「食品添加物大国」日本の実態

 

『日本の農業  その現実と未来』をテーマに、「農政」「食料安保」「食の安全」の3つの観点から、日本の農業について解説しています(シリーズの他の投稿記事については、末尾の「関連投稿」欄を参照下さい)、

 

「食の安全」に関して、前回の農薬に続き、今回は食品添加物です。美食大国として知られている日本ですが、「世界一の食品添加物の使用国」、「日本は食品添加物大国」などと評されています。私たちの体が、食品添加物によっても、汚され、蝕まれている実態についてまとめました。

 

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<食品添加物とその利点>

 

食品添加物とは、食品の製造過程(加工の段階)で使用される、食品の食感や風味、色、保存性を高める、また外眼をよくするために使用される物質で、食品の容器包装に記載されている、保存料、着色料、甘味料、酸化防止剤などが代表的な添加物です。

 

保存料

保存料は、カビや菌の繁殖を抑えて(腐敗を防ぎ)、長期保存を可能にし、食品の品質を維持、食品を長持ちさせます。これによって、食中毒のリスクを低減できます。食品を大量に生産し、時間をかけても、より遠方へ商品を流通させることが求められる現代社会において、保存料は必須の添加物となっています。

 

甘味料

食品に甘みを付ける添加物で、 味を調え、食感を向上させます(独特の食感を持たせる )。甘味料には、天然・合成がありますが、簡単に味のバリエーションを広げることができ、砂糖より低カロリーなものが多くあります。

 

香料

香料は、食品に香りをつけるための添加物で、天然・合成があります。香料を使用することで、風味がよくなります。甘味料とともに、香りや味を調整し、食品のおいしさを維持・向上させることができます。

 

着色料

着色料は、文字通り、食品に色付けする添加物です。発色をよくして食品の見た目を華(鮮)やかにしたり、色落ちを防止したりすることで、食欲を増進させ、食品のおいしさを演出します。

 

酸化防止剤

酸化防止剤は、自らが酸化することで、ほかの食品そのものの酸化を防ぎ、品質を保つための添加物です。

 

食品は、酸素に触れると酸化してしまい、栄養価が落ち、品質が悪くなってしまいます。そこで、酸化防止剤は、油脂食品類の酸化による色や風味の劣化を防ぎ、果実加工品や漬物の変色を防止します。

 

また、食品は、過酸化物を口にすると消化器障害や食中毒を引き起こす可能性がありますが、酸化防止剤の利用によって、有害な過酸化物や発がん物質の生成を防ぐことができます。

 

食品添加物には、この他にも、調味料、乳化剤、膨張剤、発色剤、増粘剤、防かび剤、漂白剤、香料など多数あります。

 

調味料

調味料は、食品の味を調え、風味を向上させるために使われるもので、調味料の中には、しょうゆやみそのように食品として扱われるものと、食品添加物として扱われるものがあります。

 

食品添加物としての調味料は、昆布やかつお節から抽出されたうま味成分などで、うま味成分を化学的に合成・抽出したアミノ酸(グルタミン酸ナトリウム)、核酸(イノシン酸、グアニル酸)、有機酸(クエン酸、コハク酸など酸味や風味を付与する成分)、無機塩(塩化カリウムなど塩味を付与する成分)などが該当します。

 

乳化剤

乳化剤は、水と油のように本来混ざり合わない物質を混ぜ合わせ、安定な状態に保つために使われる添加物で、食品の品質を向上させます。

 

こうした特性はマーガリンやアイスクリームなどの加工に使われたり、ケーキなどには生地に空気を抱き込ませ、ふわっとした食感に仕上げたりするなど、幅広く使用されています。

 

膨張剤

膨張剤とは、文字通り、食品を膨らませ、食品に柔らかさをださせる目的で使われる添加物で、食品の形状をよくします。とくにイーストを使わない場合のケーキやパンの生地を短時間で膨らませたいときに重宝されるなど、お菓子作りには欠かせない存在です。

 

凝固剤

液体を固体に変えるために用いられる物質のことで、豆腐やこんにゃくなどの食品を固めたり、お菓子作りでゼリーやプリン、ムースなどを固めたりするときに使われるなど、食品の形を作ります。

 

