オセアニアの地誌

 

オーストラリアは、中央部が平坦になった卓状地で、東部にはなだらかな山脈(グレートディバイディング山脈)が南北に連なり、中央部は大鑽(だいさん)井(せい)盆地、西部は乾燥した台地(グレートサンディ砂漠、グレートビクトリア砂漠)である。

西部台地はオーストラリア全国土の3分の2を占める広大な地域で、高度300~700mの台地が広がっている。これを卓状地といい、最も古い陸塊のひとつ。

 

オーストラリアの気候は、最も広く分布するのは、中央部から西部にかけて広大に分布する砂漠気候で、砂漠周辺にステップ気候、北部はサバナ気候、東部は温暖湿潤気候、南東部は西岸海洋性気候が分布する。また、地中海性気候は南部・南西部に広がっているだけである。ただし、この国では最も居住条件のよいところであるため、人口が集中し、農牧業が営まれ、多くの都市が発達している。

 

オーストラリアは、日本の約20倍の国土を有しており、人口の大多数が南部・南西部の地中海性気候に属する地域である?。首都のキャンベラ、シドニーは温暖湿潤気候、メルボルンは西岸海洋性気候、パースは地中海性気候。

 

オーストラリアは、鉄鉱石、ボーキサイト、石炭などの資源に恵まれており、特にボーキサイトの産出量は世界一である。

 

オーストラリアの農産物の多くは、輸出目的に生産される羊毛、肉類、小麦などであり、特に羊毛の生産量・輸出量ともに世界最大である。

 

オーストラリアは、各種作物の大生産国で、世界の食糧事情に大きな影響力を持つ。しかし、経営規模の拡大と機械化に伴う等高線耕作の無視、防風林の伐採、大量の化学肥料、農薬の投与によって、土壌の劣化と侵食を招いた。灌漑による地下水の枯渇や塩類の集積も深刻化している。

 

オーストラリアはアジア、太平洋地域との関係緊密化を重視した政策をとり、なかでも日本を重要な貿易相手国としており、1995年の輸出額で日本が第1位となっている。

 

オーストラリアは国土の約半分が乾燥地域であり、人口のほとんどは東部と南部の温帯地帯に集中し、首都キャンベラは南緯35度。リオ・デ・ジャネイロは南緯25度。

 

オーストラリアは、かつて白豪主義と称してアジア系移民を制限していたが、1979年にこの制限が廃止され、アジア諸国からの人口流入が増加している。

 

オーストラリアの農業は、南東部では大鑽(だいさん)井(せい)盆地が多く、被圧地下水を灌漑用として利用できることから、牧牛・牧羊や酪農が多く行われ、同じく南東部ではマーレーダーリング盆地で小麦・大麦が多く生産されています。

 

オーストラリアは鉱産資源の世界的な供給国であり、ピルバラ地区は西オーストラリア州に位置し、鉄鉱石の世界最大の産地として有名である。

 

ニュージーランドは、オーストラリア大陸の東に位置し、クック海峡をはさんで北島と南島からなる島国で、首都ウェリントンは北島に位置する。

 

ニュージーランドの農牧業は、オーストラリアと同じく牧羊、酪農、牧牛や小麦栽培が盛んである。

 

ニュージーランドでは、降水量の多い北島と南島の西部で牧牛・酪農地域、少ない南島の東部で牧羊地域が広がっている。

ニュージーランドは西岸海洋性気候で、偏西風の影響を受けるため湿潤な地域は北島と南島の西部で、牧牛・酪農が盛んである。南島東部の偏西風の風下は乾燥地域であるため、牧羊が盛ん。

 

ニュージーランドの南島は、標高3764mのクック山を中心にサザンアルプス山脈が広がり、また、氷河やフィヨルドも見られる。気候は西岸海洋性気候であるが、山脈が中央部を南北に走っているので、東岸と西岸で降水量が異なる。特に南島の西岸が2500mm以上の降水量が見られるのに対し、東岸は700mm以下の所が多い。