記紀④国譲り:神代の政権交代、出雲からヤマトへ

シリーズ「記紀(古事記・日本書記)を読もう」の第4回「国譲り神話」です。

 

神代時代のある時期、「葦原中つ国(あしはらのなかつくに=地上の国)は、出雲地方を治めていた大国主神さまを中心に、国づくり・人づくりが行われていましたが、そろそろ交代の時がきたようです。

 

これまでの第1回~第3回の記事

記紀①(天地開闢)

記紀②(天の岩戸開き)

記紀③(出雲神話)

 

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スサノオノミコト(須佐之男命、素戔嗚尊)が治めた出雲の国は、その後、子孫の大国主大神(オオクニヌシ)が治めていました。しかし、高天原(天上の神々の国)を治めていた天照大御神(アマテラスオオミカミ)は、「葦原中国(あしはらのなかつくに=地上の国)は我が子が治めるべき」とお考えになられました。そこで、天の安河で、天上の神々(高天原の八百万の神々)で神さまの会議が開かれ、地上の統治権を天上に委ねさせることが決定されました。

 

そこでは、天照大御神は、大国主大神と交渉するために、力自慢の建御雷神(タケミカヅチノカミ)と、足の速い天鳥船神(アメノトリフネノカミ)の二神を、地上に差し向けました。二人の神は出雲の国の小浜(稲佐の浜)に降り立ち、大国主大神に直々に「国譲りの」談判をしました。

 

そして、建御雷神(タケミカヅチノカミ)は、大国主大神に対して強い口調で言いました。

 

「我々は天照大御神の命令できた。『汝が領有するこの国(葦原の中つ国)は、わが御子が治める国である』と天照大御神さまはおっしゃっているが、どう思うか?」

 

すると、大国主大神は答えました。

 

「私の一存ではお答えできません。息子の事代主神(コトシロヌシノカミ)と相談します。ですがあいにく美保の岬に鳥を狩りに行っています」

 

そこで、建御雷神(タケミカヅチノカミ)は、天鳥船神(アメノトリフネノカミ)を迎えに行かせ、事代主神を呼んで来させます。事情を聞いた事代主神は、父の大国主大神に答えました。

 

「かしこまりました。おっしゃるように、天照大御神の御子に奉りましょう」

 

その時そこへ、大国主大神さまのもう一人の息子(事代主神の弟)で、力持ちの建御名方神(タケミナカタノカミ)が大きな岩を抱えて戻ってきました。建御名方神は、国譲りに反対し、「この国が欲しいのなら力競べだ」と言って大岩を投げ捨て、建御雷神(タケミカヅチノカミ)に力勝負を挑みます。建御名方神(タケミナカタノカミ)は、建御雷神(タケミカヅチノカミ)の腕をぐいとつかみましたが、建御雷神(タケミカヅチノカミ)の腕が氷柱に変わり、さらにその氷柱は剣の刃に変わりました。

 

建御名方神(タケミナカタノカミ)が驚き一瞬ひるむと、今度は、建御雷神(タケミカヅチノカミ)が建御名方神の腕をつかみ、軽くひねって投げ飛ばしてしまいました(この出雲を舞台とした力競べが大相撲の始まりと言われている)。

 

力競べに負けた健御名方神(タケミナカタノカミ)は、出雲から信濃の国(現在の長野県)まで逃げましたが、追いかけてきた建御雷神に、諏訪湖辺りで追いつめられ組み伏せられてしまいました。健御名方神(タケミナカタノカミ)は、葦原中国を譲ることを約束し、命と引き換えに、諏訪の地から外には出ないことを誓ったとされています。

 

こうして、それまで、葦原中つ国(あしはらのなかつくに=日本)を治めておられた大国主大神、事代主神(コトシロヌシノカミ)、そして健御名方神(タケミナカタノカミ)は、出雲の地においてその統治権を天照大御神にお返しになられました。ここに国譲りが実行されたのです。

 

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大国主大神は、国を譲った代償として、出雲の地に高天原の御殿のような壮麗な神殿を立ててもらい、お隠れになられる際、そのみ魂が祀られました。その神殿こそ、現在の出雲大社とされています。

 

事代主神は、国譲りを受け、美保の御岬から、船に乗って海に出られ、海中にお隠れになられたとされています。大国主大神と事代主神は、後世においても人々にこよなく愛され、それぞれ大黒さま、恵比寿さまとして親しまれています。

 

諏訪の地に引き籠もった健御名方神(タケミナカタノカミ)は、諏訪大社の祭神となりました(諏訪神社の起源)。

 

一方、大国主大神から葦原中つ国(日本)の統治権を譲り受けた天照主大御神さまは、孫のニニギノミコト(瓊瓊杵尊、邇邇芸命)を地上に送りこみ、統治を委ねました。記紀神話は、天孫降臨のストーリーとして進んでいくのです。

 

 

続きは以下の記事を参照下さい。

記紀⑤(天孫降臨)

記紀⑥(海幸彦と山幸彦)

記紀⑦(神武の東征)

記紀⑧(日本武尊)

記紀⑨(三韓征伐)

 

 

<参照>

日本神話・神社まとめ

古事記の現代語・口語訳の全文

日本書紀の現代語・口語訳の全文

日本書紀・現代日本語訳(完全訳) | 古代日本まとめ

古事記・現代日本語訳(完全訳) | 古代日本まとめ

古事記 神々と神社(別冊宝島)

Wikipediaなど