ。むしろ米国が意図して作り上げたとみていい。民進党を事実上、解党させて東アジアの安全保障負担を日本に負わせる環境が改憲により整う非常に好都合な結果を生み出した》そして《日本が着実に戦争ができる国になりつつある》と分析。こう続く。《米国には朝鮮有事など不測の事態が発生した時に、現実的な対応が出来る政治体制が整う必要があったが、希望の小池百合子代表が踏み絵を行ったのは米国の意思とも合致する》

 

前出の孫崎氏は、16年6月に撮影されたラッセル国務次官補(当時)と森本敏元防衛相、小野寺五典防衛相、前原誠司前民進党代表、林芳正文部科学相、西村康稔官房副長官、自民党の福田達夫議員、希望の党の細野豪志、長島昭久両議員、JICA前理事長の田中明彦氏らが安全保障について話し合った国際会議「富士山会合」の写真を示しつつ、こう解説する。「米国の政策当局者は長年、親米の安倍シンパ議員や野党の親米派議員らに接触、反安保に対抗できる安全保障問題の論客として育成してきた。その結果、前原氏が民進党を解体し、同じく親米の小池、細野、長島各氏らが踏み絵をリベラル派に迫り、結果として米国にとって最も都合のよい安倍政権の大勝となった」

 

安倍官邸は圧勝した総選挙で、いかにも日米同盟によって北朝鮮問題が解決するかのような幻想を振りまいたが、先の在米日本大使館の報告書には“本音”と思われる記述もあった。《むしろ、心配な点はイラク戦争に向かった当時と現在の朝鮮有事とでは、比べようがないほど米国民は関心がない。日本や韓国が(軍事)負担を負うことが確実にならない限り、米国は軍事行動には踏み切れないのではないか》安倍首相はトランプ氏との“蜜月”を武器に来年秋の総裁選3選を確実にさせ、「当初の東京五輪勇退の意向から、21年9月の任期いっぱいまで政権を全うする」と周辺に強気に語っているという。

 

11月10日にも加計学園の獣医学部新設が認可され、安倍首相の「腹心の友」である加計孝太郎理事長が会見する段取りだという。「森友問題は近畿財務局のキャリア官僚の在宅起訴で手打ちとし年内に両疑惑ともに終息させるつもりです」(官邸関係者)そして18年中に国会で改憲発議、19年春には消費増税先送り表明、同7月に参院選と同日の改憲国民投票のシナリオを描いている。

 

米国の共和党系政策シンクタンク勤務経験もある外交評論家、小山貴氏はこう怒る。「こんなときにトランプ氏とのんきにゴルフをしている安倍首相自体、リーダーとして世界の嘲笑の的です。安倍政権は日米同盟を堅持するため、憲法9条をいじり改憲で自衛隊を海外派遣したいのでしょうが、政策の優先順位が違う。国民生活無視の政治を続けるなら即刻辞めるべきだ。国民を馬鹿にするのもいい加減にしてほしい」

 

2017年11月08日

ニュース:「パラダイス文書」、新たなタックスヘイブンの実態

「パラダイス文書」 明らかになった超富裕層の租税回避の秘密
(2017年11月6日、BBCニュース、Japan)

 

タックスヘイブン(租税回避地)に関する資料が新たに大量に流出し、世界の権力者や大富豪たちが人目に触れずに多額の資産をタックスヘイブンに置いている実態が明らかになった。「パラダイス文書」と名付けられた資料には英エリザベス女王の個人資産のうち1000万ポンド(約15億円)がオフショア投資に向けられていることなどが含まれる。5日に公表された資料では、ウィルバー・ロス米商務長官と関係の深い海運会社がロシアのウラジーミル・プーチン大統領の側近や親族が実質オーナーの石油会社と取引していることが明らかになった。

 

1340万件に上る今回の資料は主に、オフショア投資関連サービスで知られる1社から流出した。昨年の「パナマ文書」同様、南ドイツ新聞が入手し、BBCや英紙ガーディアンを含む世界67カ国の約100報道機関が参加する国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)に協力を求めていた。BBCパノラマの取材班が資料の調査に当たった。5日公表分は、資料に含まれる何百人もの人々や会社の税や資産運用に関する情報のうち公にされる部分のごく一部に過ぎない。それには英国と関わりの深い人物も含まれている。資料に含まれる取引の大部分に関しては違法行為は認められていない。

