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2017年11月08日

ニュース:「パラダイス文書」、新たなタックスヘイブンの実態

「パラダイス文書」 明らかになった超富裕層の租税回避の秘密
(2017年11月6日、BBCニュース、Japan)

 

タックスヘイブン(租税回避地)に関する資料が新たに大量に流出し、世界の権力者や大富豪たちが人目に触れずに多額の資産をタックスヘイブンに置いている実態が明らかになった。「パラダイス文書」と名付けられた資料には英エリザベス女王の個人資産のうち1000万ポンド(約15億円)がオフショア投資に向けられていることなどが含まれる。5日に公表された資料では、ウィルバー・ロス米商務長官と関係の深い海運会社がロシアのウラジーミル・プーチン大統領の側近や親族が実質オーナーの石油会社と取引していることが明らかになった。

 

1340万件に上る今回の資料は主に、オフショア投資関連サービスで知られる1社から流出した。昨年の「パナマ文書」同様、南ドイツ新聞が入手し、BBCや英紙ガーディアンを含む世界67カ国の約100報道機関が参加する国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)に協力を求めていた。BBCパノラマの取材班が資料の調査に当たった。5日公表分は、資料に含まれる何百人もの人々や会社の税や資産運用に関する情報のうち公にされる部分のごく一部に過ぎない。それには英国と関わりの深い人物も含まれている。資料に含まれる取引の大部分に関しては違法行為は認められていない。

 

このほか5日に明らかになった内容は以下の通り。

カナダのジャスティン・トルドー首相に近く、与党自由党の資金集めを担当するスティーブン・ブロンフマン氏が関係するオフショア投資によって、カナダが何百万ドルに上る税収を失っていた可能性がある。トルドー首相はタックスヘイブンをなくすと、選挙活動で訴えていた。

 

英保守党の元副党首で主要献金者のアッシュクロフト卿が自らのオフショア投資の管理で、規定に従っていなかった可能性がある。さらに他の資料からは、アッシュクロフト卿が貴族院議員だった時期にも、節税目的で住所をタックスヘイブンのベリーズに登録したままだったと示されている。当時、同氏は外国居住の状態を解消したと考えられていた。

 

実業家ファルハド・モシリ氏が英サッカークラブチームのエバートンFCの所有権5割近くを取得した際に原資としたアーセナルFC株式は、同チームの30.4%を所有する実業家アリシェル・ウスマノフ氏の「贈り物」という形の資金提供で取得された可能性がある。このため、エバートンFC株式を所有しているのはウスマノフ氏なのではないかと、疑惑が生じている。モシリ氏は資金は贈与されたものではないと疑惑を強く否定している。

 

エリザベス女王の資金運用

「パラダイス文書」では、エリザベス女王の個人資産のうち約1000万ポンドがオフショア投資に向けられていることが示されている。資金は、エリザベス女王の個人資産5億ポンドの投資を管理するランカスター公領によって、ケイマン諸島とバミューダ諸島のファンドに投資されている。これは法律に反しておらず、脱税行為を示唆するものでもないが、国王がオフショア投資を行うべきなのか議論を呼ぶ可能性もある。ファンドには、貧困層を搾取していると批判された分割払いの小売業「ブライトハウス」や、酒類販売のチェーン「スレッシャーズ」への少額投資が含まれていた。スレッシャーズはその後、経営が破綻。未納付の税金は1750万ポンドに上り、6000人近くが職を失った。ランカスター公領は、ファンドの投資方針には関わっておらず、女王も個別の投資について把握していたとはみられないと説明した。ランカスター公領は過去に、女王は自分の資産について「強い関心」があり、その女王の「評判に悪影響を及ぼす可能性がある行為や省略について常に配慮している」と説明していた。

 

米トランプ政権に新たな火種?

1990年代当時、実業家だったドナルド・トランプ米大統領の破産回避を助けた投資家のロス氏は、トランプ氏によって商務長官に任命された。明らかになった資料は、ロス長官の投資(緑の部分)と制裁対象となっているロシア政府関係者(赤の部分)とのつながりを示している。資料では、ロス商務長官が、ロシアのエネルギー企業向けの石油・ガス運送で毎年何百万ドルの収入を得ている海運会社への間接的な所有権を保有し続けていることが明らかになった。エネルギー企業の出資者には、経済制裁の対象となっているプーチン大統領の娘婿や側近2人が含まれている。このため、トランプ氏のロシアとのつながりをめぐり新たな疑問が浮上している。昨年の大統領選でロシアがトランプ候補を勝たせようと介入したとの疑惑が、トランプ政権の足かせとなってきた。トランプ大統領は一連の疑惑を「フェイク・ニュース」と呼び、否定している。

 

資料はどこから流出したのか

資料の大半は、バミューダ諸島に拠点を置きオフショア投資で重要な顧客を抱える法律事務所「アップルビー」から流出した。アップルビーは税率がゼロか低率のオフショア投資の仕組みを、顧客に提供している。「パラダイス文書」にはこのほか、主にカリブ海地域の法人登記に関する資料が含まれる。資料を入手した南ドイツ新聞は、情報源を明らかにしていない。ICIJに参加するメディア各社は、オフショア投資に関する情報漏洩(ろうえい)が違法行為の露呈につながった経験がしばしばあるため、今回の調査も公益に寄与するという姿勢だ。資料流出を受けてアップルビーは、「我々や我々の顧客に間違った行為があった証拠がなかったことに満足している」と述べ、「我々は違法行為を許容しない」と付け加えた。

 

オフショア投資とは?

