地理

地形

 

フィヨルド

氷期の海面の低い時期に浸食された谷が海面の上昇によって沈水してできたフィヨルドは、チリ南部に見られ、天然の良港となっている。

氷河によってできたU字谷に土地の沈降または海面の上昇によって、海水が侵入し形成されるフィヨルドは、複雑な海岸線を構成し、湾奥は波がおだやかで水深もあり、良港に恵まれる。沈降海岸に分類される。

 

リアス式海岸

リアス式海岸は、沈水海岸で、良港となる。スペイン北西部、若狭湾などでみられる。

 

フィヨルドとリアス式海岸の違いは、その成因によるもので、前者は氷期に氷河に覆われた地域で、U字谷に海水が浸入するため峽湾となり、後者は山地の谷に海水が浸入し、海岸線はのこぎり歯状になっている。

 

離水海岸は、土地の隆起または海面の低下により、陸地に続いた海底の一部が海面上に現れて陸化して形成された海岸の地形である。

 

 

山地から河川によって運ばれる大量の土砂により河口付近にできる三角州は、低湿で軟弱な地盤にもかかわらず、大都市が立地する場合が多い。

 

三角州は、交通に便利な位置にあるが、河川により運搬されてきた土壌の堆積により形成される(沖積平野な)ので、地盤は軟弱である。また、三角州が水面下に続く部分を干拓して水田にされている。

 

自然堤防は、河川氾濫時の土砂堆積によって川に沿って形成された微高地であり、古くからの道路や集落が見られる。微高地の背後にある低湿地は、モンスーン・アジアでは多湿を好む水稲の栽培地として利用されている。

 

 

扇状地を流れる河川は、特に扇央部ではふだんは水が砂礫(されき)中を伏流して水無川となることが多い。

扇状地は谷の出口の山麓に広がる扇形の緩やかな傾斜地である。扇頂、扇端は、水が得やすいため集落や水田が形成されている所が多く(扇頂には棚田)、扇央は乏水地のため(水はけのよさを利用して)桑畑や果樹園に利用されている。わが国では甲府盆地における扇央でのブドウや桃の栽培が有名である。

 

長い年月をかけて侵食が進行し平地化された侵食平野は、世界の大きな平野の大部分を占めている。侵食平野は、準平原や構造平野などがある。

 

平野の種類は大きく分けて侵食平野と堆積平野に分類される。日本は地殻変動が激しく侵食平野は存在せず、堆積平野である三角州や扇状地などが多い。

侵食平野は更に地中の岩盤付近まで侵食が進んだ準平原と、ある程度土壌の堆積が見られる構造平野に分けられる。

堆積平野は、上流における土砂の流出が下流において広く堆積され分布した平野である。そして、堆積平野は、さらに沖積平野と洪積台地、海岸平野の3種類に分かれる。

 

 

海岸地形は成因によって沈水海岸、離水海岸に大きく分類され、離水海岸は単調な海岸線を構成しているのが特徴である。

 

ケスタ地形は、構造平野の中の傾斜地に形成されることが多く、硬・軟両層がサンドイッチ状に重なっており、その軟層の部分が浸食され低地となり、硬層が丘陵として残っているのが特徴である。

 

カルスト地形は、石灰岩からなる台地が雨水によって溶けてできたものである。石灰岩が溶けた跡にはテラロッサという土壌が残っている。

 

 

地球上には、太陽から受ける熱の多い低緯度地方と、少ない高緯度地方で不均衡が生じているが、これは大気や海岸の大循環による熱の移動により解消されている。

赤道付近の赤道低圧帯は、空気の対流が活発で、そこで上昇した空気は、高緯度側の30度付近で降下し、中緯度高圧帯を形成する。中緯度高圧帯から赤道低圧帯に向かって吹く風を貿易風、高緯度低圧帯に向かって吹く風を偏西風と呼ぶ。

これらの風系のほかに、主に大陸の東岸部には、大陸と海洋の季節による気圧の差により風向きが変わるモンスーンがみられ、気温や降水量の季節的変化の大きな気候がつくられている。

 

 

褶曲とは地殻変動により、ほぼ水平に堆積していた地層が、強い圧力で曲がることを指します。褶曲は、固まった地層に左右からの力が加わって、地層が波を打ったように曲げられてしまったもののことです。褶曲には、山のように持ち上がったり(隆起 りゅうき)、谷のように凹んだり(沈降 ちんこう)するものがあり、日本の火山を除く山には、この褶曲作用によってできたものが多く、世界一高いヒマラヤ山脈も長い年月の間、地層が褶曲作用などを受けてできたものではないかと予測されています。