 

このほか5日に明らかになった内容は以下の通り。

カナダのジャスティン・トルドー首相に近く、与党自由党の資金集めを担当するスティーブン・ブロンフマン氏が関係するオフショア投資によって、カナダが何百万ドルに上る税収を失っていた可能性がある。トルドー首相はタックスヘイブンをなくすと、選挙活動で訴えていた。

 

英保守党の元副党首で主要献金者のアッシュクロフト卿が自らのオフショア投資の管理で、規定に従っていなかった可能性がある。さらに他の資料からは、アッシュクロフト卿が貴族院議員だった時期にも、節税目的で住所をタックスヘイブンのベリーズに登録したままだったと示されている。当時、同氏は外国居住の状態を解消したと考えられていた。

 

実業家ファルハド・モシリ氏が英サッカークラブチームのエバートンFCの所有権5割近くを取得した際に原資としたアーセナルFC株式は、同チームの30.4%を所有する実業家アリシェル・ウスマノフ氏の「贈り物」という形の資金提供で取得された可能性がある。このため、エバートンFC株式を所有しているのはウスマノフ氏なのではないかと、疑惑が生じている。モシリ氏は資金は贈与されたものではないと疑惑を強く否定している。

 

エリザベス女王の資金運用

「パラダイス文書」では、エリザベス女王の個人資産のうち約1000万ポンドがオフショア投資に向けられていることが示されている。資金は、エリザベス女王の個人資産5億ポンドの投資を管理するランカスター公領によって、ケイマン諸島とバミューダ諸島のファンドに投資されている。これは法律に反しておらず、脱税行為を示唆するものでもないが、国王がオフショア投資を行うべきなのか議論を呼ぶ可能性もある。ファンドには、貧困層を搾取していると批判された分割払いの小売業「ブライトハウス」や、酒類販売のチェーン「スレッシャーズ」への少額投資が含まれていた。スレッシャーズはその後、経営が破綻。未納付の税金は1750万ポンドに上り、6000人近くが職を失った。ランカスター公領は、ファンドの投資方針には関わっておらず、女王も個別の投資について把握していたとはみられないと説明した。ランカスター公領は過去に、女王は自分の資産について「強い関心」があり、その女王の「評判に悪影響を及ぼす可能性がある行為や省略について常に配慮している」と説明していた。

 

米トランプ政権に新たな火種?

1990年代当時、実業家だったドナルド・トランプ米大統領の破産回避を助けた投資家のロス氏は、トランプ氏によって商務長官に任命された。明らかになった資料は、ロス長官の投資(緑の部分)と制裁対象となっているロシア政府関係者(赤の部分)とのつながりを示している。資料では、ロス商務長官が、ロシアのエネルギー企業向けの石油・ガス運送で毎年何百万ドルの収入を得ている海運会社への間接的な所有権を保有し続けていることが明らかになった。エネルギー企業の出資者には、経済制裁の対象となっているプーチン大統領の娘婿や側近2人が含まれている。このため、トランプ氏のロシアとのつながりをめぐり新たな疑問が浮上している。昨年の大統領選でロシアがトランプ候補を勝たせようと介入したとの疑惑が、トランプ政権の足かせとなってきた。トランプ大統領は一連の疑惑を「フェイク・ニュース」と呼び、否定している。

 

資料はどこから流出したのか

資料の大半は、バミューダ諸島に拠点を置きオフショア投資で重要な顧客を抱える法律事務所「アップルビー」から流出した。アップルビーは税率がゼロか低率のオフショア投資の仕組みを、顧客に提供している。「パラダイス文書」にはこのほか、主にカリブ海地域の法人登記に関する資料が含まれる。資料を入手した南ドイツ新聞は、情報源を明らかにしていない。ICIJに参加するメディア各社は、オフショア投資に関する情報漏洩(ろうえい)が違法行為の露呈につながった経験がしばしばあるため、今回の調査も公益に寄与するという姿勢だ。資料流出を受けてアップルビーは、「我々や我々の顧客に間違った行為があった証拠がなかったことに満足している」と述べ、「我々は違法行為を許容しない」と付け加えた。

 

オフショア投資とは?