簡単に言えば、企業や個人が居住する国の規制を逃れて低税率の恩恵を受けられる場所にお金や資産、利益を持っていくことだ。そのような場所は一般的にタックスヘイブンと呼ばれ、業界では、より正式にオフショア金融センター(OFC)と呼ばれている。英国はこの分野に深く関わっている。英国の海外領や王室属領の多くがOFCだということだけでなく、ロンドンの金融街「シティ・オブ・ロンドン」にはオフショア投資業界で働く弁護士や会計士、銀行家の多くが拠点を置いている。巨額の資産を持つ富豪が関わる分野でもある。「Capital Without Borders: Wealth Managers and the One Percent(仮訳:国境なき資本:ウェルス・マネジャーと1パーセント)」の著者、ブルック・ハリングトン氏は、オフショア投資は人口の1%にあたる富裕層のものではなく、0.001パーセントの富裕層のためにあると指摘する。資産が50万ドルあったとしても、オフショア投資にかかる手数料を払うのには十分ではないという。

 

我々への影響――気にするべきことなのか

まずはその規模だ。ボストンコンサルティンググループによると、10兆ドルがオフショア投資に向けられている。これは英国と日本、フランスの国内総生産(GDP)を全て足し合わせた額にほぼ相当する。10兆ドルという額は保守的な見積もりに基づいている。オフショア投資を批判する人々は、違法行為を生み出しやすい秘密主義や不平等性が主な問題だと指摘する。また、これまでオフショア投資を抑制しようとする各国政府の対応はのろく、効果を上げてこなかったという。ハリングトン氏は、もし富裕層が課税逃れをしているのであれば、代償を払うのは貧困層だと話す。「政府が機能するため必要な最低限の額があり、富裕層や企業から得られなかった分は我々の懐から徴取される」。英下院の決算委員会を委員長を務める野党・労働党のメグ・ヒリヤー議員はBBCパノラマに対し、「オフショアで起きていることを我々は知る必要がある。オフショア投資が秘密にされていなければ、このようなことの一部は起きなかった。(中略)透明性が必要で、日の光が当たるようにしなくてはならない」と語った。

 

オフショア投資を擁護する意見

OFCがもし存在しなかったら、各国政府の課税への抑制がきかなくなるとする主張がある。お金はそこに貯め込まれるのではなく、世界中で使われる資金になるという。BBCパノラマが番組のために取材した当時、バミューダの財務相を務めていたボブ・リチャーズ氏は、各国の税徴取は自分の責任ではなく、各国政府が解決すべき問題だと述べた。BBCパノラマは今回リークされた資料に大きく関わる王室属領のマン島のハワード・クエール首席大臣にも取材。クエール氏はリチャーズ氏同様、地域では規制が行き届き、国際的な金融取引に関する報告義務を完全に守っており、タックスヘイブンだとみられること自体が正しくないと語った。アップルビーは過去に、OFCが「腐敗した政府からの盾となることで、犯罪や汚職あるいは迫害の犠牲となった人々を守っている」と述べている。

2017年07月21日

ニュース:もはや明白、アベノミクスの失敗

物価にデフレ心理の壁 日銀、2%達成6回目先送り 
(2017/7/21、日経)

 

日銀は20日の金融政策決定会合で景気判断を前進させる一方で、物価目標の達成時期を「2019年度ごろ」へ再び先送りした。個人消費の回復や雇用の逼迫で物価が上昇する条件が整いつつあるにもかかわらず物価上昇率は0%台に低迷したまま。その最大の「犯人」を巡り日銀は企業や家計に巣くうデフレ心理だとの分析を示した。追加緩和の手立ても限られる中、2%の目標達成は見通しづらくなっている。「残念だ」。黒田東彦総裁は20日午後の記者会見で達成時期先送りに渋い顔をみせた。経営者らの間では価格転嫁の機運も出ているが、春先の値上げの動きは日銀の想定よりはるかに鈍く、目標達成時期を「2018年度ごろ」から「19年度ごろ」へとずらした。

 

 