(http://www.jaea.go.jp/04/tono/kenkyusitu/web/strata/s0205.html)

 

 

 

 

日本列島

 

日本列島はユーラシアプレートや北米プレートが、太平洋プレートやフィリピン海プレートの東端の沈み込む変動帯に位置し、中生代末から新生代第三紀にかけて隆起したから環太平洋造山帯の一部である。(新期造山帯)

 

本州の中央部をフォッサマグナが縦断し、東北日本と西南日本に分かれる。フォッサマグナの西縁断層を糸魚川―静岡構造線といい、西南日本は、中央構造線によってさらに内帯と外帯に分かれる。

 

本州中部には、南北に縦断するプレート境界があり、糸魚川・静岡構造線とよばれ、その西側では特に隆起量が大きかったために、山脈を形成し、一方、東側は大陥没帯になっているが、新しい堆積物におおわれている。

諏訪湖付近では、糸魚川―静岡構造線と交わる中央構造線(メジアンライン)は、西南日本を外帯と内帯に分けている(諏訪湖から伊勢湾、吉野川の谷を経て九州に達する)。外帯の山地(紀伊山地、四国山地、九州山地)は比較的標高が高く、深いV字谷が刻まれているのに対し、内帯では丘陵や高原状の低い山地が多い。

 

わが国の火山は、溶岩の粘性が大きいため爆発的な噴火が多く、富士山や霧島山に見られるコニーデ(成層火山)、昭和新山や大山のベロニーデ(火山岩尖)、阿蘇山や箱根山のカルデラなど、さまざまな火山地形を形成している。

 

わが国の平地の面積は国土全体の約4分の1で、平野の多くは、大陸に見られるような侵食平野ではなく、扇状地、三角州などの河川によって作られた沖積平野である。

 

わが国の海岸線は、変化に富んでおり、海面の相対的な上昇によって生じたリアス式海岸や、波浪や沿岸流などの作用によって形成された海岸段丘が各地に分布する。

 

 

与那国島は最西端(沖縄県)、沖ノ鳥島は最南端(東京都)、南鳥島は最東端(東京都)である。日本の領土面積は約37.7万平方キロメートル、経緯度でその広がりを見ると、東西は東経120°~150°、南北は北緯20°~45°の範囲で南西諸島が南西に長く伸びている。最北端は択捉島で、これより国後、色丹、歯舞の4島は日本が歴史的に見ても固有の領土として主張してい北方領土で、現在のところ未解決で、日本の施政権は及ばない状況である。

 

 

日本の気候は、季節風(モンスーン)の影響を受けた温暖湿潤気候の地域が多いが、北海道と東北中央部山地は冷帯湿潤気候、南西諸島は温暖冬季少雨気候(亜熱帯気候)である。

 

日本列島は、大陸の一部が陥没や沈降によって海となり大陸から分離されてできた陸島である。

 

シュナイダーの火山体の分類によると、箱根の駒ケ岳は、粘性の大きい溶岩によるドーム状の山体溶岩円頂丘で鐘?状火山(トロイデ)である。

 

志賀高原や霧ヶ峰は、流動性に富む玄武岩などの溶岩が流出してできた楯状火山(アスピーデ)である。緩やかな傾斜の火山である。

 

九十九里浜平野は、離水海岸(隆起海岸)で、海底の遠浅の堆積面が隆起し陸化した地形の海岸平野で、海岸線は出入りが単調で天然の良港には恵まれない。

 

三陸海岸は、リアス式海岸で、土地の沈降または海面の上昇によって、山地の谷に海水が浸入して形成された鋸場状の海岸である。

 

 

 

 

世界の海流

 

ノルウェー海を北上する北大西洋海流は、その上を吹きわたる偏西風の作用とあいまって、西ヨーロッパに、緯度に比べて冬が温暖な海洋性気候地域を発達させており、北極圏にありながら不凍港も存在している。

 

帆船時代以降、海流は帆船の航行に利用され、有利な交通路の役目を果たしてきたが、コロンブスのアメリカ大陸発見のときは、往路は、アフリカ大陸西岸を流れるカナリア海流(寒流)、帰路は大西洋を北上する北大西洋海流(暖流)を利用したといわれている。

 

