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2019年07月03日

資源:水が危ない!

これまで、このHP「レムリア」では、安倍内閣が推進しようとしている「種子、森林の民間開放」を取り上げてきましたが、もう一つ、一歩間違えれば私たちの日常生活に大きな障害に成りかねない水の問題をまとめてみました。

 

水道法の改正に潜む危険

 

自治体が水道事業の運営権を民間企業に売却するコンセッション方式を導入しやすくする内容を含んだ水道法改正案が、可決され成立したのは、2018年12月6日のことでした。

 

水道事業の多くは市町村が運営しています。その水道運営は原則として水道料金の収入と地方自治体が発行する企業債(地方債の一種)で賄われてきました。しかし、人口減少で料金収入が減り経営環境が悪化している地方自治体が増加しています。例えば、給水人口1万人未満の小規模事業者では、およそ半分が赤字(給水人口5千人以下の小規模事業者は全体の8割を占める)、また、全国でも3割の水道事業者が赤字になっていると言われています。この結果、減少している利用者に負担がのしかかり、水道料金はこの4年間ほど値上げが続いています。

 

加えて、事業者は施設の老朽化にも悩んでいます。実際、敷設された施設や水道管などの浄水設備の多くは、高度成長期の1960年代から70年代に建設されたもので、40年といわれる耐用年数を相次いで迎えており(その割合は約15%という試算も)、老朽施設の更新需要が毎年のように増えています。このように、資金不足、さらにはこれに対応できる人材不足で、更新も進まず、水道経営の基盤強化が喫緊の課題となっていました。

 

そこで、費用と人材が足りないという状況下、政府は「老朽化した水道事業を継続するためには、民間企業が参入できるようにしなければならない」、「民間のノウハウの活用で水道事業の立て直しを狙う」と主張して、今回の水道法の改正となったのでした。

 

 

「コンセッション方式」による水道の民間開放

 

今回の改正水道法の特徴は「コンセッション方式」を促進している点です。コンセッション方式とは、国や自治体が公共施設などの所有権をもったまま、運営権を民間企業に売却する方式のことです。水道事業に関しては、これまで水道事業を運営してきた自治体が浄水場などの施設を所有したまま、水道を家庭に供給する運営権を民間企業に譲渡するもので、売却されると、各家庭は水道料金を自治体にではなく、民間企業に支払うことになります。さらに、安倍政権は、このコンセッション方式の導入を促進させ、水道事業の民営化を容易にしようとしているのではないかと懸念する声もでています(民営化の場合は、浄水場などの施設の所有権も民間企業に手放す)。

 

しかし、水道料金の高騰や水質悪化など多くの問題をはらんでいると指摘されていました。特に懸念されるのが、水道料金価格差がさらに拡大することです。「プライムニュース・イブニング」での特集報道によれば、水道料金の全国平均はひと月3227円で、自治体ごとに料金差があり、全国で最も安いところは853円ですが、逆に最も高いのは6841円と、8倍の格差があるそうです。それが、民間企業の水道事業への参入により、現在8倍の格差が20倍程度になるという予測があると指摘する専門家もいるそうです。

 

こうした懸念があるにも拘わらず、安倍政権は、前述したように、「水道施設の老朽化や人口減少により経営困難となった水道事業の基盤を強化するためには、コンセッション方式の導入しかない」として、押し切りました。また、水道料金がさらに高騰していくのではないかとの懸念に対しても、「民間企業であれば、自治体とは異なり自由競争の原理が働くので、コスト削減できるので、水道料金の値上げにも抑止力が働く」と主張しています。

 

しかし、水道事業に自由競争は働きません。現在、自治体で行われている水道事業で、民間企業がその自治体の水道事業の運営権を買い取って競争が行われるとすると、近隣の自治体と競合することになりますが、住民は一番安いなどの理由から自分たちが選んだ自治体の水道を、メーターを切り替えることで自由に利用できるということはないと専門家は説明しています。住民にとって利用できる水道設備は1つだけで、複数の水道を使い分けることはできません。

 

そうすると、水道には競争原理が働かないどころか、水道事業は独占であることがわかります。独占事業となれば、赤字であろうと参入する企業は出てくるでしょう。それは、コスト削減と不採算部門のカット、そして価格引き上げによって利益を上げることができるからです。独占企業体が水道を提供するとなれば、料金は上げ放題となってしまいます。民間企業の論理で「高いのが嫌なら使わなくて結構」と言われて、「ならば使わない」というわけにはいきません。そもそも、赤字経営が続く自治体の水道事業を民間のノウハウを使って…と言っても、民間企業こそ、利益のでていない自治体には関心を示さないから、参入は一部の企業に限られると疑問視されます。

