メガソーラーが国を滅ぼす⁉
地球温暖化対策として、再生可能エネルギーの活用が謳われています。現在、再エネの中でも太陽光発電が積極的に取り入れられ、全国に所狭しと太陽光パネルが張り巡らされています。太陽光発電は、気候変動対策だけでなく、エネルギー自給率が低い日本にとって、自前で電力を獲得し、自給率を高めるための切り札として期待されています。
しかし、一見優等生にみえる太陽光発電ですが、このまま日本に太陽光発電が導入され続けることが、温暖化対策、自給率対策はおろか、国益を害することにもなりかねないというかもしれないという状況があります。今回は「太陽光発電の闇」の一端をみてみたいと思います。
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<太陽光発電の普及>
◆ 再エネのエース
2023年度の発電電力量のうち、石油・石炭・天然ガス(LNG)などの化石燃料(火力発電)の発電割合が68.6%、原子力発電8.5%に対して、太陽光、水力、風力などの再生可能エネルギー(再エネ)は22.9%です。またその再エネのなかでは太陽光発電の割合が最も多く、9.8%を占めています。
再エネの発電比率の割合(電源構成)は、2010年に約9.5%と全体の1割未満でしたが、福島第一原発の事故を踏まえ、経済産業省は、2012年から本腰を入れ、原発に代わって再エネの普及を進めるために、固定価格買取制度(FIT制度)を導入しました。
FIT(フィード・イン・タリフ)(略称「フィット」)制度は、再生可能エネルギーで発電した電力の全量を、市場よりも高い固定価格で、電力会社に一定期間(10年〜最長20年間)、原則、買い取ることを義務付けた制度です。
これにより、事業としてのインセンティブが高まり、2013年から、再生可能エネルギーの新規参入が飛躍的に増加しました。その結果、再エネ等の比率は、2013年10.9%から2023年には22.9%へと上昇しています。
とりわけ、太陽光発電の伸びが顕著で、2013年の1.2%から2023年には9.8%に急増しました。実際、2024年度末までにFIT制度で運転開始した設備容量の約9000万kWのうち7000万kW が太陽光でした。
なお、2013年当時、再エネの中で最も普及していたのは水力発電の7.3%でしたが、現在は太陽光発電が上回っています(2023年度の水力発電の比率は7.6%でほぼ横ばい)。
また、自民党・菅政権の2021年に、2050年までに、カーボンニュートラル(CO2ゼロ)実現の目標を表明しました。
そのため、再エネの拡大が必要とされ、政府は再エネを主力電源と位置づけ、発電量に占める再エネの比率を、2030年までに、22.9%(2023年度)から、36~38%に、また2040年までに40%〜50%に引き上げることを目指すとしています。
太陽光発電の電源構成も、9.8%(2023年度)から、2040年までに23〜29%に大幅上昇となる予定です。現在は再エネ全体の約40%ですが、2040年には半分を超える比率が想定され、太陽光は文字通り、再エネのエースと位置づけられます。
太陽光発電の電源構成の推移
(2013年→2023年⇒2040年目標)
再エネ:10.9%→22.9%⇒40〜50%
太陽光:1.2%→9.8%⇒23〜29%
◆ FIT制度の影にソフトバンク孫正義
では、どうしてここまで、太陽光発電が普及していったのでしょうか?この背景には、他の再エネと比較して、太陽光設備の建設期間が短くて、設置が容易であることはありますが、固定価格買取制度(FIT)で、太陽光の買取価格が、他の再エネよりかなり割高に設定されたことなどが最大の理由です。
これには、FIT制度を実現させた当時の民主党政権と密接な関係にあったソフトバンク、孫正義会長の存在が見え隠れしています。
2011年3月の東日本大震災後、孫正義・ソフトバンクグループ(SBG)会長兼社長は、「日本を救わなくてはならない」と事業を一時中断してでも「日本再生」に取り組むと公言しました。
具体的には、「脱原発依存」を掲げ、日本全国にメガソーラーの電力供給網を作る構想を打ち出すなど、再生可能エネルギーを使う電力事業への参入を表明しました。
2011年5月、全国の自治体と自然エネルギーの普及促進を加速させることを目的とした「自然エネルギー協議会」の設置を発表、また、8月12日に私財を投じて「自然エネルギー財団」を立ち上げました。さらに、2011年10月には、再エネ事業化のために、「SBエナジー」を設立しています。
孫正義会長が反原発を唱え注目を集めると、当時の民主党政権下の多くの政治家が孫に接近してきました。時の菅直人内閣も、福島第一原発事故を受け、「原発の代わりに再エネでエネルギーをまかなう」という方針を打ち出しました。
菅総理は何度も孫会長に会って意見を聞いており、孫も、民主党や政府の部会で、政府委員や公職にないにもかかわらず、頻繁に呼ばれ意見を表明していました。
孫会長は、「太陽光に支援を集中」「再エネ補助金を優遇せよ」「買い取り保証は超長期で」「原発ゼロ」などを主張していたと言われ、孫の意見が、当時の政権のエネルギー政策にかなり反映されました。
たとえば、国会の参院行政監視委員会(2011年5月23日)に呼ばれた孫会長は、1kWあたり61円でスタートしたドイツの全量買い取り制度の事例を引き合いにだし、「高値での買い取り制度の法整備をぜひ決めていただきたい」と訴えています。
当時すでにドイツでは、太陽光の価格は約20円(18ユーロセント)に下がり、全量買取も廃止されていましたが、日本のFIT制度における太陽光の買取価格は、1kW当たり42円に設定されました。2012年当時の電力卸価格は同6円程度でしたので、この水準が異常に高い固定価格であったかがわかります。
この決定プロセスは、再エネのFIT制度における調達価格などを専門的に算定・審議する経産省の「調達価格等算定委員会(調達委員会)が事前に出した案に、「政治主導」の名目で上乗せされたと言われています。調達委員会も「最初の3年は例外的に利潤を高める」として、欧州(国際価格)の2倍近い割高な水準で決定されたのです。
なお、FIT(固定価格買取)制度そのものは、民主党の菅首相が原発事故対応の「不手際」から退陣を余儀なくされた際、(総理は)全量買い取りの再生可能エネルギー特別措置法案を通すことを条件として、2011年8月下旬に職を辞した結果、2012年7月に誕生したという経緯があります。
いずれにしても、孫は、FIT制度の創設に絡んだ「利害関係者」といえ、合法的に儲かる仕組みを作ったうえで、再エネ事業に参入しました。
ソフトバンク(SGB)は、その後、FIT制度を活用し、太陽光発電事業を中心に再エネ事業を積極的に展開、SBエナジーを通じて「ソフトバンク鳥取米子ソーラーパーク」などの大規模メガソーラーを建設しています。2023年1月時点で、全国に約45の太陽光や風力の発電所を持ち、太陽光667.1メガワット(MW)、風力55.9MWなどを建設・運営する日本有数の再エネ会社に成長を遂げました。
ただし、稼働停止していた原発が、2015年8月、九州電力川内1号機で再稼働するようになると、世の中の原発事故の鮮烈なイメージも薄れていくにしたがい、日本での再エネにかける孫の情熱も冷めていったのかもしれません。2023年2月9日、ソフトバンクグループは、子会社のSBエナジーの株式85%を、トヨタ系豊田通商に譲渡してしまいました。
<外資の参入>
◆ メガソーラー建設ラッシュ
民主党の菅直人元総理とソフトバンクの孫正義会長が実現したとも言える、太陽光発電優遇のFIT(固定買取価格)制度は、再エネとりわけ太陽光発電の普及を後押ししました。太陽光発電のなかでも、各地で建設が相次いだのが、メガソーラー(太陽光発電パネルを敷き詰めた大規模発電所)です。
