2017年11月24日

ニュース:日本、英国とミサイル共同開発

日本、英国とミサイル共同開発 防衛装備政策に転機、戦闘機用、18年度 技術移転の線引きで議論も
(2017/11/24 日本経済新聞)

 

日本、英国両政府は2018年度、戦闘機に搭載する新型の空対空ミサイル(AAM)の共同開発に乗りだす。これまでの共同研究から格上げするもので、航空自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機F35などへの搭載を見込む。同盟国、米国以外との攻撃型兵器の共同開発は初めて。準同盟国に位置付ける英国とのAAM開発は日本の防衛装備政策の大きな転換点になる。日英両政府は12月14日に英ロンドンで開く外務・防衛担当閣僚級協議(2プラス2)でAAM開発に向けた連携を確認し、共同文書に明記する。日英は実射試験を経て量産に至れば、ドイツやフランスへの輸出も検討する。14年に決めた防衛装備移転三原則に基づき審査する。

 

日本がこれまで装備品を共同開発したのは、新型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」などの実績がある米国だけ。英国との共同開発に踏み出すのは、米国一辺倒の構図からの脱却も意味する。フランスなどと進める共同研究が開発に発展すれば、日本の装備品協力の選択肢は広がる。日本は高い技術力を誇る装備品での協力を通じ準同盟国との安保連携を強化できる。準同盟国との協力は重層的な外交戦略に結びつく。日本の技術力向上にもつながる。日本国内への依存度が高い日本の防衛産業の受注は停滞気味。海外で稼げるようになれば経営には追い風だ。半面、技術を与えた見返りに準同盟国がどの程度技術を開示してくれるかが予想しにくいという課題は残る。

 

他国とどこまで装備品や技術の協力をするかという線引きの議論を巻き起こす公算も大きい。新三原則は重要案件を国家安全保障会議(NSC)が判断すると定める。政府の裁量の余地が大きく国会が歯止めの役割を果たすのは難しいからだ。日本が戦後、掲げた「武器輸出三原則」は装備品の移転を原則として禁じた。SM3ブロック2Aなどはあくまでも官房長官談話による例外だった。同原則に代わって14年に定めた防衛装備移転三原則は、条件を満たせば輸出や共同開発を認めた。AAMのような殺傷能力をもつ兵器でも、日本と安保協力する英国のような国ならば共同開発できるようにした。

 

新型AAMは英ミサイル大手、MBDAが開発した「ミーティア」に三菱電機の「シーカー」と呼ばれる高性能レーダーを組み込む。18年度からはMBDAの工場で実際に試作し、命中精度や飛距離などを調べる。23年度にも英国で実射試験し、日英が量産の可否を判断する。配備は20年代後半になる見通しだ。日英は12月の2プラス2で、自衛隊と英国軍との共同訓練拡大も申し合わせる。日本は安保協力に沿って英国をアジア太平洋に引き入れ、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮や海洋進出を急ぐ中国への抑止力にする狙いもある。欧州連合(EU)から離脱を決めた英国もアジア太平洋地域への関与の機会をうかがう。

 

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