日本の景気は悪くないのになぜ物価は無反応なのか。日銀はこの1~2カ月、この難題と格闘してきた。企業収益、設備投資、個人消費と景気のパーツはいずれも上向き、20日の経済・物価情勢の展望(展望リポート)での総括判断も一歩前進させた。世界経済の緩やかな回復で鉱工業生産は堅調で企業収益は過去最高水準だ。0%台の潜在成長率を大きく上回る成長で日本経済はほぼ完全雇用といわれる状態にあり、労働の需給は一段と引き締まっている。日銀の望む「好循環」が機能し始め物価が上向いてもおかしくないのに、なぜかセオリー通りに点火しない。

 

実際、政府がデフレ脱却の4条件として重視する需要と供給のバランス(GDPギャップ)や消費者物価指数、貿易も加味した物価の動き(GDPデフレーター)などをみると、一部は改善しているがおおむね前年比0%近辺で低迷し、デフレ圏からの脱出速度は遅い。黒田氏はこの背景を「賃金や物価が上がりにくいことを前提にした考え方が企業や家計に根強く残っている」と指摘した。たとえば賃上げはパートで目立つ一方、正社員は賃金より雇用安定を優先する分、遅れがちだ。物価の面では企業がコスト上昇分を省力化投資や営業時間縮小などで吸収しているため、価格転嫁の段階に至ってない。長いデフレ期に染みついた慎重姿勢を「十分に勘案していなかった」(黒田総裁)という。

 

展望リポートでも日本人が将来のインフレ率を予想する際、とくに過去の物価動向に引きずられやすい傾向があると指摘。「適合的な期待形成」と呼ばれるこうした経済理論を引用し、物価上昇に時間がかかることを認めた。それでも黒田氏は「この状況がずっと続くことはありえない」と強調。生産性向上だけで賃金や原材料コストの上昇を吸収するのにもおのずと限界があるとみているからだ。足元の物価の弱さを認めつつも「物価上昇のモメンタム(勢い)は維持されている」という理屈を示し、追加緩和は「現時点で必要ない」ことで一致した。現行の長短金利操作付き量的・質的緩和策については「企業や家計の予想物価が上昇すれば実質金利がさらに下がり、緩和効果が強まる」ともアピールした。すでに長期金利は0%程度にまで下がっている。長短金利の誘導目標をさらに引き下げることもできなくはないが、景気刺激効果が見えづらい上、金融機関の収益圧迫など副作用が大きい。国債購入の増額も難しい。日銀内では「サプライズを起こしてまで緩和する状況ではない」(幹部)との声も増え、追加緩和しようにも動けないというのが現実だ。

 

物価上昇のストーリーを堅持している日銀だが、達成時期の先送りは今回で6回目だ。東短リサーチの加藤出氏は「19年度に目標を達成したとしても異次元緩和から6年。当初の2年とはほど遠い」と見通しの甘さを指摘。大和総研の熊谷亮丸氏は「企業が積極的に値上げする可能性は日銀が描くほどには高くない」といい、18年度の物価上昇率は1%に達しないとみる。景気回復局面はすでに5年近くになり、戦後3番目の長さだ。BNPパリバ証券の河野龍太郎氏は「19年には世界景気が減速してくる。出口の道筋を付けておかないと、不況時の政策手段が限られる」という。海外発でショックが起これば、日銀のシナリオは崩れる。

 

2017年04月05日

仮想通貨の国際規格巡り各国交渉へ

仮想通貨の「心臓部」標準争い 国際規格巡り各国交渉へ
(2017/4/4 日本経済新聞 電子版)

 

仮想通貨ビットコインや納税、カルテ、処方箋――。さまざまな分野への応用が期待される未来の中核技術を巡って3日、日米欧など各国による「標準」争いの幕が上がった。世界中で様々な電子サービスの心臓部になる可能性が高く、その標準作りは自国産業を背負った経済外交そのものだ。ビットコイン大国、中国の出方からも目が離せない。

 

中国「技術のあるべき機能と役割について提案したい」、米国「議論のリーダーを任せてもらいたい」

オーストラリアで開かれた国際標準化機構(ISO)の国際交渉に先立ち、交渉参加国は3月中旬から次々と意見表明していた。交渉するのは「ブロックチェーン」と呼ばれる技術の標準をどうするのかということだ。用語だけ聞くと取っつきにくいが、要するにネット空間に広がる巨大な「電子台帳」に、取引の参加者全員で取引記録を書き込んでいくイメージだ。例えばビットコインの取引に関わる人すべてが同じ電子台帳を持ち、売買の履歴がその都度更新される。誰か1人の台帳が改ざんされても、みんなで照合することで不正を見抜くことができる。決済や送金はもちろん土地の登記、寄付、さらに投票といった行政サービスにも活用することが期待されているが、技術には20近い流派があり、基準が乱立したままだ。

 