発色剤

発色剤は、肉や肉の加工食品、魚卵など食品の色素と結合(原料の赤い色素を固定)して、加熱や酸化による変色(褐色化)や腐敗を防ぎ、食品を鮮やかな色に変化させる添加物です。また、微生物(細菌)の増殖を抑える機能や、原料の臭みを抑え、風味を出す効果があります。主にハムやソーセージ、いくら、すじこなどの加工食品に使われます。

 

着色料が、食品に色をつけて見た目をよくするために用いられるのに対し、発色剤は、食品の色素に作用し、本来の色を鮮やかに固定し、安定させるためのものです。

 

消泡剤

消泡剤とは、製造過程で、液体中に発生する泡を、効果的に除去(抑制したり、消したり)するために使用される添加剤のことで、製造の効率や生産性をあげることができるなど、安定した製品づくりに役立ちます。

 

味噌、醤油、豆腐、油脂加工などの発酵・加熱・撹拌(かくはん)工程で、泡が生じると品質にばらつきが出たり、包装効率が低下したりします。たとえば、豆腐が、なめらかで、つるんと仕上げるのは、消泡剤が使われているからで、泡があると食感のよいきれいな豆腐に仕上がらなく、日持ちも悪くなります。

 

また、炭酸飲料、ジュース、乳飲料などの製造・充填 (じゅうてん) 時に、泡が発生すれば、容器への正確な充填ができず、見た目の美しさを損なう場合があります。 特に充填時に泡立ちやすい炭酸飲料の製造では、消泡が重視されています。

 

消泡剤は、食品添加物の一種ですが、カテゴリーとしては加工助剤に含まれます。したがって、豆腐であれば、出来上がった際に、消泡剤の成分は一切残らないので、適量であれば消泡剤による害はないとされています。

 

pH調整剤

食品は、味・健康面ともに、弱酸性であることが好ましいとされています。食品には、それぞれ、変色や変質、腐敗などを抑え、品質をより良くするために適切なpHがあります。

 

pH(ピーエッチまたはペーハー)とは、水溶液中の水素イオンの濃度を表す数字で、1〜14まであり、pHが低いとは、水溶液が酸性であることを意味します。現在では、食品をこの適切なpHに保つために、pH調整剤という食品添加物が様々な食品に使用されています。食品のpHを調整することで、微生物の増殖を抑制し、食品の保存性を高めることができます。また、食品の色や風味を安定させる効果もあります

 

以前は、食品の品質をより良く保つために、合成保存料という食品添加物が広く使用されていましたが、合成保存料は健康に良くないとの認識が広がり、代わりに「pH調整剤」を使用するメーカーが増えています。

 

pH調整剤は、様々な食品に使用されていますが、特によく目にするものとしては、コンビニやスーパーのパンやおにぎりなどがあります。コンビニやスーパーのように、長時間食品を陳列しておく必要が場合には、食品の腐敗を防ぐ効果のあるpH調整剤は、重宝されています。また、冷凍食品や、弁当、ジャムなどにも大量のpH調整剤が使用されています。

 

このように、多種多様な食品添加物があります。「食品添加物」というと、負のイメージがともないますが、実際には食品を製造するうえで、必要に応じて、様々な添加物が使用され、現代の食生活には欠かせない役割を担っています。

 

また、食品メーカーは、添加物を使用することで、原材料費や製造コストを抑えることができます。特に、コンビニやスーパーなどで売っている惣菜などはその実例です。

 

総じて、食品の製造または加工時に役立つ食品添加物の作用と役割、そのメリットは、以下のようにまとめることができます。

・食品の品質を維持し、製造の効率や生産性を高める

・味、食感、見た目を向上させる

・食品を成形・加工しやくすくなる

・栄養成分の補てん、

 

こうした成分のおかげで、食品の安定した供給や保存が可能になっているのですが、当然、食品添加物は安全性の面で、大きな問題があります。

 

 

<添加物の種類と危険性

 

◆ 危険な食品添加物の事例

 

今、解説した保存料や着色料などの添加物のなかに使われている食品添加物として、安息香酸ナトリウム、BHA/BHT(酸化防止剤)、グルタミン酸ナトリウム(味の素)、ソルビン酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、赤色3号、青色1などがあげられます。

 