 

 

海外での事例

 

実際、海外で水道事業のコンセッションが行われてどうなったかを見てみましょう。水道の民営化の先駆けはフランスでした。パリでは1985年に水道民営化が実施され、民間のヴェオリア社とスエズ社とコンセッション契約で運営を委託しました。すると、民営化されたのち3か月に一度値上げが行われ、結局、パリでは25年間で水道料金が2倍以上に高騰(会社の利益は1985年から2008年で15~20%増)したそうです。結局、パリは、水道事業を2010年に再び公営化に戻しました。

 

その他の事例については、Webマガジン「ウェジー」は、次のような事例を紹介しています。

・フィリピンのマニラでは、1997年に米ベクテル社などが参入して水道を民営化した結果、水道料金が4~5倍になり、低所得者の水道利用は禁止される事態となった。

・1999年に水道を民営化したボリビアでは、参入した米ベクテル社が水道料金を一気に2倍にしたため、住民による大規模デモが起き、死傷者が出る惨事を招いた。

・米ジョージア州アトランタ市では、1999年に水道事業をユナイテッド・ウォーター社に委託すると、同社は雇用大幅カットし、水道料金を17%も上げてしまった。その結果、インフラ整備の質が下がり、蛇口からは茶色い水が出るようになった。

(パリのように水道事業のコンセッションに失敗し、再び公営化に戻した例は、2000年~2015年の間に世界で37カ国235都市に上るとされている。)

 

実は、日本でも、既にコンセッション契約をすでに実施していた自治体があって(コンセッション方式は改正前でも可能だった)、最近、諸外国と同じようなことが起きていたことをご存知でしょうか?岩手県岩手郡は、水道の供給を民間企業のイーテックジャパンに委託していましたが、同社は、経営悪化を理由に、住民に対して、水源ポンプにかかる費用負担を電気料金引き上げという形で求めたのでした。地元紙の当時の記事です。

 

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「新たな料金負担しなければ水停止」 雫石、業者通知で混乱引

(岩手日報、2018年12月9日)

雫石町長山岩手山の住宅やペンションなど35軒に水道を供給するイーテックジャパン(仙台市青葉区)が、住民に新たな料金負担をしなければ水を供給しないと通知し、地域が混乱している。同社は経営悪化を理由に、井戸水をくみ上げるポンプの電気料金負担を住民に求める。生活に不可欠な水の危機に住民は困惑。国会では自治体の民間委託を可能にする改正水道法が成立したが、民間業者の対応が波紋を広げる。

 

同社は8日、同町長山岩手山の現地管理事務所で説明会を開催。非公開で住民約20人が参加した。参加した住民によると、同社の担当者は▽経営悪化で東北電力に支払う水源ポンプの電気料金9、10月分を滞納中で住民に負担を求める▽支払わなければ17日に水道供給を停止▽今後も水道料に電気料を上乗せする―などを説明した。

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高度成長の遺産

 

日本の場合、さらに解決すべき問題があります。冒頭でも紹介したように、高度成長期に整備された日本の水道管は40年とされる耐用年数を超え、今も取り換え工事がされていないものが大部分だそうです。老朽化による漏水や破裂事故などが年間2万件以上も起きているという事実が、水道事業のコンセッション問題を深刻化させています。例えば、埼玉県の秩父地域では老朽化した水道管が約190km分もあり、これから20年で200億円かかると見られています。つまり、老朽水道管の交換には1kmあたり1億円かかるわけです。

 

こうした状態で、自治体の水道事業を民間企業に委ねたら、どういうことになるかというと、企業が老朽設備を交換して、その費用を価格にさらに転嫁するというが想定されます。または、徹底したコスト削減で事業を行う民間企業は、老朽化した設備でも限界まで使おうとするかもしれません(その場合、設備が突然、破損する大事故を引き起こしかねない)。

 

ただ、地震大国の日本では、水道管などを含めた公共施設の老朽化対策は焦眉の急を要します。昨年(2018年)6月18日、最大震度6弱を観測した大阪府北部地震の際には、各地で水道管が破裂し断水が発生しました。その原因は、老朽化し耐震化されていない水道管によるものだったと指摘されています。

 

この大阪の地震を受けて、政府は急ぎ、今回の水道法の改正を目指しました。地震発生と同じ6月(27日)に水道法改正が審議入りし、8時間の審議の後に7月5日には衆院本会議で可決されました。その後会期終了で継続審議となり、最終的に12月6日に可決成立しました。(12月12日に公布)。

 

水道「民営化」は、ショックドクトリンか?