「メガソーラー事業」とは、メガソーラーで発電された電気を日本の電力会社に買い取ってもらうという「発電ビジネス」のことを言いますが、日本のメガソーラー事業は、再生エネ普及を優先しようと、FIT制度の買い取り価格を過度に高くしたため、確実に利益が見込めます。
民主党政権で制度が発足した2017年7月以降、「日本では国際価格の2〜3倍以上も高い金額で電気を全量買い取ってくれる」ということで、世界中から続々と外資が上陸し、全国のメガソーラー事業に、異業種を含めた事業者が太陽光発電に殺到しました。
再エネ特措法では運転開始の期限を定めないで土地さえ手当てすれば認定したため、海外の投資ファンドが大規模な投資を行い、中には、土地を取得して駆け込みで申請して買取価格を確定し、その権利を転売する業者もたくさん出ました。
民主党政府も、エネルギー不足を補うために、大規模な太陽光発電設備を、建築基準法などの適用対象から外す異例の措置に踏み切るなどして、事業者を支えました。建築基準法などの対象外であれば、事業者は計画の詳細を地方自治体に提出する義務はなく、参入が容易になります。
この結果、住宅・工場・公共施設・未利用地などへ太陽光発電の普及が進み、全国で使えないはずの土地にも続々と太陽光発電拠点に変身していきました。
◆ 中国の一人勝ち
日本に進出してきた外資の中でも、低コストを武器に他国を圧倒していたのが中国企業です。他社との競争に勝つために、発電事業者は、太陽光発電所をつくるコストを低く抑え、安い価格を提示する必要がありますが、中国に敵う国はありませんでした。
太陽光パネルの主要構成単位である太陽電池の出荷量をみると、全世界におけるシェア(2024年)は80%超が中国で、メーカー別の市場シェアも、中国系企業がトップ5を独占しています。
中国メーカーがこれほどの市場を占有している理由は何でしょうか?
そもそも、太陽光発電とは、太陽光がもたらす光エネルギーを、電力(電気エネルギー)に変換する発電方法で、太陽電池を利用して発電します。太陽光を電気エネルギーに変換する太陽電池には種類がいくつかありますが、現在一番多く使われているのが多結晶シリコン系の太陽電池です。
この一般的な素材の多結晶シリコンを使う太陽電池の変換効率(太陽の光エネルギーをどれだけ電気に変換されたかを示す割合)は、現在、15%〜20%の範囲内にあるとされていますが、現在のエネルギー需要を満たすのに十分な実用的で高い効率を実現してしまっています。このため、製品には生産国や製造会社による優劣が有りません(必要とする技術水準が高くなく、簡単に製造できる)。
そうすると、太陽電池は価格だけが競争条件となり、中国は、技術開発には目もくれずに、半導体製造装置メーカーが提供する製造装置を使って大量生産することに専念しました(大量生産→価格低下)。
これにもまして、中国が太陽電池の低価格化を実現できた背景には、中国の太陽光パネルの半分以上は新疆ウイグル自治区で生産されているという事実があります。そこでは、少数民族のウイグル人を低賃金・長時間労働の強制労働をさせているとの疑惑が濃厚です。また、シリコン精製の際に生じるCO2(二酸化炭素)を無制限に排出して電池を作っていると指摘されています。人権や環境を無視した中国製が世界市場を支配しているのです。
太陽電池は、もともと、日本のシャープと日立が先駆者として開発と実用化を主導してきましたが、事業化において、現状、中国の後塵に排せざるをえないという状況です。
◆ 始まりは上海電力
そうした中国企業の日本進出のきっかけをつくったとされるのが、大阪南港北に位置する咲洲(さきしま)の太陽光事業「咲洲メガソーラー」に、中国の上海電力が参入したことでした。
当時の橋下徹・大阪市長がこれに便宜を図ったのではないかと疑惑が持たれています。
咲洲の土地は、橋下市長の前の市長時代は賃貸借の予定がなかったそうですが、橋下氏が市長になった後、貸すことが決まりました。しかも貸す相手は「メガソーラー事業社に限る」と、最初から太陽光発電のために使用することを決定していたのです。出力は2.4MW(メガワット)で、大阪府では最大規模となる、市の一大公共事業でした。
上海電力参入の経緯
2012年12月、大阪市が、メガソーラー事業のため咲洲(さきしま)北西端の土地を民間に貸し出すための競争入札を行った結果、日本の伸和工業株式会社と日光エナジー開発株式会社による「企業連合体」(「連合体咲洲メガソーラー『大阪ひかりの泉』プロジェクト」)が受注しました(賃貸借契約を締結)。(貸付期間は2013(平成25)年1月~令和15年10月末までの約20年間)。
しかし、この入札にも問題が指摘されていました。再エネ事業は儲かるビジネスであるので大阪の事業者なら誰でも手を挙げる案件なのに、1事業体しか入札に参加していなかったのです。しかも、この入札には、通常では公開されることがないとされる「希望賃貸価格(坪55万円)」も発表され、結果、「大阪ひかりの泉プロジェクト」は「55万1円」という最低金額で落札しました。
もしこの案件がもっと周知されていれば、誰もが入札に参加し、こんな安い金額で落札されることはなかったというのが専門家の見立てです(大阪市からすれば、落札金額は高い方がいい)。
その後、伸和工業と日光エナジー開発の連合体組織(コンソーシアム)は、2013年10月、合同会社に組織変更し、合同会社「咲洲メガソーラー大阪ひかりの泉プロジェクト」となり、事業継承が行われました(賃借権譲渡が承認された)。
これが何を意味するかというと、合同会社は、連合体(組合)よりも明確な法人格を持ち、出資者(社員)の変更や事業譲渡などがしやすいため、大規模プロジェクトでの事業再編や第三者への譲渡・転売を、連合体よりもスムーズに行うことができます。
実際、2014年7月、合同会社から日光エナジー開発が脱退し、新たに「上海電力日本株式会社」が加入しました(日光エナジー開発が代表社員から退き、代わりに上海電力が代表社員に加入した)。
なお、日立エナジー開発は、上海電力(日本法人)に対して、インバーターなどの主要な機器を提供・納入する顧客・サプライヤーです。もっとも、日立エナジーが最初から上海電力に対して、メガソーラー事業の賃貸借権を譲渡するつもりであったかどうかは不明です。
いずれにしても、この結果、咲洲メガソーラー発電所を上海電力と日本伸和工業が共同出資で運営することになるのですが、両社の力関係は、上海電力が圧倒的に上です。
上海電力は、中国の巨大国営大手電力会社「国家電力投資集団公司(SPIC)」傘下の日本法人で、豊富な資金力と大規模プロジェクト遂行能力を持っています。発電事業を継承・拡大する中で、上海電力側が経営の主導権を握っていきました。
結局、現在、大阪の南港北にある咲洲メガソーラー太陽光発電所は、上海電力が、実質的に「合同会社咲洲メガソーラー大阪ひかりの泉プロジェクト」を通じて運営しています。
当初、大阪市から土地を借りた事業者は日本企業だったはずなのに、いつの間にか事業主体が、中国企業に変わるという事態が起きました。しかも、上海電力は、大阪市が実施した入札に参加(応札)せず、合同会社の社員変更として行政への「届出」のみで参画し、事業全体を掌握したのです。
このときに橋下市長は、「大阪市の発電事業に、外国企業である上海電力を参入させる」という極めて重要な変更について、市民に一切説明しませんでした。
逆に、上海電力は、日本で初めてのメガソーラー事業となったこの参入について、中国の国家政策「一帯一路政策」の成功例と喧伝しているため、橋下市長が「中国に協力したのでは」と批判されています。
◆ 全国に上海電力!
