中国

 

中国史(概説)

 

<中国の地誌>

中国は国土の面積や緯度の点でアメリカ合衆国と比較されるが、国境を接する国は十数カ国に及ぶ。国土の西部は高山や高原、乾燥地帯が広がり、人口の大部分は平野や盆地の多い東部に集中している。世界的大河川が多く、華中や華南では無数の運河が掘られ水運が重要な交通手段となっている。華北平原には20~30mの厚さの風成土が堆積し、耕地が広がっている。

 

中国の人口は13億人を超える。

中国は人口が多いため「ひとりっ子政策」により人口抑制を図っていた。

 

中国の首都北京は、フィラデルフィアとほぼ同緯度の北緯40度に位置する。中国最大の商業都市上海は北緯31度。

 

中国では、チンリン山脈とホワイ川を結ぶ年降水量750mmの線を境に、北部の畑作地帯と、南部の稲作地帯に分かれ華北平原では、春小麦、トウモロコシ、コウリャンなどが栽培がされている。華中では、春小麦、米、茶の栽培が盛んである。ている。

 

中国は東アジア最大の産油国で、日本と東シナ海を挟んで天然ガスをめぐり対立している。

国境を接するベトナムとの間には南沙諸島をめぐる領土問題がある。

 

経済面では、経済特別区を指定し、社会主義体制下での開放政策を行っている。

 

黄河は、青海省を源にもち、内モンゴルや華北地方を流れ、渤海に注ぐ中国第2の長さをもつ大河である。流域には洪水とともに肥沃な土がもたらされ、冬小麦などの農業地帯が広がっている。また、洪水を防ぎ、発電や灌漑に利用するため、三門峽?ダムなどの建設や水土保持工事が行われた。

 

黄河は、青海省中部を水源とし、黄土高原から華北水源を流れ、渤海湾に注ぐ中国第2の河川である。流域には多量の泥や砂があるため、中・下流部にかけて河床が上昇し、特に下流部では天井川となっている地域もある。

 

中国では黄河の中流域に、1961年に完成したサンメンシャ(三門峽)ダム、上流域にリウチシヤ(劉家峽)ダムが建設され、治水水利事業が進展した。

 

長江(揚子江)地域には、中流域にはウーハン(武漢)などの都市があり、水上交通が発達している。この地域の土壌は肥沃であり、米の栽培が盛んだ。

 

 

中国は多民族国家で、人口の約92%を占める漢族の他に様々な少数民族が暮らしている。

 

モンゴル族は内モンゴル自治区を形成している。草原地帯に住み、牧畜を中心とした生活を営んでいる。家畜の乳からは、様々な乳製品がつくられる。ゲルと呼ばれるフェルトでつくられた円筒型のテントに居住し、仏教を信仰している。夏には、ナーダムと呼ばれる祭典が催される。

 

チベット族はチベット自治区を形成している。標高が高く、乾燥した地域に住んでいる。生業は農業と放牧が主であるが、標高が高いところでは、ヤクを飼育している。仏教を信仰し、サンスクリット文字を基にした表音文字を用いている。かつては、ヒマラヤ山脈を越えて交易に従事する者が多かった。

 

ウイグル族は新疆ウイグル自治区を形成している。トルコ系の民族で、アラビア文字を基にした表音文字を用い、イスラム教を信仰している。砂漠と草原が続く乾燥地帯に居住し、牧畜やオアシスにおいて灌漑農業に従事する者が多い。彼らの居住するオアシス都市は、かつてのシルクロードなど東西交易の中継地として栄えた。

 

チョワン族は、コワンシーチョワン族自治区を形成している。中国の少数民族の中で最も人口が多い民族である。社会・文化両面にわたり、漢化が激しい。宗教は祖霊信仰、祖先崇拝が中心であるが、道教や仏教も受け入れている。水稲稲作を基盤とした多彩な季節祭や農耕儀礼が特徴である。