エネルギー政策の提言
エネルギー自給率100%をめざす
メタンハイドレートでエネルギー自給国に!
再生エネ事業のやり直し
原発ゼロで廃炉技術の輸出
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◆ エネルギー自給率100%は夢か?
日本のエネルギー自給率は12.6%(2022年度)と、先進国でも最低水準である。石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料が83.5%を占めているなか、その大半を海外からの輸入に頼っているからである。その輸入先も中東地域にほぼ集中している。
ロシアによるウクライナ侵攻など、国際社会の高まる不確実性を考慮すれば、食料と同様に、日本は、安全保障の観点からも、輸入地域の分散と、エネルギー自給率の向上に努めなければならない。
輸入地域の偏重の問題に関しては、中東依存から脱却し、マラッカ海峡から南シナ海を通るシーレーン依存を逓減させ、アメリカ、インドネシア、ブルネイ、オーストラリアなどアジア・太平洋地域から輸入を増やす体制の確立を進める。
自給率は、長期的に、従来の火力発電の割合を減らし、太陽光、風力、地熱など自然エネルギー(再生可能エネルギー)の普及、メタンハイドレートや核融合発電などの開発によって100%を目ざしていくべきである。
◆ メタンハイドレードの潜在力
現在、日本のエネルギー自給率が1ケタであることを考えれば、100%というのは、笑い話に聞こえるかもしれないが、案外そうではない。それは、日本海から太平洋に日本列島を取り囲むように眠っているメタンハイドレードの存在である。
メタンハイドレートは「燃える氷」と呼ばれ、分解すると天然ガスの成分のメタンガスが得られる氷上の塊である。南海トラフ東部地域での調査だけでも、日本の天然ガス消費量の約10年分に相当する地層の埋蔵量が確認されている。
メタンハイドレードは化石燃料の一種であるが、従来の石油や石炭よりもCO2の排出は半分以下とされ、環境にやさしい。メタンハイドレード使った天然ガスで、日本はエネルギー自給率を大幅にアップすることができる。
また、海底には、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、マンガン団塊、レアアース泥といった多様な金属資源も存在している。
メタンハイドレートや海底金属資源の開発は、日本のエネルギー安全保障と産業基盤強化にとって極めて重要な取り組みとなる。
ただし、これまで、海底からの生産には高度な技術が必要で、安定生産、商業化のめどはたっていない。しかも、政府の開発計画は、なぜか、採掘が難しいとされる太平洋側に集中している。アメリカや中国に遠慮しているからだという噂もある。
ここは、採掘がより可能で、実際に発表されている以上に埋蔵されていると言われる日本海側での採掘・開発を、一大国家プロジェクトとして、大規模投資が行われるべきである。
さらに、メタンハイドレードの活用でエネルギーを事前で確保しつつ、その一方で、太陽光発電、日本の自然地形を利用した洋上風力発電、山間部の水力発電といった自然の力を利用した再生エネルギーの比率を徐々に高めていくことが望まれる。
◆ 再エネ事業はリセット
現在、政府が行っている再エネ事業は、利権がからみ、中国を利する結果となり、日本国民に何の恩恵も与えていない。巨大ソーラーパネルの建設で、景観が損なわれているだけと言っても過言ではない。
自然エネルギーによって、日本のエネルギー自給率を高め、日本経済と社会の基盤強化を図るという高尚な推進計画も、利権によって台無しとなってしまった。現在の再エネ事業はいったん中止して、再構築しなければならない。
最良の地球温暖化対策は、化石燃料から自然エネルギーへの切り替えである。もとの石油依存に戻るのではなく、メタンハイドレードを使った天然ガスを柱らに、再生エネルギーを活用して、エネルギー自給率100%をめざして、日本経済を再生させよう!
◆ それでも原発ゼロの社会を!
政府は、原発を「重要なベースロード電源」の一つと位置づけ、原子力規制委員会の審査に合格した原発については再稼働を進める方針を現在も堅持している。野党も、原発ゼロを主張しなくなり、首長選挙などでは、原発廃止を主張する候補者はことごとく敗れていく状態です。
それでも、原発ゼロの社会を訴えたい。そもそも、これだけ地震の多い日本で、原子力発電所を稼働させること自体が自殺行為であり、海洋汚染のリスク、また放射性廃棄物の処理の問題を考慮しても、次世代のために原発ゼロ政策は必要である。
日本では、東日本大震災後、「原発ゼロ」の期待が高まったが、民主党政権で失敗し、自民・安倍政権によってかき消された。何より、アメリカが日本の原発ゼロを許さない。よって官僚も動かない。また、電力系労働組合が反発するので立憲民主党も国民民主党にも期待できそうにない。
しかし、原発ゼロは政治の意思でいつでも可能になる。ドイツ、台湾、ベトナムを見ればわかる。
原発ゼロが実現した日本が、全ての原子炉を廃炉する技術を、世界に「輸出」する…。この地上から、核兵器と同じく、原子力発電所が消える時代がきて欲しい。
参考投稿:日本が原発大国になったワケ
他の政策提言については、こちら☞
(投稿日:2016.4.16、最終更新日:2025.9.13)

