2017年11月20日

米、パレスチナ代表部の閉鎖警告

米、パレスチナ代表部の閉鎖警告=和平交渉再開へ圧力-国際刑事裁捜査支持に反発
(2017年11月18日、時事ドットコム)

 

米国務省当局者は17日、パレスチナに対し、ワシントンの総代表部(大使館に相当)の閉鎖を警告したことを明らかにした。国際刑事裁判所(ICC)によるイスラエル当局者の捜査や訴追を支持したことが理由。トランプ大統領が「究極のディール(取引)」と見なす中東和平交渉の再開に応じるようパレスチナ側に異例の強い圧力をかけた形だ。

 

米国内法には、パレスチナがICCによるイスラエル当局者の捜査を支持しただけでも、パレスチナの総代表部を閉鎖できる規定が存在する。かねて中東問題ではイスラエル寄りの姿勢を見せてきたトランプ政権は、パレスチナ自治政府のアッバス議長が9月の国連総会の一般討論演説で、ユダヤ人入植問題などに関してICCに捜査と訴追を呼び掛けたことを問題視したとみられる。ただ、今後90日以内に大統領が「パレスチナがイスラエル側と意味のある直接交渉を始めた」と判断すれば、パレスチナは総代表部を維持できるという。国務省当局者は「パレスチナとの外交関係を断つつもりはない」と指摘。和平交渉を後押しする姿勢に変わりはないと強調した。

 

オバマ前米政権が仲介した和平交渉は、入植問題をめぐる対立で2014年4月に暗礁に乗り上げた。トランプ政権では、トランプ氏の娘婿クシュナー大統領上級顧問を中心に和平交渉の再開に向けた努力を続けており、11日付の米紙ニューヨーク・タイムズは「トランプ政権のチームが和平案の草案作りを始めた」と報じていた。トランプ氏は、米政権の和平仲介の基本方針だった「パレスチナ国家」を認める「2国家共存」支持を明言せず、入植問題にも厳しい姿勢を取っていない。今回の警告でパレスチナ側がさらに反発を強める恐れもあり、和平交渉再開でトランプ政権が望むような進展があるかは不透明だ。