日本の地誌

日本列島

 

日本列島はユーラシアプレートや北米プレートが、太平洋プレートやフィリピン海プレートの東端の沈み込む変動帯に位置し、中生代末から新生代第三紀にかけて隆起したから環太平洋造山帯の一部である。(新期造山帯)

 

本州の中央部をフォッサマグナが縦断し、東北日本と西南日本に分かれる。フォッサマグナの西縁断層を糸魚川―静岡構造線といい、西南日本は、中央構造線によってさらに内帯と外帯に分かれる。

 

本州中部には、南北に縦断するプレート境界があり、糸魚川・静岡構造線とよばれ、その西側では特に隆起量が大きかったために、山脈を形成し、一方、東側は大陥没帯になっているが、新しい堆積物におおわれている。

諏訪湖付近では、糸魚川―静岡構造線と交わる中央構造線(メジアンライン)は、西南日本を外帯と内帯に分けている(諏訪湖から伊勢湾、吉野川の谷を経て九州に達する)。外帯の山地(紀伊山地、四国山地、九州山地)は比較的標高が高く、深いV字谷が刻まれているのに対し、内帯では丘陵や高原状の低い山地が多い。

 

わが国の火山は、溶岩の粘性が大きいため爆発的な噴火が多く、富士山や霧島山に見られるコニーデ(成層火山)、昭和新山や大山のベロニーデ(火山岩尖)、阿蘇山や箱根山のカルデラなど、さまざまな火山地形を形成している。

 

わが国の平地の面積は国土全体の約4分の1で、平野の多くは、大陸に見られるような侵食平野ではなく、扇状地、三角州などの河川によって作られた沖積平野である。

 

わが国の海岸線は、変化に富んでおり、海面の相対的な上昇によって生じたリアス式海岸や、波浪や沿岸流などの作用によって形成された海岸段丘が各地に分布する。

 

 

与那国島は最西端(沖縄県)、沖ノ鳥島は最南端(東京都)、南鳥島は最東端(東京都)である。日本の領土面積は約37.7万平方キロメートル、経緯度でその広がりを見ると、東西は東経120°~150°、南北は北緯20°~45°の範囲で南西諸島が南西に長く伸びている。最北端は択捉島で、これより国後、色丹、歯舞の4島は日本が歴史的に見ても固有の領土として主張してい北方領土で、現在のところ未解決で、日本の施政権は及ばない状況である。

 

 

日本の気候は、季節風(モンスーン)の影響を受けた温暖湿潤気候の地域が多いが、北海道と東北中央部山地は冷帯湿潤気候、南西諸島は温暖冬季少雨気候(亜熱帯気候)である。

 

日本列島は、大陸の一部が陥没や沈降によって海となり大陸から分離されてできた陸島である。

 

シュナイダーの火山体の分類によると、箱根の駒ケ岳は、粘性の大きい溶岩によるドーム状の山体溶岩円頂丘で鐘?状火山(トロイデ)である。

 

志賀高原や霧ヶ峰は、流動性に富む玄武岩などの溶岩が流出してできた楯状火山(アスピーデ)である。緩やかな傾斜の火山である。

 

九十九里浜平野は、離水海岸(隆起海岸)で、海底の遠浅の堆積面が隆起し陸化した地形の海岸平野で、海岸線は出入りが単調で天然の良港には恵まれない。

 

三陸海岸は、リアス式海岸で、土地の沈降または海面の上昇によって、山地の谷に海水が浸入して形成された鋸場状の海岸である。

 

漁業

日本周辺では、寒流としてのリマン海流と千島海流(親潮)、暖流としての対馬海流と日本海流(黒潮)との合流点である潮目が発達しており、寒流魚や暖流魚など多くの魚種が集まる傾向にある。

 

わが国周辺の海流

日本列島の太平洋岸を北上する暖流⇒黒潮

千島列島・北海道・東北日本の太平洋岸を南下する寒流⇒親潮

日本海を北上する暖流⇒対馬海流

 

200海里漁業専管水域設定による漁業形態が変化した。

かつては、遠洋漁業が日本の水産業の中心で、大型船によるトロール漁業などの大量捕獲がなされていたが、現在、遠洋漁業は後退し、水産資源保護と養殖の視点から海面養殖業が注目されている。

 

沖合漁業

10~20海里内の日帰り漁場で、中型漁船で操業することが多い。200海里問題以降急速に漁獲高を伸ばしており、現在、総漁獲高の約40%を占めている。

 

遠洋漁業

遠洋漁業は漁船の大型化や冷凍技術の進歩、船上加工技術の発達などでかつて漁獲高のトップを占めたが、200海里漁業専管水域設定で後退し、1973年以降急速に漁獲高を減少させている。現在は総漁獲高の約10%台の漁獲高である。

 

沿岸漁業

第二次世界大戦前は、総漁獲高の約80%を占めたが、乱獲、沿岸の埋め立て、水質汚濁などで減少したが、近年、沿岸漁業の重要性と環境意識の高まりなどで、やや回復傾向にある。

 

海面養殖業

近年徐々にその漁獲高を伸ばしており、海面養殖は「海の牧場」「水中農業」ともよばれ、代表的な海産物はのり、かき、はまち、えび、真珠などがあげられる。沿岸の一部に稚魚を成長させ漁獲する方法がある。