海流は、基本的には大気の大規模な循環系とよく似た環境系を作っているが、太平洋や大西洋には、赤道の両側に平行して流れる北・南赤道海流があり、北赤道海流は時計回り、南赤道海流は反時計回りに流れている。

 

暖流と寒流が接するところは潮目と呼ばれ、好漁場となっており、寒流のラブラドル海流と暖流のメキシコ湾流が作る潮目、寒流のカリフォルニア海流と暖流の北大西洋海流が作る潮目などはそれぞれ世界四大漁場の一つといわれている。

 

ペルー、チリの沖合には寒流のペルー海流が流れており、世界有数の好漁場となっているが、海水温が大幅に低下するエルニーニョ現象と呼ばれる海流異変が起こると、アンチョビー漁の不振など漁況に大きな影響を与えることになる。

 

 

ユーラシアの湖

アラル海は、中央アジアのカザフスタンとウズベキスタンにまたがる内陸湖で、かつてはその面積は世界第4位であった。最近では環境問題が深刻化しており、綿花栽培のための灌漑用取水によって流入量が減少し、水位が著しく低下し、表面積が縮小している。これにより、周辺地域の生態系に極めて深刻な影響がでており、豊富だったチョウザメやニシンが減って漁業も大きな打撃を受けている。

 

 

 

世界の植生および土壌

 

熱帯林は、世界の森林面積全体の半分を占め、樹種は多く。高湿多雨のために、育ちやすい(再生が容易)反面、搬出が困難な場合が多い。熱帯雨林では、樹高が平均40㎝に達する常緑樹の密林が生い茂り、樹床では厚い落葉樹が微生物によって活発に分解されている。

 

マングローブは熱帯、亜熱帯の海岸や河口に生育する植物群落であり、この林は海生動物の住みかとなるが、最近は薪炭用やパルプ原料用に伐採されたり、エビの養殖地とするために伐採されて減少している。

 

温帯林には、わが国でも見られるブナやナラなどに代表される常緑広葉樹林や、地中海沿岸のコルクガシや月桂樹などの耐寒性が強い樹種に代表される硬葉樹がある。温帯林の一部地域は、綿花栽培に適したレグール土や、コーヒー栽培に適したテラローシャが分布することから伐採が進んだ。

 

冷帯林は、落葉するカラマツや、常緑であるモミ、ツガなどの針葉樹から構成される森林である。タイガは単一の樹種により構成される森林地帯である。森林で樹が伐採されると、太陽の光が直接地面に当たるようになって永久凍土が溶け出し、土地が陥没することもある。

 

カラマツ:落葉針葉樹

モミ、ツガ:常緑針葉樹

タイガは、純林あるいは単相林と呼ばれ、シベリアやカナダで見られる。

 

アフリカの熱帯草原地帯はサバナと呼ばれ、ウクライナ地方によく見られるチェルノーゼム(黒色土)や、栗色土が分布し疎林と草原が広がる。また、アルゼンチンの乾燥パンパ地域や、北アメリカ大陸のグレート・プレーンズの地域にはステップ草原が広がる。ラトソルという農業に不適な土壌と降水量に恵まれているため、サバナよりも草丈の長い草原が広がる。

 

世界の森林面積のうち、約半分が熱帯林であり、残りは、温帯林と冷帯林である。温帯林は、古くから開発が進められ、植林も行なわれて人工林が広く分布している。また、熱帯林は、多くの樹種が得られることから、主要な木材供給地域となっている。冷帯林は単一の種類のいわゆる純林が多い。

 

熱帯は日射が強く降水量が多いため、植物がよく茂る。しかし、多量の降雨により土壌中の養分は流され、鉄分などが多く残るラトゾルと呼ばれる赤色土となり、肥沃度は低い。

ステップ気候区の比較的雨量の多い地域では草の密度が増し、乾季に枯れた草の腐食によって、ウクライナ周辺では、チェルノーゼムと呼ばれる肥沃な黒土が形成される。

亜寒帯(冷帯)には、寒さに強い単一または少数の樹種からなる針葉樹林が広がる。針葉樹の落ち葉は分解されにくく、酸を生成する。この酸が土を褐色にする鉄分をとかしてしまうため、ポトゾルと呼ばれる白っぽい土壌となる。

 

 

世界の河川

 

<アジア>

ガンジス川は、ヒマラヤ山脈を源にもち、ヒンドスタン平原を東流してベンガル湾に注ぐ大河である。下流には広大な三角州が形成され、またこの川の流域はインド洋からの南西の季節風の影響で雨が降り、世界的な米やジュートの生産地域である。また、河口付近のコルカタ(カルカッタ)が位置する。