混沌とした状況の中、主導権を握ろうという動きが表面化したのは昨年4月だ。豪州が何の前触れもなく、ISOに対して基準作りを提案した。提案書に引用されたのは英国が昨年1月にまとめたリポート。「英連邦系の国家が手を組んで次世代金融の覇権を握ろうとしている」。関係者は騒然となった。正式な交渉参加国は17カ国で、日米中露のほか欧州から独仏やフィンランドなども加わる。オブザーバーも17カ国にのぼり、ISOでは近年最大級の交渉になる。いわば数ある流派の「チャンピオン」を決める交渉だ。ビットコインの急速な台頭で、置いてけぼりに危機感を強める国際決済システム運用の国際銀行間通信協会(SWIFT)もオブザーバー参加し、さや当てが始まっている。豪の提案後、すぐさま動いたのは米国だ。欧州勢の存在感が大きいISOではなく、米の影響力が強い国際電気標準会議(IEC)とISOの合同会議に急きょ、同様の提案を持ち込んだ。豪交渉で日本代表団の事務局を務める日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)の郡司哲也主任研究員は「標準の提案をすぐにするのは無理だ。米は準備をしていたものの豪に先を越されたのだろう」と真相を読む。

 

もともと情報技術(IT)分野の標準はISOではなくIECで決めるのが慣例だ。その意味では米のやり方は筋が通っていたが国際競争では先手必勝。半年近い議論の末、米提案は否決された。先を越されたのは日本も同じだ。経済産業省国際電気標準課の小出啓介課長補佐は「日本でも業界団体と1年かけて、どこに提案すべきか議論してきたところだった」と明かす。ただ日本は米のように対抗措置は取らず、ISOの交渉入りに賛同した。英連邦勢に正面から挑むのではなく、女房役として振る舞う勝ち馬作戦だ。流派ごとに性能に大きなばらつきがあるブロックチェーン。その優劣を見極めるための「性能評価」の手法を経産省と日立製作所や日本IBM、NECなどで共同で作り、日本勢に有利な土俵を作れるよう議論を誘導する狙いだ。見逃せないのは仮想通貨の利用者が世界で突出して多い中国の動向だ。ISO会長も実は中国鞍山鉄鋼集団の張暁剛氏で、近年ISOでの発言力は高まっている。ブロックチェーンの国際標準にも無関心なはずがなく、英連邦勢との連携もあり得るとの見方がある。増島雅和弁護士は「中国はインターネットで徹底した国家管理に成功した経験も踏まえ、規格作りで主導権を握ろうとするのではないか」とみる。

 

3日から始まったISOの専門家委員会では、慣例にのっとり豪が議長を務める。今後は、議論の柱や技術の用途ごとに小委員会も設置される見通しで、新たなポスト獲得を目指し各国の綱引きが起きそうだ。標準の策定交渉は議論が始まってから決着まで、およそ3年に及ぶマラソン交渉だ。対中警戒感も強まる中でトランプ政権への移行でいまは動きがやや鈍い米当局のエンジンがかかったらどう出てくるのか。本命なき争いの行方は全く先が読めない。

 

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ビットコイン対応26万店 ビックカメラなど導入
投資対象から決済へ
(2017/4/5 日本経済新聞 電子版)

 

仮想通貨ビットコインを新たな決済手段として店舗に導入する動きが広がり始めた。ビックカメラは週内に都内2店舗でビットコインによる決済を開始。リクルート系も今夏をめどに26万店で利用できるようにする。投資が中心だったビットコインの利用が店舗での決済手段に広がる。訪日外国人を狙った動きだが、日本の消費者への普及につながる可能性もある。

 

ビックカメラはビットコイン取引所国内最大手のビットフライヤー(東京・港)と組み、7日から旗艦店の有楽町店(東京・千代田)とビックロビックカメラ新宿東口店(東京・新宿)でビットコインによる決済システムを試験導入する。決済の上限を10万円相当とするが、現金と同率でポイントも還元する。利用動向を見ながら、他の店舗への展開を検討する。リクルートライフスタイルは取引所のコインチェック(東京・渋谷)と組み、タブレットを使ったPOS(販売時点情報管理)レジアプリ「Airレジ」を使う店舗が希望すればビットコインで支払えるようにする。タブレットなど店舗の端末と消費者のスマートフォン(スマホ)を使って決済すると、その額がビットコイン口座から引き落とされる。コインチェックが日本円に変換し、店舗に振り込む。Airレジは小売店や飲食店を中心に全国の26万店が採用している。決済システムだけの導入も可能。中国からの訪日客向けにアリババ集団傘下の電子マネー「支付宝(アリペイ)」も利用でき、ビットコインも使えるようにすることで多様な決済に対応する。

 