上海電力は、大阪での「事業成功」を武器に、太陽光のFIT事業認定を9件受けるなど(2023年10月)、日本各地の大規模な「メガソーラー事業」の受注に成功しています。
具体的には、大阪市南港咲洲(2014年稼働)、兵庫県三田市(2016年稼働)を皮切りに、茨城県つくば市(SJソーラーつくば発電所)、栃木県那須烏山市(那須烏山発電所)、福島県西郷村(福島西郷発電所)、青森県東北町、兵庫県三田市や豊岡市、山口県岩国市などで積極的に事業を展開しています。
福島県西郷村のメガソーラーは日本最大級の規模(約7.6万kW)で、総敷地面積は東京ドーム約12個分に相当する大規模事業が計画中です。
なお、「上海電力日本」名義だけでなく、別会社名義で事業を進めるケースや、日本のパートナー企業と共同事業の場合も確認されています。
日本で事業を営む中国企業は、上海電力以外にも、スカイソーラーなども知られています。スカイソーラー・ジャパンは、岩手県軽米町、栃木県鹿沼市、青森県三戸郡南部町など、全国各地でメガソーラーの建設を行い、開発・稼働させ、大阪ガスとは共同事業で合意しています
◆ 中国を利するだけの太陽光発電事業
前述したように、いまや世界の太陽光パネル(太陽電池)は、中国が8割を超えるシェアを持ち、コスト競争力の高い中国製品の台頭により、日本の国内パネルメーカーは生産からの撤退や事業規模の縮小を余儀なくされています。
結果として、かつて世界シェア50%に達した日本メーカーは、中国勢に押され、現在では国内シェア10%未満(2024年は5.1%)にまで落ち込み、日本に設置されている太陽光パネルの約8割が中国製です。これは、国内のメガソーラーを普及させれば、中国メーカーに多くの利益が得られることを意味します。
加えて、確実に利益が見込める「FIT制度(固定価格買取制度)」を利用して、中国企業が日本のメガソーラー事業に積極的に進出している事実を考慮すれば、日本は、政府が再エネ振興策として太陽光発電を普及すればするほど、結果的に、毎月巨額の利益を中国に献上しているということになります。
<日本を壊す再エネ事業>
いまや日本政府は、太陽光を中心とする再エネ最優先を推進することで、日本経済と社会に深刻な影響を与えています。
◆ 太陽光発電の負の遺産
電気代高騰
日本の再エネ政策は、次世代のための投資という見方はできますが、現状、日本経済にプラスに働いでいません。とりわけ物価高に苦しむなか、米価とともに、私たちの家計にのしかかっているのが電気代で、再エネの推進は電気代を高騰させている元凶となっています。
前述したFIT(固定価格買取)制度では、太陽光など再生エネによる電気は、電力会社が発電事業者等から高値で買い取った分は、再エネ課徴金(賦課金)として、家庭や企業の電気代への上乗せという形で跳ね返ってきます。しかも、再エネのなかで導入比率が高い太陽光の買取価格が、他の再エネにくらべても割高になっています。
この再エネ課徴金は年々増額しており、初年度の2012年度には2500億円だった買取総額は、2021年度には3.8兆円と15倍になり、このうち2.7兆円が賦課金として電気代に上乗せされました。
2025年度は、買取総額は4.9兆円、再エネ賦課金(=国民の電気料金に上乗せ額)は3.1兆円になる見込みです(買取総額のうち、事業用太陽光への支払いはその6割に当たる3兆円)。この結果、標準的な家庭(月間使用量400kWh想定)の再エネ賦課金による年間負担額は、19,104円(月額1,592円)程度となると見られています。
景観や生態系への影響
メガソーラー事業においては、山林などを切り開き、時に数万枚超のパネルを使用することもあります。この結果、重要な動植物が生息、生育する場所が消失や縮小することで、環境が変わり影響を与えてしまう可能性があるなど生態系破壊が懸念されています。、
また、森林伐採に伴う災害リスクの増大や、太陽光パネルの設置による景観悪化(良好な景観が変わることや景色が見えなくなる可能性)が指摘されています。太陽光パネルからの反射光がまぶしいという苦情も出ています。
たとえば、北海道の釧路湿原国立公園周辺、福島県西郷村、千葉県鴨川市など地元住民と事業者間でのトラブルも相次いでいます。
太陽光パネルの廃棄問題
太陽光発電の今後の課題として、2012年のFIT(固定価格買取制度)開始当初に導入された発電設備が寿命を迎え、事業が終了した後に発生している設備の放置や不法投棄があげられます。
日本での太陽光発電は、FIT制度が導入されたことで、加速度的に増加しましたが、太陽光パネルの寿命は約25〜30年しかありません。
2040年頃には、太陽光発電設備から太陽光パネル等が一斉に廃棄されることが予想されています。最終処分場の受入能力には限界があるため、大量廃棄による最終処分場のひっ迫が考えられます。
しかも、太陽電池の寿命が尽きると、造るよりも高度で割高な廃棄コストがかかるという、大きな問題が有ります。パネルは、火災の発生や、太陽光パネルに含まれる鉛やカドミウムが、不適切な処分によって流出・拡散といった環境汚染のリスクがあるため非常に危険です。残念ながら、現在の日本には太陽電池の廃棄と言うニッチな技術領域に対応する企業は少ないといわれています。大量の太陽光パネルが、中国企業によって不法投棄された場合の環境破壊が懸念されます。
太陽光発電パネルの大量廃棄問題は、2030年代に顕在化しはじめ(2034~2036年の間に22~34万トンの発電設備が廃棄されるとの推計値も出されている)、廃棄量のピークは2040年頃と予測されていることから、それぞれ「2030年問題」、「2040年問題」と呼ばれています。
◆ FIT制度の軌道修正
こうした割高なFIT制度にともなう様々な問題に対応するために、経産省は、年度ごとに毎年見直される再エネの買取価格を年々下げ、市場の適正価格に近づけようとしています。
特に、再生エネが太陽光に偏っている現状をうけ、重点的に太陽光の買取価格を大幅に引き下げ、たとえば、住宅向け太陽光発電の買取価格は、FIT制度導入時の2012年の42円/1kWhから2025年は16円に、また企業向けの場合も、40円から8.9円〜11.5円に下げられました。
しかし、買取価格が段階的に引き下げられたことに加え、急速な市場拡大による競争激化とそれに伴う供給過剰、維持管理コストや燃料価格の高騰なども当初の計画を上回り出したことから、太陽光関連事業者の倒産・休廃業が急増しています。
帝国データバンクの統計によれば、2024年度には、発電事業者の倒産・休廃業が過去最多の52件(倒産8件、休廃業・解散44件)に達し、このうちの多くが太陽光発電事業者でした。また、2020年度以降の5年間で倒産した発電事業者19件のなかで「太陽光発電」が7件と最も多かったという結果もでています。
この調査結果は、特定の企業名やその国籍(資本構成)といった52件の詳細な内訳は公表さていませんが、資金力のある中国企業の日本法人よりも、日本の中小発電事業者である可能性が高いとみられています。
そうなると、日本の太陽光発電関連事業者の倒産増加は、太陽光パネルの中国依存をさらに進める要因の一つとなりうるという悪循環に陥いることも指摘されています。というのも、事業者の倒産が増えると、国内の太陽光発電関連のサプライチェーン全体が弱体化し、価格の安い中国製パネルへの依存度が構造的に深まることになると見られているからです。
◆「再エネ最優先」は妥当か?
