2017年09月01日

ブログ&ニュース:メイ首相訪日、日英関係の強化を!

英のアジア関与強化「歓迎」 共同宣言、新空母派遣も視野 日英首脳会談
(2017年9月1日、朝日新聞)

 

安倍晋三首相は31日、来日中の英国のメイ首相と会談し、「安全保障協力に関する日英共同宣言」を発表した。英国の新空母派遣など、アジア太平洋地域への関与強化を歓迎することを盛り込んだ。両首脳は、日本上空を通過する弾道ミサイルを発射した北朝鮮を非難する共同声明も発表した。共同宣言では、「今後あり得る英国の空母の展開」について「アジア太平洋地域への英国の安全保障面での関与の強化を歓迎する」と明記。さらに日本が「共同演習のため自衛隊の人員、航空機、艦艇を英国へ派遣する機会の可能性を検討する」とした。

 

英海軍の史上最大級の新空母クイーン・エリザベスは、2020年に運用開始の予定だ。日本政府関係者は「英海軍は空母を中国が海洋進出を強める南シナ海に派遣し、日本や米国との共同演習などを通じて牽制(けんせい)する」と説明。米軍による「航行の自由作戦」に参加する可能性もあるという。英国としては、海軍力の象徴である空母を派遣することで、欧州連合(EU)離脱後の孤立化を避け、アジア地域への関与をアピールする狙いがあるとみられる。また、北朝鮮に関する共同声明では、北朝鮮のミサイル発射を受けて「最も強い表現で非難する」と強調した。

 

■メイ首相、経済連携強調

安倍首相とメイ首相による首脳会談は、日本上空を通過する弾道ミサイルを発射した北朝鮮を非難する声明を発表するなど、安全保障分野での連携を前面に打ち出した内容になった。一方で、欧州連合(EU)離脱で揺れる英国は、日英の経済関係強化を成果として強調した。安倍首相は会談後の共同記者発表で「地球規模の協力関係を新たな段階へと引き上げるため、大きな一歩を踏み出すことができた」と強調。メイ首相は「北朝鮮の挑発行為が未曽有の安全保障の脅威になっている。日本国民に英国の連帯感を表明したい」と語った。

 

日本側は今回、安全保障面での協力を首脳会談の柱に据えた。核・ミサイル開発を進める北朝鮮や海洋進出を強める中国の存在が念頭。メイ首相を海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」に乗艦させ、国家安全保障会議(NSC)にも招待。連携ぶりをアピールした。首脳会談でも北朝鮮への圧力強化に向けて「中国の行動が重要」との認識を共有。中国が進出を強める東シナ海や南シナ海の情勢についても、法の支配に基づく国際秩序の維持へ連携していくことを確認した。

 

一方、メイ首相にとっては、経済分野で日本との連携強化を演出するのが最大の狙いだった。EU離脱決定後の通貨ポンド安で輸入品が値上がりし、英国内では物価が急上昇。メイ首相は政治的に苦しい立場に立たされている。それだけに、メイ首相は今回の来日をテコに日本との貿易協定に向けて協議を進め、国内向けでの反転攻勢の手がかりにしたいところだった。だが、日本側は「日本の優先事項は日EU・EPA(経済連携協定)だ」(外務省幹部)。この日両首脳が発表した「日英共同ビジョン声明」に、英国側が求めていた日英の自由貿易協定(FTA)は盛り込まれなかった。ただメイ首相は「英国のEU離脱に伴い、日英間の新たな経済的パートナーシップの構築に速やかに取り組むことで、私と安倍首相は合意した」と強調した。

 

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今後の日本の安全保障戦略(戦略と呼べることがあればの話しだが)にとって、イギリスとの関係強化は極めて有意義だと思う。一国の安全保障を一国との同盟関係にだけ頼るのは得策ではない。仮に日本がロシアと中国との関係を強化しようとすれば、アメリカから潰されるだろう。しかし、これがイギリスとなればアメリカは表向きは文句を言えまい。かつての同盟を組んだこともあるイギリスとの協力関係の強化は、日本の外交安保政策の選択肢を拡げることができるだけでなく、戦後初めて、対米政策なる外交戦略を立てる端緒となるだろう。

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