国内でビットコインで支払いができる店舗は現在4500カ所程度にとどまる。現金以外ではSuicaや楽天Edyといった電子マネーの普及が先行している。リクルート加盟店とビックカメラでの導入によって26万店に急拡大し、38万店のSuicaや47万カ所のEdyの規模に近づく。ビットコインは世界での利用者数が2000万人を超え、月間取引高は12兆円に達するが、利用者の8割以上が北米と欧州に偏っている。価格が変動するため投資目的での売買が大半だったが、外貨に両替することなく自分のビットコイン口座で決済できることから、海外渡航先での利用が拡大している。国内でも決済に対応する店舗が増えることで、ビットコインの口座を持つ消費者が増える可能性がある。

 

日本では1日に改正資金決済法が施行された。仮想通貨の取引所に登録制が導入され、安全面での制度整備が進む。7月からは仮想通貨の購入時にかかっていた消費税がなくなり、ビットコイン利用者の負担が減ることも市場拡大の追い風になるとみられる。

 

2017年03月25日

ブログ&ニュース:籠池劇場に振り回されている最中に…

籠池劇場の最中にも、アベノミクスで痛んだ日本の金融が悲鳴を上げはじめている。安倍総理は、当然だがアベノミクスの成果を強調する。ただ、必ずでるのが、有効求人倍率。雇用統計は他にもあるだろうが、これしかない。これしか出さないから、アベノミクスは失敗だと思う。野党は野党で、総理の有効求人倍に対しては、非正規雇用者が増えただけか、または、実質賃金は下がっているというように、こちらも同じ反論しかしていないような印象だ。

 

アベノミクスはすでに失敗している。ただ与野党の主張は平行線で今後も同じ繰り返しで、何の結論もでないような気がする。そうしている間にも、実体経済の方で、アベノミクス破綻の現象がでてきているようだ。3月24日の日経の記事(電子版)の記事がその一例である。

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干上がる国債市場に異例の一手 日銀、8年ぶり供給
(2017/3/24、日経)

 

日銀が市場に流れるお金の量を調節するオペレーション(公開市場操作)で「異例の一手」を繰り出した。約8年ぶりに「国債売り現先オペ」という手法を使い24日、約1兆円もの国債を市場に供給したのだ。金融緩和を続けているはずの日銀が国債の売却により市場から資金を吸い上げたとの誤解を生みかねない異例の対応は、国債不足が「飢餓状態」にまで達していることを如実に映し出している。

 

 

■国債1兆円分、市場に供給

国債売り現先オペとは、一定期間後に再び買い戻す条件付きで日銀が保有する国債を金融機関に売却するオペの手段の1つだ。このオペを実施したのは2008年11月28日以来。金融機関からは2兆601億円の応札があり1兆2億円を落札した。今回のオペの対象期間は年度末をまたぐ3月27日から4月3日までの1週間だ。このオペが長らく実施されていなかったのは、大規模緩和のもとで日銀が市場との間で手がけてきたオペと真逆の方向感を持つ手法だからだ。これまで日銀が頻繁に実施してきたのは金融機関から国債を買い入れる代わりに資金を供給する「国債買い入れオペ」。今回のオペは国債を供給することで見かけ上、市場から資金を吸い上げる形になってしまう。

 

 

■「国債がどこにもない」

日銀がこのオペの実施に踏み切ったのは資金の吸収が狙いではなく、3月の決算期末を控えて金融市場で国債不足が極端に強まっていたことが背景にある。「国債がどこにもない」――。年度末に向け、市場では国債の奪い合いとも言うべき状況が起こっていた。最も顕著に表れていたのは、銀行などが国債と現金を一定期間交換する債券貸借取引。日本証券業協会が23日公表した指標金利(東京レポ・レート)は1週間物(期日は3月27日~4月3日)の取引が前日比0.686%低いマイナス0.788%と、過去最大のマイナス金利に沈んだ。「わずか1日でこれほど金利が低下したのは初めて」(野村証券の中島武信氏)という。

 

金融機関の間では決算期末の貸借対照表上に余分な現金を置いておくより国債で運用しているほうが決算上、「見栄え」が良くなることなどから国債の需要は期末に高まりやすいとされる。さらに国債は様々な金融取引の担保としても使われている。「期末越え」を控えて金利を払ってでも国債を一定期間確保したいというニーズが膨らんだことがマイナス幅の拡大につながった。日銀の対応は早かった。同市場で23日に取引金利が急低下したのを受け、長らく実施していなかった国債売り現先オペの実施を含む対策を同日夕刻に発表した。日銀の異例の対応を受け、市場は急速に落ち着きを取り戻しつつある。24日の同市場では1週間物の金利がマイナス0.145%と大きく戻した。

 

■金融緩和の副作用強まる

ただ、市場の国債不足は日銀自身が金融緩和のため「国債を買いすぎた」ことに根本的な原因がある。日銀は長期国債の新規発行額のほとんどを買い入れているうえ、短期国債も毎月、数兆円単位で市場から買い続けている。東短リサーチの寺田寿明氏は「緩和が長く続いていることで、流通市場の国債不足は累積的に深刻化している。年度末のような一時的な需要が加わっただけでも、大きな変動が起きやすくなっている」と指摘する。日本では物価上昇が見通せないなか、金融緩和の状態は当面続く見通しだ。3月末を越えれば市場の動きはいったんは収まるとみられるものの、構図は変わらないだけに期末ごとに市場では国債の「飢餓状態」という副作用が繰り返される懸念がある。