現在、日本では「再エネ最優先」を、実質的に国の基本方針として位置付けています。
前述したように、菅義偉首相は、2020年10月、「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」というカーボンニュートラル宣言(脱炭素社会の実現)を宣言しました。
そして、このカーボンニュートラルの目標達成に向けて、グリーントランスフォーメーション(GX)(=経済社会システム全体を持続可能な形に転換する取り組み)を推進することが謳われています。
岸田文雄内閣の2023年5月、「GX推進法」と「GX脱炭素電源法」が成立し、GX推進戦略が閣議決定されました。
GX推進戦略とは、日本政府が「脱炭素」と「経済成長」の両立を目指し、化石燃料中心の経済構造をクリーンエネルギー中心へ転換させる国家戦略で、官民150兆円超の大規模投資(今後10年間)などが目玉です。
投資と言っても、その原資はGX経済移行債(国債)を活用すると規定されているので、最終的には国民の負担となって還ってくる可能性があります。これは毎年のGDP(国内総生産)の3%であり、3人世帯ならば累積で360万円にもなると推計されています。
投資先の中心は、再エネ、しかも太陽光発電が主軸となることが想定されることから、政府が再エネ最優先をさらに強化し、積極的に「グリーントランスフォーメーション(GX)」を推進すればするほど、電気代はさらに高騰して、投資資金の多くは中国に流れます。
このまま、FIT制度を含む再エネ政策の枠組みが大きく変化しなければ、日本のエネルギー産業を空洞化させ、日本経済は成長力を失う(ガタガタになる)ことが懸念されます。「再エネ最優先」の国策も、グリーントランスフォーメーション(GX)の推進も、理念としてはよいのですが、その手段としての政策は失敗に終わる可能性があります。
そうしたなか、高市政権は、2025年12月、大規模太陽光発電施設「メガソーラー」について、2027年度から新規事業に対し、市場価格に一定額を上乗せして電力を買い取る支援制度の申請対象外とする方針を決定しました。
この対応によって、これまでのメガソーラーの野放図な拡大に歯止めをかけることができるか、東日本大震災以降の普及促進方針を根本から転換することになるのかが注目されます。
<エネルギー安全保障と再エネ>
◆ エネルギー自給率向上の落とし穴
これまでの日本のエネルギー政策では、「脱炭素」が至上命題となり、経済と安全保障が軽視されてしまった感があります。電力事業は、日本の安全保障上の「最重要なインフラ」で、再エネ推進は、エネルギー自給率を高めるという側面をもっています。
東日本大震災後、日本のエネルギー自給率は2014年に過去最低の6.4%まで落ち込み(震災の年の2011年は11.6%)、その後、回復しましたが、世界的に見ると低い水準です(2024年は12.6%)。
そこで、2021年10月に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」において、エネルギー自給率を当時の13.3%から、「24%前後まで拡大」するという目標も掲げられました。
ただし、「再エネ最優先」のエネルギー政策をとりながらの自給率向上は、太陽光発電がその原動力になっていくことが期待されていることを意味します。そうなると、日本のメガソーラービジネスに、大量の中国資本が参画している事実は、安全保障上の問題として浮き彫りにされます。
もちろん、中国など外資系企業は、日本政府作ったFIT(固定価格買取)制度をフルに利用して、日本で稼いているだけなのですが、上海電力やスカイソーラーら中国系企業は、一民間企業ではなく、中国共産党と密接につながる国営企業であることを忘れてはなりません。
もし、中国が、国益を利するために、日本の電力市場に浸透している国営企業を使って、日本の電力政策にも影響を与えようとしているのであれば、それは安全保障上の問題となります。
◆ 透かしロゴ問題
中国の影響力行使の実態を想起させる、ちょっとした「騒動」が、2024年に起きました。
内閣府にかつて、「再エネタスクフォース(TF)と呼ばれる特別作業班がありました。その目的は、再生可能エネルギー関連規制の総点検と、経産省など関係省庁に再エネ規制の見直しを促す(検討する)ためで、再エネ導入にむけた規制緩和が強力に推進されました。
TFは、親中派で知られる河野太郎・規制改革担当大臣(2020.9〜2021.10)が主導して、2020年11月に設立されたもので、河野大臣の強いリーダーシップから「河野太郎委員会」とも呼ばれ、大臣に近い有識者が委員として参加していました。
「騒動」があったのは、2024年3月、TFの会合で、委員の大林ミカ・自然エネルギー財団事業局長が提出した資料に、中国国営電力会社「国家電網公司」の透かしロゴが入っていたことが発覚したのです。
これにより、日本のエネルギー政策が、中国の影響を受けて決定されているのではないかという懸念が高まりました。河野大臣はチェック体制の不備を認めつつ、タスクフォースの議論内容自体に問題はなかったと弁明しましたが、結局、内閣府の会議体として活動を続けていたTFは、2024年6月に解散となりました(大林委員は同年3月27日に委員辞任)。
◆ 危うい中国依存
河野氏が防衛相を務めていた時(2019.9〜2020.9)、「可能な限り再生可能エネルギー比率100%を目指す」と指針に明記し、全ての防衛省・自衛隊施設の電力調達について、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの比率を大幅に引き上げるよう指示していました。
今では多くの自衛隊施設で再エネ電力が購入されているそうですが、太陽光発電をはじめとした再エネ発電はバイオマス以外、発電量は天候に左右され、供給が不安定になる場合があります。日本の防衛施設には、いざ必要なときに電気が足りないということが起らないように、安定的な電力が必要です。
しかし、現在の日本の再エネ政策の結果、中国企業の多くが日本のメガソーラー事業に参入し、かつ、日本の太陽光発電に使われている太陽光パネル(太陽電池)の9割が中国製という状況下、日本が、太陽光発電市場において中国へ依存し続けることは、安全保障上、大きなリスクをともないます。
専門家によれば、中国企業の日本法人は、電力消費量を監視することで、自衛隊の活動状態を把握でき、さらに、有事には、本国の命令があれば、電力供給網を遮断・攪乱(かくらん)することも可能だと言われています。
実際、ノルウェーなど北欧で運行中の中国製電気バスについて、中国のメーカー側が遠隔でアクセスできることが判明し問題になり、ハッキングなどセキュリティに対する懸念が高まっています。
<日本がとるべき政策>
◆ 現行のFIT制度の停止と太陽光パネルの国産化
日本の国益を損ない、中国を利するだけになってしまいかねない、現在の太陽光偏重の再エネ政策、具体的には、FIT(固定価格買取)制度と再エネ課徴金を廃止し、日本の国民経済と安全保障を第一に考える再エネ政策を新たに構築されることが望まれます。
ただし、それは、太陽光発電の普及計画を停止して、再エネ優先策を見直せという意味ではありません。太陽光は再エネ推進の原動力であり、再エネ最優先は日本の国策であり続けるべきで、必要なのは、政策の運用方法の見直しです。
