外交・安保の政策提言
日米同盟を基軸としつつも、国益追求外交の展開
「専守防衛」の強力な防衛力を保持
危機管理体制の構築・情報機関の確立
対米:リアリズム外交の展開と在日米軍の動向に注視!
対中韓:国際法に則り、現状維持外交に徹する!
対北鮮:拉致問題解決と防衛体制の強化
対露:北方4島返還の実現と危機管理の徹底
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<基本方針>
● 日米同盟を基軸としつつ、国益追求外交の展開
● 危機管理体制の強化と、「専守防衛」に徹底した強力な防衛力を保持
<日米関係>
〜リアリズム外交と在日米軍縮小への備えを〜
前提として、日米同盟といっても、日米は一心同体ではないことを確認しておこう。外交は国益の追求であり、現在、日本とアメリカの国益は必ずしも一致しない。特にアメリカ第一主義のトランプ大統領のアメリカとは隔たりが明らかである。
ただし、国民の命と財産を守るという政治の使命に応えるためには、リアリズムと危機管理の立場から外交を推進しなければならない
◆ リアリズムに立った対米追随
ロシアによるウクライナ侵攻、アメリカ・イスラエルによるイラン侵攻など、大国による一方的な力による政治が平然と行われている近年の世界情勢から判断すると、理想主義ではなく、リアリズム(現実主義)の立場から、日本はアメリカととも動くしかない。なぜなら、日本はどう転ぼうとも、在日米軍の存在なしに自国の安全は守れないからである。
したがって、トランプ大統領が何を求めようとも、対米追随外交と批判されようとも、形式的には、従わなければならない。戦国時代の織田と徳川の関係と同じである。
たとえば、現在のイラン戦争であれば、ホルムズ海峡への自衛隊派遣が求められることになれば、何らかの対応を準備して置かなければならない。日本の「憲法の制約」という主張は、国際法すら意に返さないトランプ大統領には通じない。
それでも、かつて朝廷が、受け入れ難い「武家」の要求をのらりくらりとかわしながら、生き延びてきたように、日本も国益に沿わないアメリカの要求については、やむを得ず追随するにしても、時間稼ぎ、形骸化させるなど、強(したた)かな対応が必要となる。とくにトランプ大統領の軍事政策が国際規範から外れている場合が多いことからなおさらである。
日本が単独で戦争を仕掛ける(侵略戦争)ことはないが、対米追随というリアリズムを追求した場合、日本がアメリカの戦争に巻き込まれる可能性がでてくる。たとえば、中国が台湾を攻撃、米軍が対抗して中国と戦争になる場合や、アメリカが北朝鮮を攻撃し北が反撃した場合、日本本土への攻撃というよりは、日本の米軍基地が攻撃されることが想定される。
そうなると、存立危機事態が発動され、日本は米軍とともに戦闘行為に参加することになる。戦果は、日本というよりも米軍次第である。
◆ 危機管理の観点から防衛整備を!
外交における危機管理には、最悪のシナリオを考えることが含まれるが、日本にとって最悪のシナリオとは、アメリカの方から日米安保体制を修正してくる場合であろう。
具体的には、中国のミサイル技術の向上など軍事的な脅威がさらに高まり、アメリカが東アジア戦略において、防衛ラインを、現在、最前線基地としている沖縄からグアムへ後退させる事態が現実化することである。
これは、アメリカが沖縄を含めた在日米軍を縮小させることを意味する。そうすると、日本は、アメリカに依存せずに、自国で防衛しなければならない状況が作り出される。
中国の脅威がなかったとしても、オバマ大統領の時に、アメリカが「世界の警察官」の地位を降りてから、アメリカは同盟国には自助努力(自国の防衛は自国で)を求めている。「アメリカ第一主義」のトランプ政権になってこの流れは加速している。
将来の日本の軍事力
在日米軍のプレゼンスが縮小したとしても、日米同盟は存続するであろうから、日本は、アメリカの戦争に巻き込まれるリスクは残る。ただし、その場合でも、日本の戦争は、相手国への侵攻ではなく、敵対国の日本侵攻に対する防衛戦争ということになる。
防衛戦争においては、相手を打ち負かせて勝利する必要はなく、負けなければいいのである。「負けない」とは、侵攻・占領されないことで、侵攻してきてもそれを防御し、侵攻をあきらめさせればよい(鎌倉時代の元寇をイメージすればわかりやすい)。
そのために必要な日本の防衛力は、専守防衛の強力な「海軍」力と、鉄壁の防空システムの構築することである。
核兵器の保有は最終選択か?