2017年03月16日

仮想通貨技術で銀行連携

仮想通貨技術で銀行連携 送金サービスなど開発
(2017/3/16 日本経済新聞)

全国銀行協会は複数の銀行が連携して仮想通貨技術を使った新たな金融サービスを生み出す環境を整備する。2017年度中に大手銀行や地銀などが共同で実証実験できる場を設け、金融庁や日銀からも法制度などの観点から助言を受けられるようにする。金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックの開発が加速するなか、送金などの分野で安く利便性の高いサービスの実現を目指す。

 

ブロックチェーンと呼ばれる仮想通貨の中核技術の実用化に向け、「ブロックチェーン連携プラットフォーム(仮称)」を立ち上げる。ブロックチェーンはインターネット上の複数のコンピューターが相互に監視しながら、取引記録を共有する仕組み。巨大なサーバーなどが不要になり、低コストで処理速度も速くなる利点がある。全銀協の加盟行は他の銀行や企業とテーマごとに連合体をつくり、同プラットフォーム上で実験を進める。システム費用は全銀協が負担する方向で調整する。検証結果は全銀協に報告して各行でシェアし、業界全体として知見を蓄積する。

 

検証テーマになりそうなのが、国内外の送金サービスへの応用だ。ブロックチェーンを使えば銀行側の送金コストが10分の1~20分の1に下がるとの見方もあり、利用者が負担する送金手数料も安くなる公算が大きい。手数料が下がれば、小口送金など新たな需要が生まれる。貿易金融の分野でも数日かかっていた手続きが数分で済む可能性がある。全銀協は手形の代わりにネット上でやり取りする電子債権の取引にブロックチェーンを使えばコストを削減できるかどうかも検証する。

 

全銀協が昨年実施したアンケート調査によると7割弱の銀行がブロックチェーンの実用化を検討している。3メガバンクは国内送金への応用に向けた共同実験を実施したが、こうした取り組みは資金やノウハウの乏しい地銀単独では難しかった。今回の枠組みを通じて大手行と地銀の連携も進むと全銀協は期待する。金融庁や日銀も法制度や利用者保護などの観点から銀行連合に助言するなど協力する。銀行だけで取り組むより、実用化を見据えた実験を進めやすくなるのも特徴だ。

 

全銀協は全国の金融機関をつないで資金移動を仲介する「全銀システム」を運営する。安全性が高い半面、送金手数料が割高になる一因にもなっていた。ブロックチェーンの活用が普及すれば、全銀システムの見直し議論に発展する可能性もある。全銀協も「本丸」である全銀システムを補完する形でブロックチェーンを活用できないか探る方向へカジを切った。

2017年03月04日

ブログ&ニュース:短期国債保有、外国人が5割! 

マイナス金利政策の目的はこれだったか?

 

日本経済がどんなに財政赤字を抱えても、ギリシャのようにならないのは、国債を銀行や生保など国内投資家が保有しているからだという説明が定番であった。陰謀論的な見方をすれば、日本経済を食いものにした外国勢力からすれば、マイナス金利政策をとらせることは、日本の国債市場に入りこむための手段であったのかもしれない。保有比率を高めて、何かをきっかけに投げ売りして、ぼろ儲け?長期国債までそうなった時が危ない!

 

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短期国債保有、外国人が5割 2月末
(2017/3/3日本経済新聞 電子版)

 

短期国債市場の主役が日銀から外国人に交代した。2月末時点で外国人の保有比率は5割を超えたもようだ。日銀のマイナス金利政策を背景に短期国債の利回りも大幅に低下しており、円資金を割安に調達できる外国人しか買い手がいない。長引く異次元緩和のひずみが表れた格好だ。日銀が2日発表した統計によると、日銀の短期国債の保有額は2月末時点で約44兆円と昨年9月末から約12兆円減った。昨年9月末時点では短期国債の発行残高約120兆円のうち、日銀と外国人の保有割合が47%程度で拮抗していたが、2月末時点で日銀の割合は10%近く低下した。

 

短期国債の利回りは日銀の異次元緩和で大幅に低下。16年1月のマイナス金利政策の導入決定以降は入札での利回りが1年物でマイナス0.3%程度に下がり、国内金融機関が運用目的で買う利点は薄れている。一方、外国人は手元のドルを円に交換する取引で利益を得られるため、短期国債がマイナス利回りでも収益を確保できる。日銀は16年9月に政策目標の軸足を資金量から金利に移したことで、年80兆円の国債購入目標を達成するために短期国債を買う必要性がなくなった。野村総合研究所の井上哲也氏は「マイナス利回りが続けば、今後も外国人の保有割合が高まっていく」とみる。