電力を安定供給する観点を土台にとして、再生可能エネルギーの導入(活用)には、国民負担とのバランスに配慮して進める必要があり、電気料金の高騰を招かない制度にせねばなりません。時間や季節、天候に左右されがちが太陽光、風力、水力を、天候の影響を受けない地熱やバイオマス発電が補填するなど、再エネ全体として、安定の電力供給を実現させるシステム作りが求められます。
その上で、太陽光発電に関しては、太陽光パネル(太陽電池)などの重要装備品は、安全保障の観点から、国産に限定することが求められます。いかに、再エネで太陽光を中心にエネルギー自給率を高めることができたとしても、太陽電池にシェアの9割を中国企業に握られたままの状態が続けば、元も子もないからです。
国産品が台頭できるまで、国内産業の育成や、次世代技術(ペロブスカイト太陽電池など)の開発・導入が今後の焦点となっています。
◆ 脱炭素利権
現在、永田町には「脱炭素利権」が跋扈していると言われています。かつては「脱炭素」という経済自滅的な政策には抵抗していた経産省が、いまでは巨大な予算と権限を持った最も強力な脱炭素利権と化したと、一部で批判されているのです。
「脱炭素利権」が国益を損ない、日本経済を破壊していると一部から批判されているのですが、ならば、再エネ最優先をやめて、原発回帰となるべきではありません。それは単に、同じ経産省内の「原発利権」が復活するだけだからです。
残念ながら、原発回帰は高市政権でも進みそうな流れがあります。そこで、次のテーマとして、原発について考察していきます。
<関連投稿>
太陽光発電を含む再エネについては、以下のサイトも参照下さい
<参照>
ソフトバンク参入、動くか電力市場 5000万顧客強み
(2014/2/2、日経)
3.11後、あれほど情熱を注いだ「再エネ」事業を孫正義が手放した本当の理由…
(2023.02.23, 現代ビジネス)
再生可能エネルギー発電事業が苦境 倒産・廃業が過去最多
(2025.05.12 、SDGs ACTION/朝日新聞)
再生エネ普及策 悪質業者の排除につなげたい
(読売新聞社説 2017年5月6日)
再エネFITは民主党政権の生んだ詐欺と腐敗の温床
(2023.23、JBPress)
いびつな真実! 現在、日本のメガソーラー事業の大半は“中国企業”が独占!
(2022/09/23 ワールドジェット・スポーツマガジン)
中国を利するエネ政策を止めよ
(産経新聞(正論)2024年4月10日付)
新規メガソーラー、電力買い取り価格上乗せ廃止へ…消費者が支払う再エネ賦課金が原資
(2025/12/14、読売新聞)
再エネ利権を一掃せよ(2)
(2024.08.19、夕刊フジ)
再エネ最優先、脱炭素という亡国
(2024.10.10、キャノン・グローバル戦略研究所)
再生可能エネルギーを考える…
「日本のエネルギー政策を考える」と題して、これから、火力発電、原発、再エネを含めたエネルギー事情について投稿していきます。政策を考えるためにはもまずは、その制度や成り立ち、現状、問題点などを知っておく必要があります。
今回、はじめに、再生可能エネルギーについてまとめました。
<トピック>
鈴木農相の「おこめ券と”需要に応じた生産”」のわな
コメ価格が高止まりを続けています。高市政権になり、新しい農林水産大臣には、自民党の鈴木憲和衆院議員が就任しました。新大臣の就任会見、その後の発言を聞くと、コメ価格は下がらないまま、日本の農業はますます衰退、高市政権の経済運営にも影響を及ぼすことが懸念されます。
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◆ 鈴木大臣ってどんな人?
鈴木大臣は、2005年に農水省に入省、2012年に退官した後、同年の衆院選で初当選しました。選挙区は コメどころの山形県(本人は東京都出身)で、農協の全面的バックアップを受けて議員となった自民党農水族です。
「農政のトライアングル」という用語があります。これは、農林水産省、自民党の農林族議員(省庁に顔の利く国会議員)、JA農協の3者で形成する癒着に近い権力構造のことで、戦後の農政は、この「農政のトライアングル」によって主導されてきました。
鈴木大臣は、一見すれば、農水官僚、自民党農林族、農協の期待を一身に担った農林水産大臣ということになります。
◆ 鈴木大臣の発言を斬る!
そんな鈴木大臣のコメ政策に関する方針としては、就任会見等で明らかにした、➀「需要に応じた生産」、②「価格はマーケットで決まる」、③おコメ券の配布の3点がキーワードになりそうです。大臣の発言を紐解きながら、その真意を探ります。
➀「需要に応じた生産が基本」
就任会見で、鈴木大臣は、コメ政策に関して次のように発言しました。
需要に応じた生産が基本…需要がないのに生産量を増やせば米価が下がる。生産者の設備投資や人件費を考えても、価格の安定が不可欠。無責任に増産を続けるのは難しい…
「(少ない)需要に応じた生産が基本」で「増産を続けるのは難しい」とは、「生産調整」が行われる、つまり実質的な減反政策に後戻りしたことを意味します。現に「無責任」という言葉を使って、前任の石破総理がコメ対策として掲げた増産路線を批判し、事実上、これを撤回した形です。
これは、「農政のトライアングル」の規定路線に戻ったことを意味します。そうすると、鈴木大臣が目指す「価格の安定が不可欠」の「価格の安定」とは、今回のコメ騒動が起こる前の水準での安定ではなく、急騰した「高値での安定」を示唆しています。コメ価格は、令和のコメ騒動以前の5キロ=2000円台はおろか、小泉前農相が目標とした3000円台に下がることはないかもしれません。
そもそも、経済の原則として、価格は、「需要=供給(生産)」で決まります。鈴木農相は「需要がないのに…」と認識していることから、本来、市場(マーケット)に委ねれば、「需要<供給」でコメ価格は下がりますが、「需要に応じた生産」と言って、生産(供給)を落とすことで、現在の高い米価を維持しようとしているのです。
このように、鈴木農相のいう「需要に応じた生産」とは、特定の望ましい価格を実現するために、それに対応する需要量まで、コメを減産すると言っているようなもので、今の高い米価を下げる意思のないことを表明しています。しかも、大臣は、その理由を「価格の安定が不可欠」だからだと言ってごまかしています。
減反政策を継続
近年の主食用米の年間生産量(主食用米の収穫量)は、概ね600万トン台後半から700万トン台前半で推移しています。
2023年産:662万トン
2024年産:679万トン
2025年産:748万トン(予想収穫量)
2026年度:711万トン(生産見通し)
2025年産の主食用米の収穫量は、2024年産を約69万トン上回る748万トンと見込まれていました。これは、「令和のコメ騒動」でコメ価格の高騰により、農家の生産意欲が高まったことや、作付面積の拡大などがあげられています。
しかし、2026年産向けの生産目安は、需給緩和を見越して、711万トンと提示され、2025年産よりも減産となる見通しです。
農水省は、減反政策は既に廃止されたと言いながら、コメの生産目安の設定や助成金を通じた生産調整で、実質的に減反政策を継続させています。しかも今回は、「需要に見合う生産」という原則をたてに推し進めようとしています。
さらに、備蓄米の水準を回復するという名目で、放出した備蓄米59万トンを買い戻し、市場から「隔離」するそうなので、供給量はさらに減少します。結果、コメの値段は下がらないどころか、いっそう上がることも懸念されます。
需要の見積もりは正しいのか?
