インド

<インドの地誌>

 

インドの地形は、ヒマラヤ山脈・ヒンドスタン平原・インド半島」の3地域から形成されている。ヒマラヤ山脈は、インド=オーストラリアプレートと、ユーラシアプレートの境界に形成された褶曲(しゅうきょく)山脈である。ヒンドスタン平原は、ガンジス川が形成した沖積平野で、河口には広大な三角州が発達している。インド半島は安定陸塊のデカン高原が広がっている。

 

ガンジス川は、ヒマラヤ山脈を源にもち、ヒンドスタン平原を東流してベンガル湾に注ぐ大河である。下流には広大な三角州が形成され、またこの川の流域はインド洋からの南西の季節風の影響で雨が降り、世界的な米やジュートの生産地域である。また、河口付近のコルカタ(カルカッタ)が位置する。

 

ガンジス川流域は、中流域のヒンドスタン平原では、高温湿潤な気候を利用し、米・小麦・サトウキビ・綿花、下流のガンジスデルタでは、米・ジュートなどの栽培が盛んである。

 

インドは過去に次々と新しい民族の侵入がなされた結果、多数の言語を持つ多民族国家となっている。世界第二位の人口を持つ。

 

インドは、かつては、干ばつや洪水による飢餓が頻発したが、緑の革命の普及などによって生産性が向上し、穀類は自給可能となった。この国を代表する植物は綿花・茶・ジュートである。綿花等の輸出が多い

 

 

<インドの近隣諸国の地誌>

 

パキスタンは、人口が1億人を超え、その大部分はイスラム教徒である。インダス文明発祥の地で、ハラッパー、モヘンジョ=ダロなどの都市遺跡を今日に伝えている。パンジャーブ地方は、英国領時代から灌漑用水路が整備された地域で、綿・稲などの栽培が普及した。

 

バングラデシュは、ベンガル湾、ガンジス川、ブラマプトラ川のデルタを中心とする沖積低地からなる国で、大半が低湿地のため熱帯低気圧サイクロンの襲来による暴風雨や高潮の影響を受けやすく、1991年には13万人の犠牲者を出している。人口密度は800人/km2を超える世界有数の過密国である。

 

スリランカは、住民の多数派のシンハラ族と少数派のタミル族を主とする複族国家である。シンハラ族は主に仏教を信仰し、タミル族は主にヒンズー教を信仰している。衣類や茶の輸出が多いほか、ルピー等の宝石を産出する国で、黒鉛の埋蔵量は世界屈指といわれる。

 

ネパールは、ヒンズー教徒が多い。耕地率は16%であるが、農民が就業人口の約9割を占める。大地主制度が残り、貧しい小作農が多く、生産性の低い自給農業がほとんどである。人口増加に伴う耕地化は、土壌浸食と下流域での洪水多発の問題を引き起こしている。