 

こうした、危機的状況に付け入り、自らの利益を誘導するために改革を進めてしまうことを「ショックドクトリン」と言うそうです(カナダ人ジャーナリストのナオミ・クライン氏が2007年に著した自著の中で命名、その本のタイトルにもなっている)が、今回の水道を民間に委ねるコンセッション方式の導入は、法案審議のスピード感から、「ショックドクトリン」を利用したとの指摘が多くの専門家からなされています。水道法の改正に限らず、種子や森林の問題から、安全保障、移民、カジノなども、安倍政権が「改革」と称して行ってきた政策はある意味、「ショックドクトリン」と言えるかもしれません。

 

気になるのは、今回、水道だけでなく、種子、森林を含めた一連の政策が、竹中平蔵氏ら「未来投資会議」の市場主義者の後押しだけでなく、外国企業(外資)とその政府の要求が背景にあったのではないかということです。実際、麻生太郎財務大臣兼副総理は、2013年にアメリカのCSIS(戦略国際問題研究所)での講演で、「こういったもの(水道事業のこと)をすべて民営化します」と明言していたとされています。CSISとは、安倍政権の「改革」を提言し、実現させている機関と噂されるシンクタンクです。

 

水道、種子、森林など公営事業を民間企業に委ねる(コンセッション)といっても、それができるのは資金とノウハウをもった外資(外国企業)で、結局、外資に日本の市場を開くためだけになってしまうのではないかが懸念されます。ここで外資というのは、水メジャーと呼ばれる、上下水道事業を扱う国際的な巨大企業のことを指し、フランスの「スエズ・エンバイロメント」「ヴェオリア・ウォーター」と英国の「テムズ・ウォーター」の3社や、アメリカのベクテル社やGEなどの大企業をさします。内閣府の民営化の推進部署(内閣府民間資金等活用事業推進室)には、フランスの水道サービス大手ヴェオリア社日本法人からの出向職員の関係者が働いているという話しも聞かれています。

 

水の管理は、国と自治体で

水道だけでなく、森林、種子も、将来的な「民営化」のターゲットになったいるのは、私たち日本人の共有財産であり、特に水は命に直接係わるものです。その運営権を単に民間の手に委ねるのではなく、政府や地方自治体が責任をもって管理すべきです。地方自治体は、住民の利便性を優先するので、たとえ災害に見舞われても水道料金を法外に高くすることはありません。また、公営なので、採算性を度外視してでも品質の良い水を住民に届ける努力をします。しかし、利潤追求が目的の民間企業にはそうする義務はありません。

 

それでも、これまでのように自治体だけでは、水道事業の運営が厳しいというなら、外資を中心とする民間企業に委ねる前に、自治体間での水道事業の広域化を推進すべきです(実際、改正水道法にもその内容が書かれている)。例えば、秩父市では、2016年に4つの自治体と連合し、水道事業の広域化を行い老朽化した水道管の交換を進めているそうです。こうした広域行政(一つの事業、ここでは水道事業を複数の自治体で共同して運営していくこと)などによる地方自治体の創意工夫を促すべきだと思います。

 

地震大国の日本において、水道事業を「民営化」してしまった場合、緊急時に的確な対応はできるとは思われません。多くの自治体が老朽化した水道設備を抱えているからこそ、国民の命の水は、政府・自治体の責任で管理運営がなされるべきでしょう。改正水道法は、令和元年10月1日に施行されます。「公営」の時代を懐かしむ時代が来ないことを望みたいですね。

 

<参考>

水道法改正で何が起きようとしているのか 日本の水道水のありがたみを思い知らされる日

2019年1月2日、webマガジン、ウェジー(ライター地蔵重樹氏)

 

改正水道法が成立!“命の水”水道民営化でどうなる?安全性は?値上げは?

(プライムニュース イブニング 2018年12月6日放送分より)

水道法改正が「民営化」でないばかりかタチが悪い理由

(室伏政策研究室、政治・経済 DOL特別レポート、2018.12.25)

 

改正水道法が成立!“命の水”水道民営化でどうなる?安全性は?値上げは?