2017年01月25日

ビットコイン相場急落、中国が規制強化

ビットコイン 資金流出で中国当局規制強化 相場が急落
(毎日新聞2017年1月24日)

 

インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の取引価格が乱高下している。富裕層を中心に国内から海外に資金を移転する手段としてビットコイン相場を押し上げてきた中国で、当局が取引規制に乗り出したためだ。

 

中国では2015年夏の人民元切り下げをきっかけに、国内資産の海外流出が加速、経済が大混乱に陥った。この反省から当局は、資金流出に対する規制を強化。元の為替取引などを対象に事前報告や取引額の上限設定などを断続的に課してきた。ただ、ビットコインの規制は緩く、為替取引の代わりにビットコインを利用して資産を国外に持ち出す動きが流行していた。

 

ビットコイン情報サイト、米コインデスクの指標によると、昨年12月初旬に700ドル台だったビットコイン相場は、年明けに1100ドル台を突破して最高値をつけた。この時期は、米国の利上げやトランプ新大統領への政策期待から、元安の動きが強まっていた時期と重なる。「元安が加速すれば当局がさらに厳しい規制を課すと見た中国人富裕層がビットコインに殺到した」(アナリスト)

 

バブル状態にあったビットコイン市場は今月6日、中国人民銀行(中央銀行)が、毎朝発表している人民元の対ドル基準値を前日より0.93%も引き上げると、相場が急落。追い打ちをかけるように人民銀が11日、上海などの規制当局と共同でチームを作り、ビットコインを扱う大手取引所の検査に着手したと表明すると、取引価格は同日、700ドル台にまで急落。その後は安値を狙った買い戻しの動きも出ているが、中国当局が資金流出の「抜け穴」潰しをさらに強化するのは確実で、中国人のビットコイン離れが加速している。

 

第一生命経済研究所の西浜徹主席エコノミストは「当局は市場のコントロールを強めているが、中国経済の減速懸念などから海外に安定した資産を持ちたいという市民のニーズも強い。資金流出の『抜け穴』を探す動きは今後も続く」と指摘している。

 

2016年12月27日

三菱UFJ、仮想通貨を一般向けに発行へ

仮想通貨が暮らしの中に 三菱UFJが一般向け17年度発行計画
(2016/12/26 日本経済新聞)

 

2017年は仮想通貨が暮らしに本格的に入り込む年になる――。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は17年度から独自の仮想通貨「MUFGコイン」を一般向けに発行する計画だ。いったい何が便利になるのか。銀行内部で進む構想を探った。

 

会社恒例の忘年会。上司による一本締めが終わると、社員のスマホが一斉にぶるぶると震えた。画面に通知されたのは人工知能が場の空気を読んで自動で計算した各自の支払額だ。スマホに入れたMUFGコインの口座(ウォレット)マークを指で押すと、コンビニでためたポイントで支払いは完了。画面には「あなたの飲食代は前年よりも5%増えました」との余計な表示まで――。1年後の忘年会ではこんな風景が広がっているかもしれない。MUFGコインは17年初頭にも社員の利用が始まり、17年度には一般向けに広げる計画とみられる。

 

普段使うお金はあらゆるお店で使えるが、口座管理や送金に費用や時間がかかる短所を抱えている。日銀や銀行が取引のセキュリティーを高めるために巨大なシステムを構築しているためだ。一方、仮想通貨はブロックチェーンと呼ばれる技術を使い、安くて早い取引を実現できる。仮想通貨で最も早く台頭したのはビットコインだが、暮らしの中に浸透しているとは言い難い。対通貨での価格が変動するほか、取引所の破綻などでマイナスの印象が強まったためだ。「大きな恩恵が期待できるはずなのに、ビットコインには信頼性が欠如している」。MUFGの平野信行社長は9日、日本外国特派員協会でこう指摘し、使い勝手がいい新たな仮想通貨の必要性を強く示唆した。

 

まだMUFGは法整備の行方をにらんで計画を公表していないが、1MUFGコイン=1円に固定することで価格を変動させず、通貨やコンビニなどのポイントとも交換できるようにして、それぞれの短所を補う仕組みを目指すようだ。例えばポイントは利用者間でやり取りできないが、MUFGコインに交換すれば可能になる。24時間365日、安くて早い送金が可能になるほか、ウォレットと呼ばれる口座をスマホなどで気軽に開設できる。年1回支払う自動車保険の保険料を専用ウォレットに毎月積み立てていけば、出費を一定にならすことも可能だ。

 