これらのほとんどすべてが石油精製物質であり、これを使用される理由は、経済的で、コストが低く、年間を通して品質などが安定していることです。

 

保存料

保存料では、ソルビン酸カリウムや安息香酸ナトリウムなどの合成保存料が知られていますが、保存料の種類によっては、アレルギーや過敏症、代謝異常、発がん性のリスクなどが指摘されています。

 

安息香酸ナトリウムは、食品の腐敗を防ぎ、カビや細菌が増殖するのを防ぐための保存料で、多くの食品に使われている添加物です。特に、栄養ドリンクや清涼飲料水に添加されることが多く、発ガン性や腸内環境への悪影響が懸念される最も危険な添加物として有名です。

安息香酸ナトリウム単体の使用も危険ですが、安息香酸ナトリウムと一緒に、ビタミンCなどの酸を摂取すると、猛毒のベンゼンが生成されることがあります。ベンゼンは、発がん性があり、白血病を引き起こすリスクがある物質です。

 

ソルビン酸カリウムは、安息香酸ナトリウム同様、細菌やカビの発生・増殖を抑える防腐剤として、よく使用されている食品添加物のひとつで、かまぼこなどの練り物や、ハム、ソーセージなど加工品、お漬け物、チーズ、ジャムから、コンビニやスーパーのお惣菜やお弁当まで、実に多くの食品に使用されています。ワインにも、びん内での酵母の繁殖を抑えるための保存料として利用されることもあります。

 

さらに、ソルビン酸カリウムも、亜硝酸など他の食品添加物との組み合わせにより、発がん性が指摘されています。

 

調味料

調味料としての食品添加物の代表としては、グルタミン酸ナトリウム(MSG)、いわゆる味の素があげられ、グルタミン酸の過剰摂取は神経変性疾患のリスクを増加させる可能性があると言われています。

 

甘味料

サッカリン、アスパルテーム、ネオテームなどの人工甘味料は、「カロリーゼロだからダイエットに良い」と謳われていますが、ホルモンに作用する、依存性がある、腸内細菌への影響、うつ病のリスク上昇、腎機能低下、糖尿病、脳卒中・心筋梗塞のリスク上昇など様々な悪影響があると言われています。清涼飲料水は、砂糖や人工甘味料が大量に含まれており、肥満や糖尿病のリスクを高めています。

 

香料

香料は喘息を誘発したり、 悪化させたりすることが知られています。

 

着色料

前述したように、着色料には、天然・合成があります。カルミン、ウコン、ビーツといった天然由来の着色料であるのに対して、合成着色料は、石油の精製過程で抽出された炭化水素と無機塩類を結合させることで、鮮やかな色が作り出されています。

 

天然由来の着色料で特に安全の問題はないとされていますが、赤色2号、赤色3号、緑色3号、青色1号、黄色4号などの合成着色料は、どれも発ガン性が高く、アレルギー反応を起こしやすい添加物です。

 

欧米ではほかにも、ADHD(注意欠陥・多動性障害)や糖尿病、がん、ゲノムの破壊、消化器系疾患などに関連しているという研究結果も出されています。

 

酸化防止剤

酸化防止剤としては、L-アスコルビン酸 (ビタミンC)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT/BHA)などが知られ、発がん性を持つことが指摘されています。

 

発色剤

発色剤といえば、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウムなどがあげられますが、なかでも、亜硝酸ナトリウムは、発色剤急性毒性が非常に強く、発ガン性物質のニトロソアミンを生成するとみられています。

 

ハムやソーセージなどの加工肉に使用され、発がん性だけでなく、うつ症状、記憶障害などの健康被害を引き起こす可能性があると指摘されるなど、最も危険な食品添加物のひとつです。

 

乳化剤

乳化剤の摂取が腸内環境に悪影響を及ぼす可能性や、炎症性腸疾患のリスクを高める可能性が示唆されています。

 

膨張剤

膨張剤は、大量摂取すると体内の塩分が増加し、血圧上昇やむくみの原因になる可能性があります。

 

凝固剤

特に腎臓に障害のある人は、高マグネシウム血症を引き起こすことが懸念されています。

 

消泡剤

消泡剤には、有機系消泡剤とシリコーン系消泡剤などがありますが、その中には発がん性が指摘されているものもあるので、過剰摂取や長期的な摂取は避けるべきとされています。

