2017年08月31日

ブログ&ニュース:日本に迎撃を望むアメリカ?

「日本が何もしなければ、北朝鮮のミサイル発射は続く」米専門家が指摘
(Business Insider Japan 2017/8/30)

 

北朝鮮が29日朝に発射実験を行ったミサイルは、日本の上空を通過した。これは日本にとって重大な脅威で、国際連合をもないがしろにするものだ。専門家は、日本政府が何もしなければ、北朝鮮は再び同様の行動に出るだろうと指摘する。

 

今回北朝鮮が発射した長距離ミサイルは、通常軌道で発射された。つまり、ミサイルは日本を飛び越えたのだ。北朝鮮がこれまで実施してきた大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験では、本来数千マイルを飛行するよう設計されたミサイルをほぼ真上に打ち上げ、わずか数百マイル先に落下させていた。ところが、北朝鮮は今や、弾頭をどう標的へ導くか、その技術を開発しようとしている。

 

「技術上、この試験を行う必要性があったということだ」国際戦略研究所(IISS)のミサイルの専門家、マイク・エレマン(Mike Elleman)氏はワシントン・ポストの取材にこう答えた。「彼らはより通常軌道に近い状態で、ミサイルの再突入のダイナミクスとそのパフォーマンスを確認したいのだろう」だとすれば、日本が確固たる対応を取らなければ、同様の発射実験は続くとみられる。エレマン氏はこう続けている。「ある意味、今回の発射実験は観測気球のようなものだ。日本の上空を通過させたら、何が起きるか? と。(日本から)大した反応がなければ、 北朝鮮はより心置きなく、火星14の通常軌道でのパフォーマンスを実証すべく、発射実験を行うことができる」

 

フィッシャー航空宇宙戦略研究所の宇宙研究センター長を務めるタル・インバー(Tal Inbar)氏は、北朝鮮のミサイル発射後、次のようにツイートしている。「現実に行動を起こさなければ、我々はすぐにまた同じ軌道を通るミサイルを見ることになるだろう」

 

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「日本が何もしなければ、北朝鮮のミサイル発射は続く」という指摘は、一専門家の意見というよりは、米政府の本音であると思う。アメリカは日本が北朝鮮から発射されるミサイルを迎撃して欲しいのである。

 

第二次世界大戦終結直前に、アメリカが日本に原爆を投下したのは、戦争を終わらせるためという大義名分の裏には、開発した新兵器を使いたかったからだという指摘は一面において正しい。原爆の威力や被害状況を知りたかったのだ。原爆投下が広島・長崎を訪れたアメリカ人の医療チームは、被害者の手当てをせずにデータを取り続けたというのは有名な話しだ。

 

同じように、開発してきたミサイル防衛システムが実際に機能するか知りたいのは当然であろう。朝鮮半島危機は格好の場である。自衛隊を米軍の末端組織に組む込みたい(いい表現をすれば日米同盟をより強固にしたい)アメリカからすれば、失敗しても自国には何の影響もない日本に「試してもらいたい」のだと思う。軍産複合体の絶大な影響下にありアメリカにおいて、「開発したからには使う」という論理は今も昔も変わらないだろう。

 

迎撃に失敗したらより性能の高いシステムを開発し日本に売り込み、迎撃に成功し、それがきっかけで北朝鮮が日本と戦争状態に入れば、日米同盟の名の下に米国は軍事介入するだろう。ただそれは世界の正義のためというよりは、既存の武器やシステムの「在庫処理」か別の「実験」という意味を持つことを知るべきである。

 

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