(プライムニュース イブニング 2018年12月6日放送分より)

改正水道法が成立 民間に事業売却も

(2018.12.6 13:44、産経新聞)

水道民営化の導入促す改正法が成立 野党「審議不十分」

( 2018年12月6日、朝日新聞)

2017年06月23日

ニュース:メタンハイドレード、自前開発放棄?

次世代エネ 自前開発転換 メタンハイドレート、米印と試験へ 
(2017/6/21 日本経済新聞 電子版)

 

経済産業省は次世代の国産エネルギー資源として期待されるメタンハイドレートの商業化に向けた戦略を見直す。新たな工程表に2018年にも米国、インドと共同で産出試験をする方針を明記。自前での開発方針を転換し、国際的な協業で多額の試験コストを抑制する。ただ商業化には10年以上かかる見通しで、23~27年ごろをめざしていた従来目標から後退する可能性を示す。

 

メタンハイドレートは分解すると天然ガスが得られる氷状の塊で、現在は愛知・三重県沖で地球深部探査船「ちきゅう」を使った産出試験を実施している。南海トラフの東側の地層の埋蔵量は1兆立方メートル超と、国内の天然ガス消費量の約10年分に相当するとされる。しかし海底からの生産には高度な技術が必要で、安定生産のめどはたっていない。愛知・三重沖の試験もトラブル続きだ。13年に実施した初回試験では海底の井戸に砂が流入し6日で中断。今年5月に2回目の試験に臨んだが同様のトラブルが再び発生し、一時中断を余儀なくされた。これまでに計200億円近くを投じたが、依然「夢の資源」の域を出ていない。

 

新工程表では生産に向けたノウハウを蓄積するため、新たな戦略を打ち出す。18年をめどに米アラスカ州で陸上の産出試験を開始。同年にもインドと同国東岸沖で共同の試験を行う方針を盛り込んだ。すでにインド政府から打診があり、両国で詳細を詰めている。日本が単独で行う試験は1日あたり数千万円かかるが、共同試験でコスト低減をはかる。

 

メタンハイドレートの位置づけは「液化天然ガス(LNG)の代替」をめざすと強調。30~50年代の日本着のLNG価格を1MMBTU(100万英熱量単位)当たり11~12ドルと仮定したうえで、「6~7ドルの生産原価」を目標にした。工程表では18年以降の4~6年は主にアラスカの陸上での試験に注力し、続く4~5年で再び難度の高い海底からの産出試験を本格化。その後の5年間で商業化にめどをつける段取りを描く。現在の試験の検証などで新たな課題が見つかった際には「聖域なく見直しを行う」とした。

 

メタンハイドレートや貴重な金属を有する「海底熱水鉱床」など新資源開発をめぐる環境は厳しい。天然ガス価格は「シェール革命」による生産急増などで当面は低い水準で推移するとの見方もある。今後も試験の失敗や計画見直しが続けば、新資源の不要論も広がりかねない。今後は他国との協業に加え、民間企業や大学の知見も広く取り入れるなど、官民あわせた技術革新の取り組みが重要になる。

 

2017年06月05日

ニュース:房総沖に大量のレアメタル

レアメタル鉱床、近海にも=房総沖の海底で発見-海洋機構など
(2017/06/05、時事ドットコム)

 

海洋研究開発機構と高知大などは5日、房総半島から約350キロ離れた海域の海底に、レアメタルを高濃度で含む「コバルトリッチクラスト」(CRC)が広がっているのを確認したと発表した。東京・南鳥島沖などでは既に見つかっていたが、調査や採取が比較的容易な近海で広範囲の分布が確認されたのは初めて。CRCは、海底にある山(海山)の周辺を覆うように成長する鉱物で、コバルトやニッケル、白金などを高濃度で含有し、海底資源として有望視されている。海洋機構の鈴木勝彦ユニットリーダーらは昨年、東京から約2000キロ離れた南鳥島沖の海底を無人探査機で調査。水深1000~5500メートルの広範囲にCRCが広がっているのを見つけた。

 

このため、北西太平洋の海山付近ではCRCが広く分布していると予測。より古いプレート上にある日本近海を調べ、房総半島沖で広範囲の分布を確認した。採取した中には、最大で13センチの厚さまで成長したものもあった。鈴木さんは「近海では陸地から流入する堆積物でCRCが成長しないと言われていたが、それを覆す発見だ。さらに近海の海山を調べる必要がある」と話している。

2017年03月16日

ニュース:期待されるメタンハイドレードの商業化

急がれる国産エネルギーの確保、エネルギー自給率の向上を喫緊の課題!政府が支援すべきは、トランプ政権ではなくて、国内のこうした分野であろう!