日本が独力で、自国を防衛することになった場合、核を保有すべきかの選択を迫られることになるが、たとえ、アメリカの「核の傘」から外れることになったとしても、日本は、核兵器を保有すべきではない。
核兵器を持つ場合、「抑止力」を持てるであろうが、そのためにかかる開発費、維持・管理費などの防衛費は膨大なものとなり、その分、国民生活を多いに圧迫する。何より、核兵器は、原発とともに、この地上から消えるべきであるというのが私の信念である。
日本にとっての核抑止力とは、IT技術をさらに飛躍的に高めて、もし日本に向けて、核ミサイルが発射されたら、その軌道をそらし、海洋へ着弾させる技術や、強力なミサイル防衛システムを構築し、着弾する前に、空中破壊させる技術を確立することである。また、「日本はいつでも核武装できる」という認知戦を展開することも一手法となる。
このように、トランプのアメリカとのつき合い方は困難を極める。ただ、最悪のシナリオにおいても、自国が独力で自国を守るというのは、主権国家として、至極当然のことであり、その時がきても、日本が「ふつうの国」に戻っただけのことである。
<日韓関係と日中関係>
〜国際法に則り、現状維持外交に徹する〜
大前提として、近隣国である韓国と中国とは、仲良くしなければならない。しかし、中韓が日本の国益を害する政策をとる場合はこれに対処する必要がある。
◆ 中国と韓国は反日国家か?
中韓は、学校教育によって執拗な反日教育を行っている。韓国では日本の植民地支配による「被害」の歴史が国民形成の基盤として教えられ、中国では、とくに1990年代の江沢民の時代以降、中国からみた「日本軍の侵攻や暴挙」を教える教育が徹底されている。
また、中国は、日米同盟の文脈で日本を仮想敵国と見なしているとされ、保有する数千発のミサイルは日本全土を射程に収めている。実際、「東風17」や「長剣100」などの短・中距離ミサイルが、日本や周辺基地に向け配備されている。
◆ 根深い歴史認識問題
中国と韓国は、戦後の対日政策において、日本による植民地支配や、(中国がいう)侵略戦争に関する歴史認識問題を、政治的・外交的なカードとして最大限に活用している。
日本と外交問題が発生するたびごとに、中韓両国は日本が過去の歴史を「十分に反省していない」と批判し、その際に用いられる常套文句が「歴史を忘れたか」「歴史を歪曲するな」である。
歴代の首相の訪問の際には、必ず「謝罪」を求め、実際、日本も応じてきた。しかし、両国が謝罪を受けることはなく(一定の「評価」に留める)、「日本を1000年恨む」とまでいう。かつて、韓国の朴槿恵大統領は、2013年3月、「加害者と被害者という立場は、1000年の歴史が流れても変わらない」と発言したことがある。
これに対して、「相手が許してくれるまで謝り続けるべきだ」という感傷的な主張する人たちもいるが、国益を守るための外交関係においてはそういうわけにはいかない。歴史問題は、中韓の対日外交の基礎(外交問題の下敷き)であり、「敗戦国」という弱みを利用して、日本を心理的に圧迫する有効な手段となっている。中国と韓国にとって、日本を加害者の立場に押し込め続け、日本に優位な地位を維持することが、歴史問題の核心である。
加害者意識の植えつけは、日本が被爆国として核軍縮を訴える場面でも、中韓は「被害者づらするな」と批判するほど徹底している。
また、中韓の歴史利用は、別の分野にも飛び火している。日本が防衛力の増強を図ろうとすれば、中国は必ず「軍国主義の復活」と歴史問題を絡めて日本をけん制する。韓国は、竹島をめぐる問題において、過去の支配を取り上げながら、竹島の領有を正当化している。
◆ 中韓の目的とは?