 

pH調整剤

pH調整剤には、腸内細菌が死んでしまうなど身体に害があると指摘されることもあります。

 

◆ 食品添加物のまみれた食品

 

こうした安全性に問題のある食品添加物がたくさん入った、以下のような食品を購入する際には注意が必要です。

 

加工肉

ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉は、化学調味料、ソルビン酸カリウム (保存料)、亜硝酸ナトリウム (発色剤)、増粘多糖類、リン酸塩Na、タール系着色料、pH調整剤など多数の添加物が含まれています。また、塩分や脂肪分も多く、高血圧や肥満の原因にもなり得ます。

 

スナック菓子

スナック菓子は、高カロリー、高脂肪、高塩分で、栄養価が低いものが多く、肥満や生活習慣病のリスクを高めます。また、添加物や着色料も多く含まれています。

 

パン

大手パンメーカーでは、やわらかくてフワフワしたパンを作るために、「臭素酸カリウム」を使用しています。この添加物は、遺伝毒性発がん物質とされ、中国も含めて、世界中で使用が禁止されていますが、日本では使用が認められています。しかも、生地の原材料ではなく小麦粉改良材として添加されるため表示されません。

 

こうした安全性への問題をかかえつつも、日本では、食品添加物は政府によって認められ、私たちは食事の中でふつうに取り入れています。

 

 

<食品添加物の歴史>

 

食品添加物は第二次大戦前から使用されていましたが、種類と使用量が増えるのは戦後になってからでした。当初、人々が貧しく食料が欠乏していた頃は、危険な化学物質が乱用され、食中毒で大勢の人が死亡する事故がたくさん発生しました。

 

そこで、政府は1948年に食品衛生法を制定し、食品添加物は61種類を最初に認可しました。認可された防腐剤や保存料、酸化防止剤、防カビ剤、殺菌剤、殺虫剤などを定められた基準量で用いることで、食品の腐敗や酸化を防ぎ、かつ品質を保つことができたことで、食中毒のリスクが低減されました。

 

しかし、やがて、食品添加物は、見た目をおいしそうに見せるために使われるなど商業目的に乱用されるようになってきました。例えば、たくあんは、オーラミン(黄色染料)で真っ黄色に、また緑茶やワカメは、マラカイトグリーン(青緑色染料)で染められました。これらの添加物は、食用には禁止されている紙・皮革・繊維用の有害色素で色づけたものでした。

 

さらに、「食と農の工業化」が進んだ、高度経済成長期から70年代にかけては、農薬、化学肥料、食品添加物などの化学物質が大量に投与された、国民にさまざまな健康被害をもたらしました。

 

こうした経緯を受け、食品の安全性と消費者の権利を重視することが求められるようになった現在では、食品添加物はさまざまな検査を通し、国が安全性を認めたものだけが使われていますが、「食品添加物は危険で自然、天然は安心・安全」という考え方が社会に広く認められています。

 

 

<日本の食品添加物の認定と区分>

 

◆ 食品添加物の認定

 

消費者庁は、食品添加物の安全性について食品安全委員会による評価を受け、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格や、使用の基準を定めたうえで、こうした食品添加物の使用を認めています。

 

(なお、食品添加物の管轄省庁は、2024年4月以降、厚生労働省から消費者庁に移管された。厚生労働省は、引き続き食品衛生に関する監視・取締業務を担当している。)

 

安全な摂取量は通常、動物実験などを踏まえて決められています。動物が一生、毎日食べても有害な影響がみられない最大摂取量(体重1キログラム当たり)を定め、その100分の1の量を人が食べ続けてもよい、安全な量(一日摂取許容量)としています。これを超えない範囲で使用基準などが決まっています。

 

◆ 食品添加物の区分

 

現在、安全性が考慮された上で、日本で認可されている食品添加物は、大きく分けて、指定添加物、既存添加物、天然香料、一般飲食物添加物の4種類に分類されます。

 

指定添加物(約400種類)

天然・合成を問わず、安全性が確認されている添加物で、食品衛生法第12条に基づき、厚生労働大臣が安全性について評価し、内閣総理大臣が使用してよいと定めています。

 