 

ガンジス川流域は、中流域のヒンドスタン平原では、高温湿潤な気候を利用し、米・小麦・サトウキビ・綿花、下流のガンジスデルタでは、米・ジュートなどの栽培が盛んである。

 

 

黄河は、青海省を源にもち、内モンゴルや華北地方を流れ、渤海に注ぐ中国第2の長さをもつ大河である。流域には洪水とともに肥沃な土がもたらされ、冬小麦などの農業地帯が広がっている。また、洪水を防ぎ、発電や灌漑に利用するため、三門峽?ダムなどの建設や水土保持工事が行われた。

 

黄河は、青海省中部を水源とし、黄土高原から華北水源を流れ、渤海湾に注ぐ中国第2の河川である。流域には多量の泥や砂があるため、中・下流部にかけて河床が上昇し、特に下流部では天井川となっている地域もある。

 

中国では黄河の中流域に、1961年に完成したサンメンシャ(三門峽)ダム、上流域にリウチシヤ(劉家峽)ダムが建設され、治水水利事業が進展した。

 

長江(揚子江)地域には、中流域にはウーハン(武漢)などの都市があり、水上交通が発達している。この地域の土壌は肥沃であり、米の栽培が盛んだ。

 

 

メコン川は、中国南部チンハイ(青梅)省を上流とし、ラオスからタイ国境を流れ(ラオスとタイの国境を形成)、カンボジア・ベトナム南部を貫通して南シナ海に注ぐ国際河川である。ベトナムとカンボジアをまたがる地域では、早くから水稲栽培が盛んであった。また、ベトナムのメコンデルタでは浮稲栽培がみられる。

 

 

<アフリカ>

ナイル川は、アフリカ大陸の赤道付近を水源とする外来河川であり、北流して地中海に注ぎ、河口近くのアレクサンドリア付近には円弧上の三角州が形成されている。世界最長の河川である(6690km)。

 

エジプトでは、ナイル川に洪水調整と灌漑のためのアスワン・ダムと、アスワン・ハイ・ダムとが完成し、広大な耕地が開かれ、米作も普及したが、塩類が集積して地力が低下するなどの問題が発生している。

 

ナイル川の中流・下流は砂漠気候地帯であり、灌漑農業が行われ、主な生産物は小麦・綿花・なつめやしなどである。ダムの建設で灌漑の規模が拡大された。

 

ガーナでは、ポルタ川総合開発計画に基づいて、アコソンボ・ダムが建設され、灌漑と洪水の調整、水力発電がなされ、電力はアルミニウム工場で利用している。

ポルタ川総合開発計画により、カカオ中心のモノカルチャー経済を改め、自国のボーキサイトを使ってアルミニウム工業を興した。

 

 

<欧州>

ドナウ川は、ドイツのシュバルツバルトを水源とし、東流してポーランド、ハンガリー、ルーマニアなど東ヨーロッパ諸国を経て黒海に注ぐ国際河川である。流域は肥沃な土壌に恵まれ、小麦、とうもろこしなどの生産が盛んな農業地域となっている。

 

ライン川は、アルプスを源にもち、中部ヨーロッパ、東ヨーロッパを貫流して北海に注ぐ河川で、ヨーロッパ第2の長さをもつ。流域には、恵まれた炭田と水運の便により発展したルール工業地域がある。

 

 

旧ソ連のアラル海に流れ込むアムダリ川流域では、カラムーム運河計画に基づいて旧ソ連領中央アジアの綿花栽培のための過度の取水によって水量が激減し、アラル海自体消滅の危機が生じている。

 

ボルガ・ドン運河は、カスピ海に注ぐボルガ川と、黒海に流れ込むドン川を結ぶ運河。中世のキエフ公国の時代より、ロシアは内陸水系を利用することで、バルト海と黒海を結ぶ交易ルートを開拓、支配し栄えた。ボルガ・ドン運河もこうした水系交通網整備の一貫として建設された。

 

 

 

 

<北米>

セントローレンス川は、五大湖を源にもち、ほぼ東流して大西洋に注ぐ北アメリカ大陸の大河である。

ミシシッピ川は、メキシコ湾に注ぎ、河口付近にニューオーリンズの町がある。

 