簡単に言えば、企業や個人が居住する国の規制を逃れて低税率の恩恵を受けられる場所にお金や資産、利益を持っていくことだ。そのような場所は一般的にタックスヘイブンと呼ばれ、業界では、より正式にオフショア金融センター(OFC)と呼ばれている。英国はこの分野に深く関わっている。英国の海外領や王室属領の多くがOFCだということだけでなく、ロンドンの金融街「シティ・オブ・ロンドン」にはオフショア投資業界で働く弁護士や会計士、銀行家の多くが拠点を置いている。巨額の資産を持つ富豪が関わる分野でもある。「Capital Without Borders: Wealth Managers and the One Percent(仮訳:国境なき資本:ウェルス・マネジャーと1パーセント)」の著者、ブルック・ハリングトン氏は、オフショア投資は人口の1%にあたる富裕層のものではなく、0.001パーセントの富裕層のためにあると指摘する。資産が50万ドルあったとしても、オフショア投資にかかる手数料を払うのには十分ではないという。

 

我々への影響――気にするべきことなのか

まずはその規模だ。ボストンコンサルティンググループによると、10兆ドルがオフショア投資に向けられている。これは英国と日本、フランスの国内総生産(GDP)を全て足し合わせた額にほぼ相当する。10兆ドルという額は保守的な見積もりに基づいている。オフショア投資を批判する人々は、違法行為を生み出しやすい秘密主義や不平等性が主な問題だと指摘する。また、これまでオフショア投資を抑制しようとする各国政府の対応はのろく、効果を上げてこなかったという。ハリングトン氏は、もし富裕層が課税逃れをしているのであれば、代償を払うのは貧困層だと話す。「政府が機能するため必要な最低限の額があり、富裕層や企業から得られなかった分は我々の懐から徴取される」。英下院の決算委員会を委員長を務める野党・労働党のメグ・ヒリヤー議員はBBCパノラマに対し、「オフショアで起きていることを我々は知る必要がある。オフショア投資が秘密にされていなければ、このようなことの一部は起きなかった。(中略)透明性が必要で、日の光が当たるようにしなくてはならない」と語った。

 

オフショア投資を擁護する意見

OFCがもし存在しなかったら、各国政府の課税への抑制がきかなくなるとする主張がある。お金はそこに貯め込まれるのではなく、世界中で使われる資金になるという。BBCパノラマが番組のために取材した当時、バミューダの財務相を務めていたボブ・リチャーズ氏は、各国の税徴取は自分の責任ではなく、各国政府が解決すべき問題だと述べた。BBCパノラマは今回リークされた資料に大きく関わる王室属領のマン島のハワード・クエール首席大臣にも取材。クエール氏はリチャーズ氏同様、地域では規制が行き届き、国際的な金融取引に関する報告義務を完全に守っており、タックスヘイブンだとみられること自体が正しくないと語った。アップルビーは過去に、OFCが「腐敗した政府からの盾となることで、犯罪や汚職あるいは迫害の犠牲となった人々を守っている」と述べている。

2017年11月04日

ニュース:英首相、「バルフォア宣言」に謝罪拒否

バルフォア宣言に「誇り」=パレスチナへの謝罪拒否-英首相
2017/11/03、時事ドットコム

 

英国のメイ首相は2日、イスラエルのネタニヤフ首相とロンドンの首相官邸で会談した。英首相府報道官によるとメイ氏は席上、パレスチナにユダヤ人国家を建設することを支持した英国の「バルフォア宣言」から同日で100年になるのを踏まえ、イスラエル建国に際して英国が演じた役割を「誇らしく思う」と述べた。パレスチナ側はバルフォア宣言を批判し、英国に謝罪やパレスチナ国家の承認を求めているが、メイ氏は「誇りと敬意を持って宣言100周年を記念する」と述べた。

 

両首相は停滞する中東和平プロセスについて協議。この中でメイ氏は、東エルサレムやヨルダン川西岸でのユダヤ人入植地の建設に「重大な懸念」を表明した。両首相はこの後、ロンドン市内で催された記念夕食会に出席。首相府が公表したメイ氏のスピーチテキストによれば、同氏は宣言が表明された当時のバルフォア英外相からロスチャイルド卿への書簡を「歴史上最も重要な書簡の一つ」と称賛。宣言をめぐる謝罪要求について「絶対に(謝罪は)ない」と拒否した。

