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2020年02月13日

伝統行事:節分の「豆まき」と「恵方巻」

2020年2月3日は、節分の日でした。節分は、2月の代表的な年中行事(毎年決まった日に行われる儀式や催しのこと)です。子どもの頃からそうであったように、節分と言えば、豆まきですが、最近では、節分と言えば「恵方巻」を食べるという風習も定着しています。今回は「節分」と「豆まき」、「恵方巻」についてまとめてみました。

 

  • 節分とは?

今年がそうであったように、節分は「2月3日」と覚えている方も多いかもしれませんが、実は節分は必ずしも2月3日とは限りません。節分は、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」と4つある季節の変わり目のうち、「立春」の前日にあたる日を指します。

 

「立春」「立夏」「立秋」「立冬」という分け方そのものも、古代中国で生まれた「二十四節気(にじゅうしせっき)」と呼ばれる暦を基にした区分でした。日本でも平安時代ごろから1年を24分割した「二十四節気」の暦が使われ、立春から春が始まり、立夏から夏が始まり、立秋から秋が始まり、立冬から冬が始まりますというようになったのでした。

 

節分とは、本来これらの「立春の前日」「立夏の前日」「立秋の前日」「立冬の前日」のことを意味し、もともとは年4回の行事でした。「節分」という漢字も、季「節」を「分」けると解されています。しかし、江戸時代の後期以降、立春の前日の「節分」だけが残り、他の3回の節分は行事として無くなってしまいました。

 

このように、立春の日も「二十四節気」に従って決められ、現在の暦では、だいたい毎年2月4日頃に該当するので、節分はその前日である2月3日頃になるのです。ちなみに2020年はうるう年となり、2021年の立春は2月3日、節分は2月2日となります。

 

 

  • 節分と豆まき

昔から春・夏・秋・冬の季節の変わり目には、邪気(鬼)が生じると考えられていたそうです。そこで、節分には、古い季節の邪気(厄)を払い、新しい季節に福を迎え入れるように、豆まきをする風習が生まれたとされています。当初は、豆ではなくお米を撒いたこともあったそうで、節分の豆まきや鬼退治(鬼やらい)が本格的に行われるようになったのは、室町時代の頃と言われています。

 

では、なぜ豆で鬼を追い払うのかと言えば、「豆」が、「魔滅(まめつ)」、「魔目(まめ)」に通じ、それぞれ魔物を滅する、鬼の目を打つという意味があるから、また、中国の医薬書に大豆は鬼毒に効果があると書かれていたという理由などがあげられています。共通することは、豆には鬼を追い払う力があると信じられてきたことにあるようです。

 

 

  • 豆まきの由来

節分の豆まきや鬼退治などの風習は、古代中国で行われていた追儺(ついな)や大儺(たいな)という祭りが由来となっています。古代中国では、追儺のことを「儺」(ぬお)と言っていたそうですが、これは、「邪神や疫病を追い払い福を招く祭り」として、中国において最も頻繁に行われた儀式だそうです。「追儺(儺)」が庶民のお祭りだとすると、「大儺(たいな)」は、朝廷や諸侯によるお祭りでした。

 

日本には、この中国の「大儺」が伝わって「追儺」として宮廷の年中行事になりました。この「追儺」は、飛鳥時代(6世紀末~8世紀初頭)にはすでに行われていたそうです。具体的には、宮廷内の貴族たちが、赤い長衣を着て、四つ目の面をつけ、右手に矛、左手に盾を持って、「方相氏(ほうそうし)」と呼ばれる厄払い役とその手下に扮しました。そして、宮廷内を叫び声をあげ、弓を放ったり、振り太鼓を振って、邪気(鬼)を追い払うという「儀式」だったそうです。様式もそのまま取り入れていたとされ、これが後世「豆をまいて鬼を追い払う」節分の儀式になったと言われます。

 

ただし、日本では、鬼を追い払う「方相氏」がやがて鬼そのものと化して、追い払われる側になってしまい現在の節分の形式になっていったという経緯があります。中国において「追儺」「大儺」は、清朝末期に廃れ、1949年の中華人民共和国成立後は「害ある迷信」と見なされ廃止されました。日本でも、宮廷の行事としての「追儺(ついな)」はやがて消失しましたが、江戸時代からは、庶民の間で、「追儺」の行事が、「節分」の行事という形で盛んになっていきました。

 

なお、豆まきに関して、日本の古神道の観点からは全く別の由来がありますが、これについては別の機会に紹介してみたいと思います。

 

 

  • 恵方巻

さて、節分と言えば、豆まきとすぐに連想できますが、節分の風物詩が恵方巻(えほうまき)を食べる習慣です。恵方巻は、江戸時代から明治時代にかけての大阪の花街で、節分をお祝いしたり、商売繁盛を祈ったりしたのに始まったといわれ、現在では、節分の日に「恵方(えほう)」を向いて無言で、一気に食べると福が訪れると言われています(一気に食べるのは一気に福を頂くためだとか)。ただ、節分の2月3日に食べるのが定番化したのはごく最近のことだそうです。

 

恵方(えほう)とは、歳徳神(としとくじん)がおられる方向を指し、運のよい方角を意味しています。歳徳神はその年の福をつかさどる神さまで、正月の年神(としがみ)と同じ神さまです。この歳徳神がいらっしゃる方向が、縁起のいい恵方とされ、この方向に向かってする事はすべて吉となると言われているのです。実際、江戸時代末までは、初詣では氏神さまのいる神社や、恵方にある寺にお参り(恵方詣り)が行われていたそうです。

 

ただし、恵方は常に定まっているのではなく、その年の十干(じっかん)によって毎年変わります。「十干(じっかん)」とは、古代中国で年を表したり方角を表したりするのに使われていた十種類の記号(「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」)のことを言います。かつて、日本でも例えば丙午(ひのえうま)の年というように、十干を使って、その年を表現していました(正確には、ひのえ・うま(丙午)のひのえ(丙)の部分が該当)。その年の十干は、西暦を使った早わかりのルールがあります。西暦の一の位の数字によって以下のように恵方がわかります。

 

4、9の年⇒東北東
0、5の年⇒西南西
1、3、6、8の年⇒南南東
2、7の年⇒北北西

 

今年2020年は1の位が「0」なので、恵方は西南西に当たります。なお、2020年の十干は、庚(かのえ)だそうです。

 

恵方巻は、七福にちなんで7種の具材が巻かれています。中国でも、「7」という数字は、縁起物として扱われ、その七種の具材を海苔で巻くことで、福を巻き込むという願いも込められているそうです。

 

しいたけ
椎茸の形が陣笠に似ていることから、健康で元気であることを表す。

 

うなぎ
うなぎのぼりの出世や、長い姿から長寿を表す。

 

かんぴょう:
長い形から長寿を表す。

 

高野豆腐
大豆は厄除けとして使われ、四角い形から盾豆腐として災いを除ける盾となる。

 

伊達巻
学問や習い事など目指しているものが叶う。

 

桜でんぷ
桜色は願いが叶うことでもたらされる幸福な色。

 

きゅうり
9つの利(きゅうり)をもたらしてくれることを表す。

 

 

<参照>

節分の由来、本当の意味は?(HugKum はぐくむ)

節分の歴史と習慣・豆まきと追儺の由来

「恵方巻き」の意味と由来!恵方の決め方、2020は西南西!

Wikipediaなど