コロラド川は、アメリカ合衆国西部のロッキー山脈を水源とし、コロラド高原を横断し、カリフォルニア湾に注いでいる。流域にはグランドキャニオンや世界恐慌後の経済活性化のために建設されたフーヴァーダムなどが存在する。

 

アメリカ合衆国では、ニューディール政策の一環としてテネシー渓谷開発公社が設立され、多数の多目的ダムを建設して、流域の工業・農業開発を進める総合的な地域開発事業が行われた。

 

 

<南米>

アマゾン川は、アンデス山脈を源にもつパラグアイ川、パラナ川、ウルグアイ川が合流して成り立ち、アマゾン低地を東流して、大西洋に注ぐ南アメリカ大陸の大河である。流域面積が世界一。

 

ラプラタ川は、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスが河口に位置している。

 

アマゾン川は、アンデス山脈を水源とし、南アメリカ北部を東流して大西洋に注ぐ、世界最大の流域面積を有する河川である。流域の大部分が熱帯気候に属しており、カンポやパンパと呼ばれる熱帯雨林が密生するが、近年、牧場の拡大やダムによる埋没等によって熱帯雨林の破壊が進んでいる。

 

アマゾン川は、南アメリカ大陸を東西に流れる。エクアドルにはアマゾン川の上流の一部が流れている。

 

オリノコ川は、中上流域ではコロンビアとの国境を北に流れ、ベネズエラを東西に貫通し大西洋に注いでいる。オリノコ川流域にはリャノと呼ばれる草原地帯が広がる。

 

 

世界の資源

 

希少金属(レアメタル)にはタングステン、コバルト、クロム等があり、先端技術産業に欠かせない素材として重要である。これらの金属の生産は一つ又は少数の国に集中する傾向が強く、例えば、タングステンは、2008年現在、世界における生産量の7割以上を中国が占めている。

 

石炭は製鉄用コークスの原料や火力発電の燃料として用いられている。石油に比べて埋蔵量が多く、古期造山帯の近辺に偏在している。日本では、現在では北海道の一部を残して、国内での石炭採掘はほぼ終了した。最近では、ほとんどをオーストラリアから輸入している。

 

 

 

世界の漁業

 

漁獲量を世界各地の水域別にみると、太平洋の北西海域が最も多く、カムチャッカ半島の沖から東シナ海にかけての北西大西洋である。

日本周辺では、寒流としてのリマン海流と千島海流(親潮)、暖流としての対馬海流と日本海流(黒潮)との合流点である潮目が発達しており、寒流魚や暖流魚など多くの魚種が集まる傾向にある。

 

わが国周辺の海流

日本列島の太平洋岸を北上する暖流⇒黒潮

千島列島・北海道・東北日本の太平洋岸を南下する寒流⇒親潮

日本海を北上する暖流⇒対馬海流

 

200海里漁業専管水域設定による漁業形態が変化した。

かつては、遠洋漁業が日本の水産業の中心で、大型船によるトロール漁業などの大量捕獲がなされていたが、現在、遠洋漁業は後退し、水産資源保護と養殖の視点から海面養殖業が注目されている。

 

沖合漁業

10~20海里内の日帰り漁場で、中型漁船で操業することが多い。200海里問題以降急速に漁獲高を伸ばしており、現在、総漁獲高の約40%を占めている。

 

遠洋漁業

遠洋漁業は漁船の大型化や冷凍技術の進歩、船上加工技術の発達などでかつて漁獲高のトップを占めたが、200海里漁業専管水域設定で後退し、1973年以降急速に漁獲高を減少させている。現在は総漁獲高の約10%台の漁獲高である。

 

沿岸漁業

第二次世界大戦前は、総漁獲高の約80%を占めたが、乱獲、沿岸の埋め立て、水質汚濁などで減少したが、近年、沿岸漁業の重要性と環境意識の高まりなどで、やや回復傾向にある。

 

海面養殖業

近年徐々にその漁獲高を伸ばしており、海面養殖は「海の牧場」「水中農業」ともよばれ、代表的な海産物はのり、かき、はまち、えび、真珠などがあげられる。沿岸の一部に稚魚を成長させ漁獲する方法がある。

 

 

 

 

 

世界の農業

 

コメは、熱帯から温帯にかけての地域が主要な産地となっている。コメは自給性の穀物であり、大生産国は、国内の自給に回る場合が多い傾向がある。輸出に関しては、タイや、近年ではインドネシアの割合が高い傾向がある。

 

 

世界の穀物生産

 