利用者保護を目的に仮想通貨を巡る規制を整備した改正資金決済法は17年春ごろまでに施行される見通しで、MUFGコインのような動きはほかにも広がる可能性が高い。銀行は独自の仮想通貨の普及を通じて把握した顧客ニーズを新しい金融商品やサービスの開発につなげられる。みずほフィナンシャルグループも同様の仮想通貨「みずほマネー」の実証実験に着手している。金融業界では今、金融にIT(情報技術)を活用するフィンテックの登場で、多種多様な生物が一斉に進化したカンブリア紀のような商品・サービス開発競争が起きている。生き残れるかどうかはもちろん、顧客が便利さを実感できるかにかかっている。

 

 

2016年12月19日

ビットコイン、11月取引最高

ビットコイン取引最高、11月15兆円超 9割が中国 個人、海外に資産逃避
(2016/12/18 日本経済新聞)

 

インターネット上の仮想通貨ビットコインの世界取引が拡大している。円換算した11月の売買高は15兆円超と前月に比べ5割増え過去最高になった。けん引役は中国で、全体の9割を占めた。米大統領選後のドル高・人民元安を受けリスク回避の売買が膨らんだ。取引規制の網をかいくぐり、個人が仮想通貨を使い資産を海外に移す動きも広がる。

 

調査機関ビットコイニティーによると、11月の世界の取引高は1億7471万ビットコインだった。16日時点の相場で円換算すると15兆円強にのぼる。これまでの最高は3月の1億4856万ビットコインだった。ビットコインの売買が本格化したのは2013年以降。日本の取引シェアは数%とみられるが、盗難や消失に備える保険商品も登場し、取引の利用が広がり始めている。11月に取引が急増した背景には米大統領選と元安がある。選挙後の為替相場の混乱でリスクを避けるための商いが米欧でも膨らんだ。資金流入も加速し足元のビットコインの価格は780ドル前後と、米大統領選前より1割ほど上昇した。

 

中国には3つの大手取引所があり、合計の取引シェアは世界の9割で、15年8月の元切り下げ以降に売買高が急増。元安への警戒感がビットコインへの資金移動に拍車をかけた。元でビットコインを買い、それをドルなどの外貨に換え、外貨の両替制限をくぐり抜けているという。大手取引所の火幣は「11月は資産を海外に移すための取引が急増した」という。火幣では1日の送金額の上限をドル換算で15万ドル強の200ビットコインに設定。中国は個人の外貨両替を年5万ドルに制限するが、ビットコインは規制にかからない。中国では海外へのマネー流出が続く。中国の統計によると銀行を介した資金の出入りは11月まで17カ月連続で資本流出が流入を上回った。累計流出額は5千億ドルを超える。中国の外貨準備は11月に前月比で700億ドル近く減少。中国通貨当局は警戒を強めており、ビットコインから元やドルへの換金を制限するなどの規制強化を検討しているもようだ。

2016年12月17日

ニュース:米国債保有、日本トップ

米国債保有、日本トップ 中国が通貨防衛で売却
(2016/12/16、日経)

 

米財務省が15日発表した2016年10月末の国際資本統計によると、米国債の国別保有額で日本が中国を抜き、2015年2月以来1年8カ月ぶりに首位になった。中国政府が人民元の急落を防ぐために外貨準備で保有する米国債を売り、ドル売り・元買いの為替介入を実施したことが大きい。日本も保有額をやや減らしたものの減少ペースはゆるやかだった。

 

中国の米国債の保有額は10月末で1兆1157億ドル(約130兆円)と前月よりも413億ドル(約4%)減少し、約6年ぶりの水準に低下した。通貨防衛のために外貨準備の米国債を取り崩したほか、米連邦準備理事会(FRB)による利上げで保有する米国債の価格が下落(利回りは上昇)するのを避けるために、ほかの国の国債などに資金を移したとの指摘もある。日本は1兆1319億ドルと前月に比べて45億ドル(0.4%)の減少。わずかに減ったものの、日銀によるマイナス金利政策の導入で国債の利回りが低水準で推移するなか、年金基金や生命保険会社などの機関投資家は米国債への投資を続けており、急激な減少は起きていない。

 

米国債の発行残高は市場で取引されているもので約14兆ドルで、このうち6兆ドル強を米国外の投資家が保有している。日本と中国は2カ国だけで合わせて海外勢の持ち分の約4割を占める。中国は2008年9月に世界最大の米国債保有国となった。2015年2月に為替介入のために米国債の持ち高を減らし、6年半ぶりに首位の座を明け渡したことがあった。FRBは量的緩和の出口に向かい、14日に1年ぶりの利上げに踏み切った。現在は緩和で買い入れた米国債のうち、満期が来たものは再投資して保有額を維持する政策を続けているが、将来的には再投資政策も縮小に向かうことになる。ただ、2兆ドル超を保有するFRBと、中国が同時に米国債の保有額を大きく減らすと、米金利の急上昇など不安定な動きにつながりかねない。今後、米国債の買い手として日本勢への期待が高まる可能性もある。

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