加えて、鈴木大臣が「需要に応じた生産」と言うときの「需要」は、果たして正しい数値なのかという疑問も生じます。「国の需給計画上の数字」が必ずしも正しい需要を表すとは限りません。実際、「令和のコメ騒動」のさなか、「23~24年の数字は誤りだった」として、国は謝罪しています。この需要の見積もりミスが令和のコメ騒動の一員となりました。
また、鈴木大臣は、会見で「現状では不足感は解消されたと認識している」と断言しましたが、この認識が正しいのでしょうか?
ある識者によれば、集荷業者らは、2025年もコメ不足が解消しないと見て、田植えよりずっと早い3月頃から、集荷競争を繰り広げ、農家との間では秋の新米の契約をかなりの高値で進みだしていたそうです。これが、現在もコメ価格が高い理由の一つです。
また、大臣の会見では、「需給見通しを精度の高いものに」と言っていましたが、かつて、当時食糧庁のある幹部の方は、「国がコメ需給をぴたりと合わそうなどとは、神をも恐れぬ所業である」と言われたことがあるそうです。
そう、需要を正確に把握し、生産に反映させることができるのは、「神」しかいません。ただし、ここでいう神とは、近代経済学の祖、アダム・スミスで有名な「神の見えざる手」、つまり「市場」です。
需要とは、「市場が価格を通じて生産者に知らせる」もので、生産者は市場で形成された価格シグナルを通じて必要な量を知り、生産活動を行います。真の需要は、市場の価格動向等を通じて把握する以外に方法はありません。
いみじくも、鈴木農相は、「価格はマーケットで決まるものだ」と発言しており、このことを理解されているのかと思いましたが、「マーケット(市場)」の使い方を歪曲しているようです。
② 「価格はマーケットで決まるものだ」
適正な価格についての質問に対し鈴木農水大臣は、次のように答えました。
何円台がいいとは言わない、(米価について)私のスタンスとして、高いとか安いとかは申し上げない。価格はマーケットで決まるものだ。
これは、5月から備蓄米放出による価格引き下げを進めてきた政府の方針を改め、今後は価格のコントロールに関与しない姿勢を示したことになります(政府の価格介入を否定)。
また、あるテレビ番組に出演した鈴木農水相は、コメの値段を「せめて(5キロ)4000円台に」という消費者の声に対し、次のようにも回答しています。
…残念ながら価格というのは、私たちにコントロールする権限が全くないし、私たちが管理をしてるものでは…、残念ながらコメは…流通の世界は自由でありますから…
コメの流通市場は自由なので、農水省は米価を管理する権限は全くない(=農水省は米価をコントロールしてはいけない)と述べているのです。
しかし、「価格に関与しない」と言いながら、「需要に応じた生産」と言って、生産抑制(今年産から5%減少)を指示していること自体、米価の高止まりを望む価格への介入です。
マーケットの機能を阻害
そもそも、鈴木大臣が「価格はマーケットで決まるものだ」という時のマーケット(市場)とは、本来、不特定多数の買い手と売り手が集える、公開・公正で、調整機能が十分に発揮されており、さらに行政もそれを側面から支援している市場です。
しかし、適正価格を形成、市場のメカニズムの働きを意図的に阻害し、価格形成に関与しようとして、適切なコメ市場の形成を阻止してきたのが、ほかならぬ、鈴木大臣ご出身の農林水産省とJA農協です。
農政の歴史を振り返ると、「農政のトライアングル」(農水省、JA農協、自民党)は、1960年代から、農家を守るという名目で、減反政策によって、米価を上げてきました。
具体的には、生産者に毎年3500億円ほどの減反補助金を出して、コメ生産を減少させ(農業用地を減らさせる)、コメの値段を市場で決まる価格よりも高くしてきたのです。
「令和のコメ騒動」前の5キロ=2000円台だった米価も、マーケット(の需給関係)の中で決められたのではなく、強力な市場介入の結果で、価格を市場(マーケットの力)に委ねていたら、コメの値段は5キロ=2000円台をさらに下回っていたはずです。
それが「令和のコメ騒動」が発生し、農水省や農協からすれば、米価が上がり出したのはよかったのですが、農水省が需給を読み間違えたことから、騒動前の2倍以上の水準に、上がり過ぎてしまい大問題となってしまいました。これが今回の「騒動」の実態です。
しかし、農水省は、これまで米価をマーケット(市場)に委ねてこなかったどころか、その働きを阻害してきたにもかかわらず、「価格はマーケットが決めるものだから、米価には関与しない」という鈴木大臣の発言は、農水大臣としては「不誠実」であり、もはや「偽善」の域に達しています。
日本にはないコメの自由市場
加えて、コメの流通プロセスにおいて、日本には自由な売買の場である卸売市場のように公的な「取引所」は存在していません。
代わりに、日本では集荷業者(売り手)と卸売業者(買い手)が、直接「話し合い」によって価格を決定する相対(あいたい)取引が取引量の大半を占めています。このため、一般にニュースで報じられる「米価」は、卸売段階の取引価格(相対取引価格)を指す場合が多く、これが日本でのコメの基準価格となっています。
もっとも、政府(農水省)は、かつて、相対取引における、公設の場として、「全国米穀(コメ)取引・価格形成センター」を創設し、コメ取引に市場原理を導入しようとしました。しかし、相対価格を有利に決めたいJA農協が業者の上場(取引所で売買すること)を制限するようになって、結局センターは廃止されてしました。
また、コメの適正価格の形成になくてはならない先物市場も、JA農協の反対運動により「実質的」に認められていません。需給で公正に価格が決定される市場が実現できれば、JA農協は、自分たちにとって適正な相対価格を決めることはできなくなるからです。日本には、各銘柄米の値段を自由な売買で決める市場がJA農協の反対とこれを認めた農水省によって存在していないのです。
このことは裏を返せば、現在の相対価格は、需給で公正に価格が決定される水準ではないということでもあります。実際、相対価格は、JA農協が決定する概算金に大きな影響を受けます。
概算金とは、コメ価格形成に重要かつ独特な価格体系で、JA農協がその年の秋の収穫後に、農家に一時金として、支払われる仮払金をいいます。相対価格は、この概算金に、保管・運送・検査コストなどの流通経費や手数料などを上乗せしたものとなることから、JA農協が決定する概算金が、相対価格の水準をほぼ決定すると言っても過言ではありません。
ちなみに、JA農協が農家に払う概算金は、玄米60キログラム当たり通常の年では約1万2000円水準であるのに対して、2025年度産のコメの概算金は、主力銘柄で1等米60kgあたり2万6000円~3万3000円程度が中心で、前年産比では6~8割高と大幅に引き上げられています。
さらに、JA農協は、この高い米価(概算金)以上の価格を農家に払えない他の流通業者を、コメの集荷事業から排除しながら、市場の独占力を今も保持しています。
したがって、農水省が米価をコントロールできない理由に、鈴木大臣があげた「流通の世界は自由であるから」という主張は事実に反しますし、農水省は、できないどころか、コメの値段をコントロールしています。
日本では、市場メカニズムが機能して適正価格を形成できるマーケットは存在しないので、鈴木農相の「価格はマーケット(市場)で決まるものだ」は、「価格は、JA農協主導の相対取引で決まるものだ」と言っていることに等しいわけです。
コメの流通市場についての詳細については「コメの価格が決まる仕組み」を参照下さい。
元から、コメ価格を下げる気はない
結局、鈴木大臣の「需要に応じた生産が基本」、「価格はマーケットで決まるものだ」という発言は、今後も生産調整を続け、コメの高価格政策を続ける(高い米価を維持していく)と言っているのです。米価5キロ=4000円以上を、既成事実として、消費者に受け入れさせたいという鈴木大臣の真意が透けて見えます。
ただし、それでは、消費が困るというので、高い米価を受け入れてもらう代わりに、農水大臣がコメ高対策として打ち出しているのが、「おこめ券」の配布です。
③「おこめ券」の配布
鈴木農水大臣は、コメの高値が続くなか、「政府に今すぐできることは実際に消費者の皆さんの負担感を和らげる」ことして、おこめ券の配布を、物価高対策として、表明しました。
おこめ券とは?