もっとも、こうした中国と韓国がこうした反日的政策をとってくることを、「けしからん」と非難してはならない。外交とは国益を追求する場であるので、日本を押さえつけるための両国の対日政策は、主権国家としては、ある意味、当然の行動である。
問題は、日本が、中韓の「歴史戦略」に振り回わされ続けていることである。確かに、日本は、首脳レベルで頻繁に謝罪表明を繰り返す「お詫び一辺倒」の外交は、現在では転換され、(対韓国で)未来志向、(対中国で)戦略的互恵関係などが謳われている。
しかし、中韓が、歴史認識を政治利用し、外交交渉の場において、「お詫びが足りない」との批判や、「(過去を鑑み)誠意ある対応」の要求が出し続ける構図が残されている。この結果、日本と中韓との外交交渉において、日本が主導権を握ることが難しくなっている。
現状、外交において、日本は中韓に負け続けているのである。
では、中韓が日本に対して外交的に優位に立つなか、彼らの目的とは何であろうか?
韓国は、たとえば、慰安婦問題や徴用工の問題などすでに解決済み(収束済み)のはずなのに、事あるごとにその問題を蒸し返してくる。蒸し返して、彼らが求めるのは賠償である。要は、かつて植民地にされた恨みから、金を分捕るだけ分捕りたいということなのである。贖罪のために日本の信者に膨大な献金を求めた旧統一教会のやり方と同じだ。
中国の場合、日米同盟の分断と日本の領域内での権益の確保である。習近平の夢、その一つは台湾統一であるが、そのために、日米同盟はもっともやっかいな存在である。高市総理に台湾発言にあれほど敏感に反応したのはまさにこのためである。日米同盟の文脈で、中国にとって、日本は仮想敵国である。
また、中国は、漁業権やガス田開発権など日本の領域内での権益を着実に確保してきている。日中漁業権問題や東シナ海ガス田問題で、日中関係が良好な時に協定が結ばれ、その都度、中国の強硬姿勢に対して、日本は日中関係改善のためと称して、譲歩をくり返し、中国に有利な形で協定や合意が結ばれている。
中国からすれば、日米同盟が弱体化し、資源関連で十分、権益を確保すれば、領土的野心を露わにすることは必至だ。尖閣諸島だけでなく、沖縄すら危うい。
◆ 日本がとるべき外交方針
こうした中韓の対日外交政策に対して、日本はどう対応すべきかと言えば、長期的な視野に立った戦略的関係を構築することが求められる。
具体的には、中国と韓国が、少なくとも反日教育を止めるまで、友好関係の深化はあきらめ、現状維持外交に徹することである(逆説的であるが、そうすれば中国に譲歩する必要はなくなる)。その間、民間による交流の拡大を通じて、日中韓の国民の間での信頼醸成を深めることに政府は尽力すべきだ。歴史教育で放たれた毒矢を抜くには時間がかかる。
その一方で、日本としては、国際法に沿って、毅然として対韓国・中国外交を行うことが求められる。
日本と中国・韓国は、戦後、外交関係を構築するに当たり、日韓請求権協定(1965年)、日中共同声明(1972年)などで、賠償を含む歴史問題(主に戦後補償や植民地支配に関する請求権問題)はすべて解決済みである。この立場を貫き通し、この件に関して中韓への譲歩は、日本の国益を害する。
◆ 竹島と尖閣
中国、韓国に対する日本の毅然とした対応は、竹島と尖閣の問題についても当てはまる。
竹島は、歴史的にも国際法上も、日本固有の領土だが、韓国が一方的に竹島を取り込み不法占拠して、現在に至っており、れっきとした領土問題である。よって、どんなに韓国側が逆上しようとも、政府の公式見解として、堂々と「竹島は韓国によって不法に占拠されている」との立場を鮮明にしなければならない。また、島根県の「竹島の日」には、閣僚が参加して、日本政府の覚悟を示すべきである。
これに対して、尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も、日本固有の領土であり、かつ現在も有効に日本が支配しているので、日中間に解決すべき問題はない。正当に日本が統治している尖閣諸島に対して、中国が1970年代になって「勝手に」領有権を主張しているだけなのである。よって、日本は、中国に対して、領土問題は存在しないとの立場を貫くことができる。
それを、日本が、もし中国の呼びかけに応じて、尖閣諸島の領有について、話し合いをすれば、尖閣の問題が領土問題であることを認めたことになるため、日本は、尖閣に関して「領有権の問題は生じていない」と毅然とした態度で臨むことが、最も国益に叶う行動となる。
<日朝関係>
〜拉致問題解決と防衛体制の強化〜
◆ 拉致問題
拉致問題の解決に向けて、なんら進展は見られない状況が何年も続いている。拉致という国家犯罪に対して、北朝鮮が「拉致問題は解決済み」と言い張り続けて、交渉にも応じようとしていない。