ソルビン酸(保存料)、キシリトール(甘味料)、グルタミン酸ナトリウム(あじの素)、赤色3号、カラメル色素、ビタミンE、エリソルビン酸ナトリウム、サッカリンカルシウム、リン酸塩などがあげられます。

 

既存添加物(約400種類)

長い使用歴があって、順次安全性が確認された添加物で、幅広く使用されている添加物で、指定添加物とは異なり、成分規格や使用基準が一部を除いて定められていないものが多くあるのが特徴です。既存添加物は、以前から天然添加物とも呼ばれていました。

 

クチナシ色素 (クチナシ果実から得られ、栗きんとん等の着色に使用)、柿タンニン (柿の渋から得られる清澄剤。酒の製造等に使用)などが例としてあげられます。

 

天然香料(約600種類)

自然の動植物から採れる、天然由来の香り成分(香料)のことで、バニラ香料、カニ香料(蒲鉾等の魚肉練製品に使用)などが該当します。

 

一般飲食物添加物(約100種類)

普段から食品として食べられていますが、添加物としての働きもあるもの(加工に応用されるもの)をさします。たとえば、りんごジュースがこれに該当します。りんごは、果物として食べますが、ジュースに味わいと香料を添えるために添加物としても使用されます。ほかに寒天も同様です。

 

 

<日本の食品添加物>

 

◆ 食品添加物の数

 

食品衛生法に基づき、厚生労働省が定める日本の食品添加物は、約1500種類が認可されています。そのうち、天然香料や一般飲食物添加物などを除くと、約831品目が指定添加物と既存添加物として使用されています(2022年10月時点)。

 

この約1500(831)種類の食品添加物の認可数は、アメリカの約7倍、ヨーロッパの約18倍に相当するとも、他国と比べて10倍以上も多いとも言われ、日本は世界的に食品添加物が多い国 として知られています。

 

実際、食品メーカーは、製造コストを抑えるために5種類、調理を簡単にするために5種類、日持ちさせるために10種類、見栄えをよくするために10種類、味付けに5種類というように、目的に応じて大量の添加物を使っています。

 

◆ 日本人の食品添加物摂取量

 

私たちは、どれくらいの食品添加物を摂取しているかと言えば、厚生労働省の調べでは、日本人は1日平均2~3キログラムの食品を食べているなか、普通に家庭で調理している場合、1日の添加物の摂取量は約10g、小さじ2杯くらいの食品添加物を知らないうちに食べていると試算されています(1年に4kg)。

 

一方、外食が多い人、ファーストフードや加工食品が主な食生活の人は、年間11kg前後の食品添加物を身体に入れているとみられています。ただし、この摂取量は健康への悪影響がないとされる「一日摂取許容量」(ADI)を下回っているとは言われています。

 

◆ 日本は世界一の食品添加物大国か?

 

ただし、本当に日本は食品添加物の使用が世界1位なのかというと、それは、正確なデータとは言い切れません。というのも、各国で添加物の定義、対象食品の範囲、使用可能な量や基準が異なっていることから、認可数を単純に比較することはできないからです。

 

例えば、日本では同じ添加物でも用途別に名前が違うケースがあったり、成分を細かく分類することで、登録数が多く見えたりする一方、アメリカやヨーロッパでは、包括的な分類で一括管理されることが多く、見かけ上の数は少なくなりがちです。

 

そのため、食の安全の面で、海外の規制が厳しく日本が緩いとは一概にはいえず、日本の食品が必ずしも危険というわけではありません。

 

しかし、ただ一つ言えるのは、アメリカやヨーロッパ諸国(欧米)が、使用を禁止(濃度や種類を規制)している添加物を、日本は現在も使用している(使用可能となっている)事例がいくつもあるということです。

 

たとえば、トランプ米政権は、2025年4月、アメリカで供給される食品に関して、承認済みの石油由来の合成着色料の使用を、2027年1月までに、段階的にすべての合成食品着色料を排除(廃止)するよう食品メーカーに求めました。

 

合成着色料が、発達障害の一つであるADHD(注意欠陥・多動性障害)や、がん、糖尿病、ゲノム(人間の血液細胞のDNA)の損傷、消化器系疾患(大腸炎)、子どものイライラや落ち着きのなさ、睡眠障害の原因などに関連しているという研究結果にもとづいたものです。