政府は、自治体向けの「重点支援地方交付金」に2兆円を計上し、うち4000億円を食料品高騰に対応する特別枠として、おこめ券などの活用を促します。支援額は1人当たり3000円程度になる予定です。
農水省は、「おこめ券」の配布を各自治体に推奨していますが、実際に配布するかどうか、また、配布するにしても、誰を対象にするかは各自治体の判断に委ねられています。後者の場合、 たとえば、子育て世帯や低所得者世帯など、特定の対象者に限定して配布する場合もあります。
自治体から配布される「おこめ券」は、金券と同じで、特定のコメとの引換券ではありません。コメ500円/kgとされ、高いおコメを買えば、差額を負担する必要があります。
また、おこめ券以外に電子クーポンやプレミアム商品券、地域ポイントの配布、パン、麺、パスタなどの食料品の現物給付なども選べます(そうなると、おこめ券は石破茂内閣時代に検討された現金給付政策と何ら違いがないとの指摘もなされている)。
では、おこめ券は、本当に消費者の負担が和らぎ、物価対策になるのでしょうか?
おこめ券の効果
鈴木大臣は、おコメ券の配布を「国民の負担を和らげるため」の救済策と述べています。実際、おこめ券が配布され、今、たとえば、コメ500円/kgのおこめ券4枚を持つ消費者にとって、5キログラム当たり4200円のコメが、2200円で買えたことになります。
たしかに、おこめ券でコメを安くで買えて「助かった」と喜ばれるかもしれませんが、そもそも、これまで多額の減反補助金を通して、私たちは高いコメを長年、買わされて(負担を強いられて)きたという事実を忘れてはなりません。今回のおこめ券にかかる費用も財源は税金です。減反もおこめ券も負担するのは国民なのです。
また、おこめ券を使って、5キロ4200円のコメを買う人が増えるということは、需要の増加に伴い価格がさらに上昇し、消費者の負担も増えることにもつながりかねません。
しかも、おこめ券は、原則として1回限りの時限的な措置で、継続される政策ではありませんので、経済効果は限定的で、気休め程度です。したがって、物価高騰対策としてのおこめ券の配布は、一時しのぎになるだけで適切とは言えません。
うがった見方をすれば、国民に安くコメを買えると思わせて、下がらないコメの価格に対する不満を避けるための対策にみえてしまいます。
鈴木大臣と農水省の深慮
逆に、農水省の立場からいえば、おこめ券の配布によって、消費者に安くコメを供給することで、高い米価による需要の減少を抑制できる効果が期待できます。また、現在、高騰した新米は売れずに行き場を失い、JAや中間業者の倉庫は山積みになっていると言われていますが、おこめ券はそれらをさばくための対策になります。
そうすると、物価高対策としてのおこめ券は、米価を下げるのではなく、現在の高いコメの価格を維持しようとする鈴木大臣の目論見ではなかったのかとの疑いももたれます。
おこめ券の配布は、政府がコメを買い上げて配給するのとほぼ同じ構造であり、結果として、米価は高い水準のまま、コメ消費を無理に押し上げ、米価をさらに引き上げることにもなりかねません。
さらに、鈴木農相は、おこめ券に期限をつけると発表しましたが、これは、期限切れ後には市民が割高な米を購入せざるを得なくなるということを意味しています。
一方、おこめ券は、経費率が10%以上と高いことが指摘されています。具体的には、1枚500円のおこめ券では、440円分の コメしか買えず、差額の60円は印刷代、郵送、銀行振込みなどの費用として消えていきます。
大阪府交野市は、この経費率の高さなどを問題視し、おこめ券を「配布しない」と宣言しました。市長は、経費率0%の給食無償化、経費率1%の上下水道基本料金免除に使うとしています。
これに対して、鈴木農相は「おこめ券を使うか、使わないかは自治体の自由だ」とする一方で、「おこめ券の配布を含む食料品価格高騰対策は、市区町村に対応いただきたい『必須項目』として基本的には位置づけをされている」として、市区町村に対し事実上強制して実施してもらう考えを示しています。
今回の重点支援交付金のような交付金は本来、自治体が使い道を自由に決められるもので、国から自治体に交付金の利用を強制する権限はありませんが、全1741市区町村に対して対応を求めています。自身肝いりの「おこめ券」配布に、鈴木大臣の並々ならぬ意気込みが感じられます。
おこめ券の配布は、国民の負担を和らげるためになされると鈴木大臣は言いつつも、国民の負担(税金)で発行され、農家の収入を減らさずに、高い米価を維持するための政策手段となっています。
しかも、その恩恵を一番受けるのは、発行元である全農などの農業団体というカラクリがあります。
実際、「おこめ券」は、JA全農(全国農業協同組合連合会)と全米販(全国米穀販売事業共済協同組合)の2団体(それぞれ集荷業者と卸売業者の全国団体)が発行し、億単位の利益が転がり込むとされ、おこめ券の配布は、これを発行する農業団体への利益誘導との批判が噴出しています。
このように、付け焼き刃的なおこめ券の配布は、コメの高止まりを放置し、結果的に国民負担を増やすだけで、コメ問題の本質的な解決にはなりません。
◆ コメ問題の本質的な解決のために
令和のコメ騒動を含めた、すべてのコメ問題の元凶が、減反政策です。減反政策を止めなければ何も変わらず、コメ騒動は、政府が増産を後押ししなければ収まらないでしょう。
消費者にとっては減反廃止(増産)で、コメの値段が下がり、安い米が届くようになります。また、収穫量が増え、国内消費で余った分は、輸出に回せば、農家の所得を押しあげることができます。
もちろん、短期間に簡単に輸出を大幅に増やせるわけはないので、増産したら農家は潰れてしまうという指摘もあります。そのための対策として、米価下落の影響を受けた主業農家に対しては、財政出動による政府から直接支払いを交付する所得補填政策が最も効果的で確実とされています。
財源はどうする?という問いについては、専門家によれば、主業農家への直接支払いは1500億円と見積もられていますが、これまでの減反政策で、国民は納税者として、減反補助金3500億円を負担しているとされていることから、問題はないどころか、財政を好転させることもできます。
なお、コメ輸出の拡大については、以前の政権からずっと言われ続けた政策ですが、鈴木大臣も、所信表明演説で、コメ需要の拡大へ海外マーケットの開拓に意欲を表明しました。「私たちが認識を改めたほうがいいのは、今まで日本のコメは高くて海外に売ることができなかったという理屈だ」と述べ、日本産米の高付加価値を武器に輸出を拡大できる可能性を強調しました。
しかし、この発言も、高いコメを前提にしているところが問題です。減反政策をやめて、コメの価格が下がれば、もともと付加価値の高い日本の米を、安く海外に販売できるので、輸出を当然増えていきます。
石破政権では、この減反政策を名実ともやめて、増産に転じるという歴史的な決定を下しましたが、高市政権になって鈴木農相がすぐに撤回、減反(生産抑制)に回帰してしまったことはすでに指摘した通りです。
◆ このまま減反政策を続けたら…
では、政府がこのまま増産に舵を切らず、長年の減反政策を実質的に続けたいったらどなるでしょうか?