世界の穀物生産は、輸出力の大きい少数の農業国が実質的に支えている。小麦の生産が世界で最も多いのは中国で、第二位はインド、第三位のアメリカはとうもろこしの生産高第一位でもある。

 

 

世界の農業

 

オアシス農業は、乾燥地域で湧水などので水を利用して行う農業であり、ナツメヤシなどの樹木作物だけでなく、小麦などの穀物も栽培されている。

 

企業的穀物農業は、大型農業機械を使用して大規模に生産を行う農業であるが、土地生産性及び労働生産性も高く、南北アメリカやオーストラリア、ウクライナから西シベリアなどに特有の農業形態である。

 

混合農業は、穀物の栽培と家畜の飼育とを組み合わせた農業で、三圃式農業から発展した農業の形態であり、ヨーロッパでみられる。

 

地中海式農業は、地中海沿岸に特有の農業の形態であり、降水量が少ないが、小麦や大麦などの穀物も栽培され、乾燥に強いブドウなどの樹木作物が栽培されている。オリーブ、コルクがしなど。

 

プランテーション農業は、熱帯地域で茶などの作物を栽培する農業であり、農園の規模は大きく生産された作物の輸出も行われており、アフリカなど旧植民地の特有の農業の形態である。

 

 

小麦は、春小麦と冬小麦があり、しかも北半球と南半球で収穫が違うなど年間を通して世界のどこかで収穫されている。

 

小麦の原産地は西アジア、米の原産地はアジア南部といわれている。小麦は、欧米人の主食物であるが貿易量も多く世界中で消費されているが、米は主な生産地であるアジアで大部分が消費されている。

 

米は、生産国の大部分が消費国であるため商品作物としての栽培量が少なく、小麦と比べて国際商品としての性格が弱い。

小麦の貿易量は穀物全体の約40%を占める。

米は現在もアジアがその生産量のほとんどを占め、アメリカ合衆国は世界の約1.6%、オーストラリアは0.2%と少ない。

 

米は労働集約的栽培で生産しているのに対して、小麦は大型機械を利用した大規模経営がなされている地域が多い。世界の生産量ではやや小麦の方が多い。

 

 

世界の穀物生産は、輸出力の大きい少数の農業国が実質的に支えている。小麦の生産が世界で最も多いのは中国で、第2位はインド、第3位はアメリカはとうもろこしの生産高第1位である。

 

 

世界の鉱工業

 

鉄鋼、銅精錬、セメントなどの工業は、特に原料生産地に近い地域が立地に有利であるとされており、その代表例として、鉄鋼ではピッツバーグやメスなどがある。(原料立地型都市)。綿工業のアトランタ。

 

石油精製などの工業は、一般に多くの関連工業を持ち、コンビナートを形成する場合もあり、また原料を輸入している国にとっては、港湾部や河川・運河沿いや埋立地などに立地する。(臨海志向型)

 

製紙業が、特に工業用水を得やすい海や川の近くが立地に有利であるとされている。

 

化粧品、出版・印刷、衣服などの工業は、特に大都市など消費地に近い地域が立地に有利であるとされており、その代表例として出版・印刷では東京、ニューヨークなどが挙げられる。

 

機械の組立、繊維・縫製などの工業は、低賃金の労働力が豊富にあるところに立地する。(労働集約型工業)その代表として、機械・繊維のソウルなどが挙げられる。

 

造船、自動車などの機械工業は、労働力が豊富な地域に有利であるとされる。部品生産の関連・下請け工場も集まり、工業地域は大規模になり、総合工業形態をとる。その代表として自動車のデトロイトなどが挙げられる。

 

半導体などの先端産業は、製品が軽量であることを生かし飛行機を利用するため空港に近い地域に立地する(臨空指向型工業)。

 

 

 

地球の気候

 

気温の日較差:日最高気温と日最低気温の差

年較差:最暖月平均気温と最寒月平均気温の差。

 

気温は、低緯度地域では高緯度地域比べて高いが、年較差は低緯度地域より、高緯度の内陸地域が大きい。

これは、大陸が海に比べると、熱を伝えやすいことや、海流の影響がないことが原因である。

 

気温の日較差と年較差を比較すると、いずれも内陸地方で大きく、海岸地方では小さい。

日較差が大きいのは低緯度、高山、内陸部で、年較差が大きいのは、高緯度内陸部。

 