 

アメリカでは、人工着色料については以前から、赤色3号、赤色40号、青色2号、緑色3号、黄色5号、黄色6号はいずれも動物のがんや腫瘍との関係が指摘されてきました。

 

1980年代後半、科学者たちは、大量の赤色3号にさらされたオスの実験用ラット(ねずみ)から甲状腺の腫瘍が発生したことを発見、この研究に基づき、米食品医薬品局(FDA)は1990年に赤色3号を発がん性物質としました。

 

ただし、食用タール色素に分類される「赤色3号(化学名「エリスロシン」」の廃止は、サクランボ業界からのロビー活動(圧力活動)の影響で、実現が遅れていましたが、バイデン前政権は使用を禁じる措置を発表、今回はその期限を前倒した形です。

 

日本では、赤色3号は、指定添加物の1つで、お菓子や漬物、紅しょうが、かまぼこ、福神漬けなど様々な食品に使用されていますが、消費者庁は、赤色3号を問題ないと、食品添加物としての使用を認めています。

 

赤色3号だけでなく、同じ合成着色料である赤色2号、赤色40号、赤色102号、青色1号、青色2号、青色4号、青色5号が、アメリカではすでに禁止、または今度使えなくなる合成着色料が日本では認められています。

 

なお、欧州連合(EU)は、「合成食品着色料とADHDの関連を示す証拠は十分に信頼できるものだ」と結論付け、EUでは合成着色料を含む製品には、消費者に対してADHDの警告ラベルを表示する義務を課しています。

 

◆ 危うい日本の食の環境

 

日本の厚生労働省も、国際的な基準や審査の指針をしっかり参考にしながら安全基準を決定しています。ただし、今、安全とされている添加物も、有害性を裏付けるような新データが得られれば、明日には禁止の対象になる可能性もあります。

 

また、日本も含めて世界の国々の安全査定において、複数の食品添加物の摂取によるリスクや症例が解明されていない場合があるという問題を抱えています。添加物の組み合わせにより、更なる発がん物質を生み出すことも分かっています。

 

さらに、現在、安全とされる添加物でも、ほとんど、過度の窃取は健康に影響を与えるとの但し書きが付記されています。これは、その食品添加物を体に入れないことに越したことはないことを意味しています。

 

ですから、消費者は安い、簡単、便利といった要素を求めていますが、食品添加物で溢れかえっている中で、家計が許すなら、価格だけで選ぶのではなく、「次世代の子どもたちの為、家族の為に何を選ぶか」、という視点も重要になってきます。

 

遺伝子組み換えやゲノム編集の食品などと同様に、より多くの消費者が嫌がり、食品メーカーに添加物ノーを突きつければ、添加物入りの食品は減っていきます。消費者が「食の安全」を主導していかなければなりません。

 

さらに、食料自給率は40%を下回り、アメリカを中心に外国から流入してくる食料は、遺伝子組み換えにまみれています。たとえ国産であっても、食品添加物と農薬にどっぷり浸かっているとなると、私たち日本人は、何一つ安心・安全な食品を食べれない状況です。

 

食料自給率を高め、有機農法など安全な国産品を、地産地消で、広く流通させなければなりません。輸入しなければならない場合は、できるだけ、フードマイレージが少ない近隣諸国から買うようにすべきでしょう。

 

 

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(参照)

日本は食品添加物の使用が世界一!?世界の添加物事情を徹底調査

(無添加生活編集部、2024.01.14)

日本の食品添加物数が世界一というのは本当?海外との違い

(生活協同組合連合会アイチョイス)

トランプ政権、合成着色料を段階廃止へ

(2025年4月23日 AFP)

合成着色料とADHDやがんの関連は?…ケネディ米保健福祉長官、2027年までに禁止を発表

(May 1, 2025, ビジネス・インサイダー)

トランプ米政権、食品流通網から人工着色料排除の計画発表へ

(2025.04.22 、CNN)

山田太郎 参議院議員、予算委員会質疑

(2015.4.3)

Color +da カラーダ

(カラダ研究所HP)

内海聡医師(政治団体代表)のブログなど、インターネット情報

Wikipdiaなど

 

(投稿日:2025.8.28)

むらおの歴史情報サイト「レムリア」