神武天皇祭:皇居と橿原の地にて

 

神武天皇祭は、神武天皇のご命日とされる4月3日に毎年、皇居の皇霊殿で執り行われます(「神武天皇祭皇霊殿の儀」)。陛下は装束姿で臨まれ、皇后 皇太子・同妃、各宮家の皇族も参列されます。また、神武天皇が葬られた奈良県橿原市の畝傍山東北陵(うねびやまのうしとらのすみのみささぎ)においても祭典が挙行されます。その日の夜には、特に御神楽を奏して神霊をなごめる「皇霊殿御神楽(みかぐら)の儀」も催されます。

 

神武天皇祭は、1871年(明治4年)に「四時祭典定則(しじさいてんていそく)」で規則化され、その後、1908年(明治41年)に「皇室祭祀令」で法制化、祝祭日となりました。戦後、皇室祭祀令は、1947年(昭和22年)に廃止されましたが、現在も宮中祭祀として存続しています。(戦前、宮中祭祀は、皇室祭祀令を根拠に行われていた)

 

神武天皇祭は、宮中祭祀の中でも「大祭」に位置づけられる重要な儀式の一つです(大祭の場合、天皇自らが祭典を行い拝礼され、小祭の場合は拝礼のみ)。

 

また、2016年には、大正5年以来、100年ぶり、神武天皇式年祭(二千五百年式年祭)が挙行されました。この時、現在の上皇上皇后陛下は、大正天皇、貞明皇后が、神武天皇陵を参拝された前例にならい、奈良県橿原市まで赴き、拝礼されました。

 

式年祭(しきねんさい)とは決められた期間ごとに行われる祭祀のことをいい、天皇祭の場合、歴代天皇の崩御から3年、5年、10年、20年、30年、40年、50年、100年、それ以降は100年ごとに営まれます。

 

<参考投稿>

神武天皇:建国神話の父

 

<参照>

天皇陛下 マスク姿で皇居へ(2020年4月3日、FNNprime)

100年ぶり、大正天皇にならわれ 神武天皇式年祭(2016.4.4、産経)

雑学ネタ・神武天皇祭

Wikipediaなど

 

2020年4月9日(最終投稿2022年3月20日)