2017年11月02日

ニュース:日本版海兵隊、米軍基地共同使用へ

日本版海兵隊、沖縄配置へ 日米調整、米軍基地を共同使用 2020年代前半、
米部隊移転後
(2017年10月31日、朝日)

 

陸上自衛隊に離島防衛の専門部隊「水陸機動団」(日本版海兵隊)が来年3月、新設される。防衛省はこの部隊を当初、長崎県の相浦駐屯地をはじめ九州に置くが、2020年代の前半には沖縄県の米海兵隊基地キャンプ・ハンセンにも配置する方針を固め、米側と調整に入った。在日米軍再編に伴って沖縄に駐留する米海兵隊の一部が米領グアムに移転した後を想定しているという。

 

複数の政府関係者が明らかにした。尖閣諸島に近い沖縄に置くことで、中国への抑止効果とともに、南西諸島で何か起きた際の展開を早める狙いがあるという。一方、沖縄にとっては、海兵隊の移転後に自衛隊が駐留することになり、「本当の基地負担の軽減につながらない」といった反発も予想される。陸自が来年3月末に発足させる水陸機動団は約2100人。相浦駐屯地には、司令部のほか2個の水陸機動連隊を置くことが決まっている。

 

政府関係者によると、キャンプ・ハンセンへの駐留が検討されているのは、20年代前半までに発足させる予定の三つ目の水陸機動連隊。規模は約600人程度を想定しているという。日米両政府は8月の外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)の際の共同発表で、南西諸島を含めた自衛隊の態勢を強化し、米軍基地の共同使用を促進することを確認し合った。キャンプ・ハンセンの共同使用を念頭に置いていたという。共同発表を受け日米両政府は、在沖縄の米海兵隊の一部がグアムに移転した後に陸自の水陸機動連隊の一つをキャンプ・ハンセンに配置する基本方針を確認。在沖縄米軍は日本側に、この部隊の規模や編成など具体的な検討を進めるチーム設置を申し入れたという。

 

日米両政府は06年、沖縄の米軍基地負担の軽減と抑止力の維持を両立させる目的で、在日米軍再編の「ロードマップ」を策定した。12年には、在沖縄の海兵隊員のうち約9千人の国外(このうち約4千人をグアム)移転に合意。13年には、グアム移転を20年代前半に始めることも公表している。日本政府は、沖縄側の反応も見ながら検討を進める方針だ。

 

◆キーワード

<水陸機動団> 離島が侵攻された際、戦闘機や護衛艦などの支援を受けながら、水陸両用車やボートなどを使って島に上陸し、奪還する「水陸両用作戦」の実施部隊。米海兵隊をモデルにしている。13年に閣議決定された防衛計画の大綱で部隊の創設が盛り込まれ、中期防衛力整備計画で水陸両用車など部隊が使う装備の導入が明記された。陸自が導入を進める輸送機オスプレイも水陸機動団の展開に使われる。

 

2017年10月27日

ニュース:第2代国連事務総長、暗殺だった!?

2代目国連総長は暗殺か…墜落死は「外部攻撃」
(2017年10月26日、読売)

 

第2代国連事務総長のダグ・ハマーショルド氏を乗せた航空機が1961年9月にアフリカで墜落したことを巡り、国連が設置した調査委員会の報告書が25日公表された。報告書は、墜落原因が「外部からの攻撃や脅威」だった可能性があると指摘し、断定は避けつつも、ハマーショルド氏が暗殺されたことを示唆する内容になっている。

 

墜落当時、航空機にはボイスレコーダーなどがなく、飛行高度を見誤るなど、パイロットのミスやその他の原因による「事故」と結論づけられた。ところが近年、ミサイルによる撃墜の可能性を指摘する専門家の声などを受け、国連は潘基文(パンギムン)事務総長時代の2013年、事故の再調査を決めた。

2017年10月20日

ニュース:パチンコ倒産急増か

出玉規制の強化控えるパチンコ業界 倒産急増の予兆も
(2017.10月17日、ZUU Online)

 

帝国データバンクが10月10日に発表した「パチンコホール経営業者の倒産動向調査(2017年1~9月)」によると、2017年のパチンコホール経営業者の倒産件数は9月時点で16件となり、残り3ヵ月を残して早くも前年の13件を上回った。倒産件数が前年を上回るのは2014年以来3年ぶりとなる。参加人口の減少が続くパチンコ業界であるが、2018年2月には出玉規制の強化も予定されており、市場環境には逆風が吹き続けている。