 

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メタンハイドレートで50社連携 千代田化工など、開発へ組織
(2017/3/16 日本経済新聞 電子版)

 

次世代の国産エネルギー資源として期待されるメタンハイドレートの商業化に向けて約50社が連携する。千代田化工建設や日揮などが参加する専門組織を4月に立ち上げ、海底掘削などの技術開発を急ぐ。政府も協力し、2023年以降の商業化を目指す。原子力や液化天然ガス(LNG)に代わる新エネルギーの商業化で世界的な主導権を握りたい考えだ。

 

メタンハイドレートは、分解すると天然ガスの成分のメタンガスが得られる氷上の塊で、「燃える氷」とも呼ばれる。海底の地層にあるとされるが、商業化には抽出や輸送などのコスト面の課題がある。新しい組織では掘削や輸送に必要な技術や、コスト抑制策といった情報を参加企業間で共有。必要な技術を持ち合う企業同士の連携に結びつける。専門組織の新設は政府の総合海洋政策本部の有識者会議が近くまとめる提言に盛り込み、安倍晋三首相にも提案する見通し。月内にも国内の関心企業に参加を呼びかけ、4月に第1回会合を開く予定だ。

 

化石燃料を中東などからの輸入に頼る日本は、主要国の中で最もエネルギーの自給率が低い。国産のエネルギー確保という意味で、メタンハイドレートに期待する見方は根強い。日本が採掘や調査を自由にできる排他的経済水域(EEZ)内に、国内で消費するLNGの100年分に相当するメタンハイドレートが眠っているとの試算もある。これまでも石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が海底から取り出す試掘実験を手掛けるなど開発に取り組んでいるが、商業化にはコスト面など課題も多い。ここ数年で下落した原油価格など、ほかのエネルギーの動向次第で、商業化が難しい可能性もある。今回の組織新設を受け、技術開発面で世界をリードし、商業化に弾みをつける構えだ。

2016年08月31日

ニュース:南鳥島沖海底に大量レアメタル

日本は資源大国!

 

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南鳥島沖海底に大量レアメタル 海洋機構など発見
(2016/8/28 日経)

 

海洋研究開発機構は日本の排他的経済水域にあたる南鳥島沖の海底にレアメタル(希少金属)のマンガンやコバルトを含む岩石が大量にあるのを見つけた。推定では約4万4000平方キロメートルに広がっているとみられるが水深が5500~5800メートルと深く、商業利用は難しそうだ。

 

東京大学や千葉工業大学も研究に参加した。研究船から音波を海底に放ち、跳ね返ってきた強さから場所を特定した。有人潜水調査船「しんかい6500」で直径5~6センチメートルある一部の岩石を回収したところ、マンガンが約20%、コバルトが0.4~0.5%占めていたという。今は水深5000メートルを超える海底から岩石を大量に回収する技術は確立していない。

 

2016年06月03日

ニュース:日本は資源大国!?伊豆諸島海底から金

伊豆諸島海底から金 東大、熱水鉱床で確認
(2016/6/2、日経)

伊豆諸島・青ケ島(東京都)沖の海底熱水鉱床で高濃度の金を含む鉱石を発見したと、東京大のチームが2日、発表した。最高で1トン当たり275グラムの高濃度の金を含むものもあり、陸地や他の海域の金鉱石と比較しても高い値だったという。東大の浅田昭教授は「金の採掘を事業化するには同様の鉱床を多く見つける必要がある。この海域の調査を進め、今回のような場所をさらに見つけたい」としている。

 

チームは昨年6~9月、青ケ島の東方約12キロにある東青ケ島カルデラを調査し、海底から噴出する熱水に含まれる金属成分が沈殿した海底熱水鉱床を複数発見した。そのうち、カルデラ南部の水深750メートルの小さな丘のような場所で採取した鉱石を分析すると、金や銀を多く含んでいた。分析した15個の鉱石のうち、金の最高の濃度は1トン当たり275グラムで、平均値は同102グラムだった。

 

世界の主要金鉱山の金含有量は1トン当たり3~5グラムとされ、今回見つかった鉱床の金の割合は高い。