北朝鮮には、拉致問題が解決することなく、日本との国交正常化はない立場を明確に示し続けるべきである。
ただ、北朝鮮側は日本との国交正常化は現段階では望んでおらず、むしろ、アメリカとの交渉を最重要視している。北朝鮮が日本に歩み寄りを見せるとしたら、アメリカとの協議の都合か、自国が経済危機に直面し、援助が必要な状況だけしか想像できない。
長年続く閉塞状態を打開するためには、本来なら、諜報活動によって拉致被害者の居場所を特定し、自衛隊の特殊部隊(SFGp・SBU)が奪還する作戦を実行すべきであるが、現状できないにしても、そういう手段をとってでも、「拉致問題を解決させる」という日本政府の意思と気概を示して欲しい。
◆ 核・ミサイル問題
北朝鮮は、数十発(最大30発以上)の核弾頭を保有していると見られ、移動式ミサイルへの搭載など実戦配備に向けた開発を強行している。また、日本全域を射程に収める中距離弾道ミサイル「ノドン」や、新型の変則軌道ミサイルなどを実戦配備し、これらが日本を標的としている。
こうした北朝鮮の軍事化を受けて、日本は、防衛省に「PAC3」配備するなど迎撃システムを強化して対応するほか、北朝鮮を念頭に、ミサイル防衛だけで防ぎきれない場合、相手領域内のミサイル基地などを直接攻撃する「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有を決定している。
しかし、日本のこの敵基地攻撃能力の保有を「先制攻撃能力」と強く非難し、軍事的な措置を示唆するなど、北朝鮮の関係は悪化している。そうすると、トランプ大統領が北朝鮮を攻撃するような事態が起これば、北朝鮮は、在日米軍基地への反撃だけでなく、自衛隊基地への攻撃も行うことが想定され、核兵器使用もありうる。
対北朝鮮政策については、これまでの「アメリカと連携」だけでは不十分で、政府はもっと敏感になるべきである。台湾危機より、朝鮮半島有事のほうが、早く起こる可能性もあることから、日本は防衛体制の強化を急ぐべきである。
<日露関係>
〜北方四島返還と危機管理の徹底〜
◆ 北方領土問題
北方領土(国後・択捉・歯舞・色丹の4島)は、日本の固有の領土だが、第二次世界大戦以降、ロシアにより不法占拠されている。ロシアには、北方領土問題が解決することなく、日本との平和条約交渉や経済協力の進展はない立場を明確に示し続けなければならない。
これに対して、ロシアは北方領土を「第二次世界大戦の結果得た正当な領土」と位置づけており、北方4島を日本に返還するつもりはない。それどころか、北方領土を含む極東地域に核戦力を含む相当規模の地上兵力(推定9万人以上)、艦艇、作戦機を配置するなど、兵器の近代化や軍事拠点の強化を進めており、日本の安全保障上の直接的な脅威となっている。日本周辺での軍事訓練や活動を継続しており、緊張を高めている。
ロシアにとってオホーツク海は、核ミサイル(弾道ミサイル)を搭載した原子力潜水艦を潜伏させる聖域である。現に、カムチャッカ半島のヴィリュチンスクには、アメリカを射程に収める、ロシア太平洋艦隊の原子力潜水艦基地がある。
北方領土を含む千島列島は、このオホーツク海への出入り口を封鎖・管理するために戦略上極めて重要な地点となっている。北極海航路の安全性確保や、太平洋への自由な進出を確実にするためにも欠かせない。
仮にロシアが北方4島を日本に返還した場合、そこに米軍基地が置かれることを、ロシアは最も恐れている。現状、ロシアが北方4島を手放す政治的経済的要因はない。
◆ ロシアによる北海道侵攻はあるか?
ロシアによるウクライナ侵攻によって、プーチンが戦略上、力によって北海道東部に侵攻する可能性がないということは言えなくなった。
もともと、ロシアは、日本を「米国の影響下にある東の拠点」とみなし、日本の米軍基地(青森県の三沢基地)やミサイル防衛システムが、極東の核戦力拠点であるオホーツク海に対する直接的な脅威であると主張していた。
特に、今後、シベリアの北極海沿岸は、地球温暖化により氷が解け、新たな航路(北方海路)やエネルギー資源(天然ガス・レアメタル)の宝庫として注目されているなか、その権益の確保をめざして、米露は対立を深めている。これに関連して、今後、米露による、シベリア北部の資源・航路争奪の場として、カムチャッカ半島やオホーツク海を含む極東地域が注目される可能性が高い。
こうした背景下、アメリカが、北大西洋条約機構(NATO)を主導して、この地域に圧力を加えてきた場合(グリーランド領有を主張するトランプ大統領であるからその可能性もありうる)、ロシアはどう反応するであろうか?