貿易風は中緯度高圧帯(亜熱帯高圧帯)から赤道低圧帯に、偏西風は中緯度高圧帯(亜熱帯高圧帯)から高緯度低圧帯に向かって吹く風で、いずれも1年中風向きは変わらない。

貿易風は北半球では北東風、南半球では南東風となる。

偏西風は北半球では南西風、南半球では北西風となる。

 

季節風(モンスーン)は、大陸と海洋の季節による気圧の差によって夏季と冬季で風向きが反対になる。

夏は、大陸上が高温で低圧部となり、海上の高圧帯から風が吹き、冬はその逆となる。

 

降水量は、赤道低圧帯が最も多く、次いで高緯度低圧帯がこれに次ぎ、中緯度高圧帯と極高圧帯は少ない。

 

 

ケッペンの気候区分

 

熱帯雨林気候区(Af)では、年中高温多雨が特徴で、気候の年較差は少ない。毎日午後にスコールがあり、植生は密林が形成されている。赤道付近の気候帯で代表的な都市は、シンガポール、ジャカルタ、キサンガニなどがある。

 

 

サバナ気候区は、インドや西インド諸島などにみられる。明確な乾季があるため密林は形成されず、疎林や熱帯草原(サバナ)が広がっており、綿花やさとうきび、コーヒーなどの近代的農園が開かれている。

 

サバナ気候は、インド北部、ブラジル高原など、モンスーンの影響の大きい大陸東岸に分布しており、雨季と乾季の区分が明確で、疎林と○木を交えた草原が広がり、ブラジルではカンポと呼ばれる。

 

サバナ気候は、夏は雨量が多く、冬は降水量が少ないが、年間では1000㎜以上の降水量がある。

 

熱帯サバナ気候区(Aw)では、夏はモンスーンや熱帯低気圧の影響で雨が多く、冬は乾燥する。この気候区に属する主要都市としてホンコンがある。香港は熱帯モンスーン気候に属する。

 

ステップ気候区(BS)では、砂漠の外側で弱い雨季があるので、丈の短い草が生育する。この気候区に属する主要都市としてニューデリーがある。

 

ステップ気候区は、砂漠の周辺に分布している。乾燥の度合いが激しいが、弱い雨季もある。土壌は比較的豊かで、栗色土や黒色土が広がる世界的な穀倉地帯もあるなど農業地域も形成され、羊やラクダなどの遊牧が行なわれている。

 

ステップ気候は、アジア内陸部、北アメリカの中西部などの乾燥地域に分布しており、モンスーンの影響で夏の雨期に降雨が集中し、肥沃な栗色土やチェルノーゼムの分布が多く、短草草原が広がる。

 

 

地中海性気候区は、地中海沿岸やオーストラリア南部などにみられる。夏は少雨で乾燥し、オリーブやオレンジなどの果樹栽培が盛んである。

 

地中海性気候は、地中海沿岸のローマ、アルジェのほかサンフランシスコなど緯度30~45度の大陸西岸に分布する。年降水量は比較的少なく、夏は高温で乾燥し、冬は温暖で降水量が多い。気候の特性からオリーブ、ブドウ、オレンジなどの果樹栽培が盛んである。

 

地中海性気候は、中緯度高圧帯に覆われ、夏は乾燥した晴天の日が続き、冬は雨が多く温暖となる。

 

地中海性気候(Cs)北アメリカ大陸西岸など中緯度に大陸西岸に分布しており、夏季は亜熱帯高圧帯に覆われて乾燥し、冬季は偏西風の影響を受けて降雨に恵まれ、オリーブ、月桂樹などの硬葉樹が多く見られる。

 

 

西岸海洋性気候区は、イギリス、アイルランドなど西ヨーロッパや中央ヨーロッパなどにみられる。一年を通じて気温、降水量の年較差が小さく、混合農業や酪農、園芸農業などの集約的農業が発達している。

偏西風と暖流の影響で、冬は緯度の割には温暖、夏は高緯度のため冷涼となり、降水量も恒常風である偏西風の影響で季節差は小さい。

 

西岸海洋性気候(Cfb)は、地中海沿岸から北アメリカ大陸北西岸など中・高緯度の大陸西岸に分布しており、偏西風や暖流の影響を受け降水量は年間を通じて安定し、ブナなどの落葉樹林が多く見られる。

一年中偏西風の影響を受けて、降水量の季節的変動が少なく、気温の年較差が小さい。

 

西岸海洋性気候区(Cfb)では、夏は涼しく、冬は偏西風や暖流の影響を受け緯度のわりに温暖であり、年間を通じて降水がみられる。この気候区に属する主要都市としてロンドンがある。