 

■3ヵ月を残し、倒産件数、負債総額共に前年越え

調査によると、2017年のパチンコホール経営業者の倒産件数は9月時点で16件となっている。倒産件数が前年を上回ったのは2014年以来3年ぶりとなるが、2017年はまだ3ヵ月を残しており、このペースで倒産が続くと2014年の25件以来の20件超えとなる可能性もある。

 

負債総額で見ると、2017年は9月時点で198億1800万円となっている。こちらも残り3ヵ月を残しているが、早くも2013年以来4年ぶりの前年(102億5500万円)超えとなっている。負債総額については1月に倒産した岡山県に地盤を置くゲンダイグループの大型倒産の影響が大きい。中核子会社となるゲンダイの負債総額は105億円となっており、2007年以来10年ぶりに負債100億円以上の倒産が発生した事となる。一方で小規模倒産も増加しており、負債総額1000万~5000万円未満の倒産件数は前年の1件を大きく上回る8件となり、件数では全体の半数を占めた。

 

パチンコ業界の倒産件数はピークであった2007年、2008年にそれぞれ72件を記録したが、その後は減少の傾向が見られた。2016年の倒産件数は13件に留まり、過去10年間で最低となっている。負債総額についても、2016年は2011年に次いで、過去10年間で2番目に低い数字となっていた。今年は倒産件数、負債総額共に、9月時点で早くも前年超えとなっており、パチンコ業界を取り巻く事業環境の潮目が変わった可能性もある。

 

■縮小続くパチンコ業界 参加人口は20年で約3分の2に

警察庁の統計によると、パチンコホールの店舗数は1990年代後半には1万7000店前後で推移していたが、2016年には1万986店となっている。店舗数は20年近くで約3分の2に減少した。店舗数減少の原因はパチンコ参加人口の減少に伴う市場規模の縮小だ。日本生産性本部の発行する「レジャー白書2017」によると、参加人口は1996年の2760万人から2016年には940万人になっている。ピーク時には3000万人に迫った参加人口はその3分の1の規模にまで減少した。市場規模も同様に1996年の30兆700億円から2016年には21兆6260億円と大きく減少している。パチンコ業界を取り巻く環境は非常に厳しいと言える。

 

パチンコ参加人数の減少は度重なる法規制に加え、パチンコ以外のレジャーの増加が原因と見られ、近年はスマホの普及等により、どこでもゲームを楽しめるようになった事も大きな影響を与えているようだ。参加人口の減少が大きいパチンコであるが、参加人口1人当たりの年間平均来店回数は増えているという特徴もある。「レジャー白書2017」によると、1996年には年22.5回であった平均来店回数は2016年には年29.8回にまで伸びている。現在のパチンコ業界は一部のコアな利用者によって支えられているとも言えるだろう。

 

■出玉規制の強化が更なる逆風に パチンコ業界は苦難の時代

厳しい状況が続くパチンコ業界であるが、その逆風はさらに強まる気配を見せている。政府はギャンブル依存症対策を強化しており、パチンコの嗜好性を抑える方向での規制が次々と導入されている。2016年12月末には旧基準パチンコ機種の撤去期限を迎えた。また、2017年9月末には5.5号機と呼ばれるパチスロ機の販売が中止となり、出玉の上限が抑えられた5.9号機へ移行していく事となっている。

更に、パチンコ業界で大きな波紋を呼んでいるのが、警察庁が8月に決定した改正風営法による出玉制限の強化である。2018年2月に施行される事となっており、時間内の出玉の上限は従来基準の約3分の2となる。嗜好性を抑える方向により、現在のコアな利用者がパチンコから離れてしまう懸念がある。

 

パチンコ業界では2004年7月以降に規制強化した台の導入を義務付けた「5号機問題」と類似した動きであると不安視している。「5号機問題」はパチンコ業界に大きな影響を与え、その結果、2007年と2008年にはパチンコホール倒産件数が年間72件となっている。今後の規制強化によって、パチンコホールの倒産が増加する可能性は十分にあると言える。

 

近年、パチンコホールの倒産件数は小康状態が続いていたが、2017年に前年超えとなる事で、底打ちからの反転傾向に転じる可能性も大いにあり得るだろう。逆風が吹き止まないパチンコ業界は正に苦難の時代と言える。

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