ロシアがウクライナに侵攻した背景には、ウクライナのNATO加盟の動きがあった。現在、日本はNATOとの関係を強化しており、NATOは東京にアジア初の連絡事務所を設置する方向で調整している。
ロシアが、日本のNATO接近を自国にとっての脅威とみなした場合、ロシア軍は北海道東部に侵攻し、北方領土周辺海域でのロシアの動きを警戒する重要な防衛体制の一部となっている、道東・オホーツク・根室・釧路・十勝方面の陸上自衛隊の駐屯地や航空自衛隊の分屯基地を叩き、その地域を占領するといった事態も起こりうると考えておくべきだ。
その際、ウクライナ侵攻と同様に、日本の北方領土を取り戻す動きや、日本の軍備の拡大を「脅威(軍国主義の復活)」として定義し、「ネオナチ」等のレッテル貼りを行った上で、北方領土や北海道に住む自国民や権益を守るという名目で、日本への侵攻を企てるかもしれない。
◆ エネルギー協力
では、日露関係は悲観一色なのか?何か関係改善につながる方法はないかと考えた場合、経済的なつながりを強化する以外には今のところ考えられない。
ロシアとは、サハリン2などのエネルギープロジェクトが組まれていたが、ウクライナ侵攻でストップした状態となっている。日本にとって、エネルギーの確保は死活問題であり、中東産以外の供給地として、侵攻前は、地理的にも日本に近いロシアがその一翼を担うことが期待されていた。
ロシアに原油やガスなどエネルギーを依存することは政治的リスクが高いのであるが、エネルギー協力は継続すべきである。ロシアも日本の技術と資本を必要としており、日本との経済的な関係強化が、安全保障面での緊張の緩和につながることも考えられる。
<次世代のための外交・安保政策>
◆ 日米安保条約の重要性
以上、日本とりまく対外関係をみてきたが、日米安保条約の存在が、いかに日本の安全(抑止力)に貢献しているかを同時の確認できたと思う。中国や北朝鮮、ロシアにとって、日本への攻撃・侵攻を軍事的・政治的リスクを極めて高いものにしているのである。
しかし、トランプ大統領のアメリカが国際法を無視(違反)する軍事行動をとり続けるならば、逆に、日本の米軍基地への攻撃という形で、日本が戦争に巻き込まれる確率が高まってくる。
また、トランプのアメリカが「アメリカ第一主義」の立場から、同盟国に対して、自国の防衛は自国で責任をとらせる方向に舵をきり、在日米軍を縮小(最悪、撤退)させるなら、日本の安全保障は極めて脆弱になることも明らかとなった。
日本としては、そうした最悪のシナリオに備えた安全保障戦略も、日米同盟強化と並行して構築しなければならない。
◆ 日本にも諜報機関を!
そのためには、防衛力だけでなく、情報力の強化が必要だ。すべての外交・軍事政策が成功するか否かのカギは情報収集力と分析力の有無にかかっている。現在、日本は主にアメリカから軍事機密情報をもらっていると言われているが、アメリカは、自国に都合の悪い情報は出さない。アメリカからのみ情報に依存しているということ自体、アメリカに情報操作されているに等しい。
そこで、提唱したいのが、情報機関の再編・強化である。ただ、現在、日本の情報機関とされている内閣情報調査局(内調)をいきなり、省庁レベルに格上げするのではなく、まずは、内調が、自前での情報収集・分析能力を高めるように、人員と予算を少しずつ積み上げていくことから始めるべきだ。
そうした実績と実力を蓄積したうえで、日本にも、アメリカCIA(中央情報局)のような独立した諜報機関が創設されることが望ましい。独立した諜報機関というと、戦前を思い出させると否定されてきたが、主権国家であれば、軍隊と同様、諜報機関を当然保有している。専守防衛を基本とする日本の安保戦略に、独自の情報機関の存在は欠かせない。
(投稿日:2026.4.17)