コメ農家が5年以内に全滅する!?
「コメの生産現場は、高齢化し、担い手を失い、困窮しきっている」という農家の疲弊が指摘されて久しいですが、こうなった原因は、今の農政にあります。
農家の平均年齢は70歳とされ、地域によっては「あと5年で米を作る人がいなくなる」と言われており、日本のコメ農家は、5年以内に激減し、多くの農村コミュニティが壊滅しかねません。長年の生産調整で、生産を減らせと言われれば、意欲のある若い担い手も育つわけはありません。
コメの自給率が下がる
このまま、高い米価が維持されれば、消費者のコメ離れすすむか、安い外国産の需要が増え(輸入米が増え)、現在95%近いコメの自給率さえ下げてしまいます。
実際、コメ不足が解消しないなら、輸入米でまかなえばよいという安易な主張がなされ、トランプ関税との絡みで、アメリカ産米の輸入が増えました。これは、稲作農家はさらに追い詰められて、やめる農家が続出することが懸念されます。
食料安全保障に悪影響
コメの自給率の低下は、食料安全保障に深刻な影響を与えます。現在の備蓄はおよそ100万トンとされ、これでは国民が食べられるのは、わずか1.5カ月分しかありません。
令和の米騒動では、日本はアメリカからの輸入米に頼りました。そもそも日本は多くの農産物を海外からの輸入に依存しています。主食である米まで輸入頼みになれば、もし供給が途絶えたとき、国民はたちまち飢えることになります。
安全保障環境が悪化しているなか、いまこそ、少なくともコメの備蓄を増やさないといけない時代背景があるにもかかわらず、目先の利益と既得権の維持に捉われて、減反政策を再び採用しようとしているのが鈴木農政です。
また、何より、農相から農業政策の大きなビジョンが示されていないことも問題です。おこめ券の配布に苦心するよりも、私たちが安心して食生活が営めるための農政の方向性をしっかりと示してもらいたいと思います。
自給率と食糧安保については以下の投稿記事も参照下さい。
◆ 高市政権の経済運営への影響
ここ数年、物価対策が最重要課題だとして、対策が求められていますが、昨今の物価高の象徴が食料品のなかのコメ価格で、消費者を最も苦しめています。
これに対して、鈴木農相はコメの高価格・減反路線を復帰させましたが、米価が下がらなければ、高市政権の物価高対策は、仮に食料品の消費税をゼロにしても、米価が高値を維持する限り、失敗する恐れがあると指摘されています。
そこで、物価高対策として、繰り返しますが、減反を止め、増産に切り替えることが望まれます。その結果、農家の所得が落ち込めば、農家への所得補償(直接払い)という形で、財政出動させるべきです。
高市首相は「積極財政」を掲げ、「日本が今行うべきことは、行き過ぎた緊縮財政により国力を衰退させることではなく、積極財政により国力を強くすることだ」と訴えました。
積極財政で、おカネを回すべきは、ここまで疲弊した農業に対してであり、コメの増産で国力を蓄えなければなりません。
もう何年も、農林水産省は、国民のために仕事をせずに、JA農協をはじめとする農政トライアングル(自民党内の族議員と、自民党の支持母体JA農協)の既得権のために仕事をしていると言われても否定できません。結果的にここまで日本の農業を疲弊させたのは、農水省の農政が間違っていたからです。
高市政権の経済運営の成功は、農政にかかっています。鈴木農政が、高市経済のアキレス腱にならないことを願うばかりです。
(追加)
2025年12月9日、農林水産省がコメ政策について「需要に応じた生産」を法律に盛り込む方針を固めたと報じられました。
これが意味することは、実質的に減反政策への復帰を法律に明記することによって、石破政権でやろうとしたような「コメの増産はさせない」、政権が代わっても減反の原則を転換させないということです。
さらに、「需要に応じた生産」を推進して米価が暴落しないよう調整していくことになるので、現在の高いコメ価格が、この水準で固定化されるということを意味します。
(関連投稿)
以下のサイトで、さまざまな農業問題について扱っています。ご関心があれば参照下さい。
(参照)
コメ、増産路線を修正 価格は市場任せに回帰 鈴木農相が方針
(2025年10月24日、食品新聞)
「米価と洋服は同じ」鈴木農水大臣の発言を食料安全保障の専門家が痛烈批判…「米の備蓄は国防費と同じ」
(2025/11/07 『女性自身』編集部)
高市政権の「農政復古」
(2025年11月12日、国基研ろんだん)
コメ高騰問題 古市憲寿氏「噓というかぎまんというか、ずるい発言」鈴木農相の「価格はマーケットで」発言を一刀両断
(2025/11/09 サンスポ)
お花畑の農業論にモノ申す
(2025年10月31日 Wedge Online)
〈検証〉鈴木憲和新農水大臣のコメ政策“転換”、「需要に応じた生産」「おこめ券」は妥当なのか
(渡辺好明・新潟食料農業大学名誉学長)
「令和の米騒動」が収まらない。国産米が消える日
(2025.10.27、文芸新書)
「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ
(2025/11/30、日刊ゲンダイ)
やっぱり進次郎のほうがマシ…「コメの値下げは無理」と言い張る農水大臣に、高市首相が命じるべき「5つの策」
(2025/11/23 PRESIDENT Online)
進次郎農水大臣のほうがよっぽどマシ…高市政権に潜り込んだ「コメの値段を下げたくない農林族」の正体
(2025/10/25 PRESIDENT Online)