 

温暖湿潤気候は、夏30℃以上の高温になり、冬は比較的寒く、気温の年較差が大きい。

 

 

ツンドラ気候区は、北極海沿岸などにみられる。夏に氷雪が融けて湿地となり、地衣類やコケ類が生える。また、アザラシなどの狩猟が行なわれている。

 

冷帯湿潤気候(Df)は、スカンジナビア半島からヨーロッパ、ロシア、アメリカ大陸北部など、北半球にだけ分布しており、冬季の寒さは厳しいが、年間を通して降水があり、タイガと呼ばれる針葉樹林帯が見られる。

 

 

 

地誌

ヨーロッパ

 

イギリスのミッドランド地方やドイツのルール地方など、ヨーロッパでは石炭の産地に工業地帯が発達することが多かった。そして、ドイツではフランスのロレーヌ地方の鉄鉱石と結びついて、ライン川流域に工業地帯が起こった。

 

 

スペイン

国土の多くが温帯の地中海性気候に属しており、地中海沿岸の地域ではオリーブ、ぶどう、オレンジなどの栽培が盛んである。他方、国土の中央部はメセタと呼ばれる高原台地が広がっているが、比較的高温で乾燥しており、酪農や牧畜には不適切な地域である。代わりに多くの羊が飼われ、その代表的な種類がメリノ種であり、オーストラリアなどの地域にも輸出され世界で広く飼育されている。

 

 

フランスは、EU最大の農用地面積と農業生産額を有する農業国である。国土の多くが平地で肥沃な農地に恵まれていることから、小麦や大麦などの穀物栽培が盛んで、小麦の生産量はEU最大である。また、同国の食料自給率は100%を超えており、小麦や大麦などの穀物は国外にも輸出されている。

 

フランスの農業は、パリ盆地以北では小麦の大生産地となり、西部の半島部、南部地中海沿岸地域は果樹栽培(ブドウ)が中心となっている。

ぶどうは、シャンパーニュ・ブルゴーニュ(中央部)、ロヤール(西岸部)などで盛ん。

 

フランス

工業化はほかの先進国に比べて遅れ、繊維、食料品工業などの軽工業の時代が長く続いた。第二次世界大戦後、基幹産業が国有化され重工業化政策が進み、鉄鋼業を中心に、石油化学や機械、自動車、航空機、化粧品、服飾などの産業が発達してきた。最大の工業地域は首都パリとその周辺にある。

 

 

英国は、高緯度に位置しながらも、暖流の北大西洋海流の影響により、国土の多くは温帯に属し、伝統的に小麦、大麦、ライ麦など甲穀物の栽培が盛んである。一方、北部のスコットランドを中心に冷涼な気候も目立ち、このような地域では酪農によるミルクやチーズ、バターなどの乳製品の生産や牧畜も行なわれている。そのため、英国の食料自給率は70%~80%にとどまっている。

イギリスは、EU諸国の中では経営規模の大きい農家の比率が高く(ヨーロッパ最大)、全就業者に対する農業就業者の比率は約2.0%となっている。労働・土地生産性とも高く、食料自給率は112%である。

 

イギリスは世界に先駆けて近代工業を誕生させた。工業地帯は石炭などの鉱産資源のある内陸部に発展したが、資源不足から海外へ原料を求めるようになって、輸入に便利な臨海地域に工業生産の中心が移ってきた。こうした資源不足を補う目的で1975年から油田開発が始まった。

 

 

 

イタリアは、丘陵地や山岳地が多く、国土面積に占める平地の割合は低く、国土面積に占める農地の割合もそれほど高くない。また、一農家当たりの経営規模もドイツやイギリスよりも低く、農業経営に効率化が問題となっている。

イタリアの北部の平野では、混合農業が行なわれており、イタリアの穀倉といわれており、南部はブドウ・オリーブなどの栽培を行う典型的な地中海型農業である。

イタリアは鉱産資源に乏しく、近代工業も西ヨーロッパに遅れて発達した。最も重要な工業地帯は北部の「工業の三角地域」と呼ばれる地域であり、この地域を中心に、鉄鋼、自動車、機械工業が発達している。近年では航空機、電子機器などの先端技術産業も盛んである。

 

 

ドイツは、国土の約半分が農用地となっているが(農地率、約34%)、北部は、気候が冷涼なために小麦や大麦などの穀物栽培には適さず、てんさいやジャガイモを栽培する畑作が中心となっている。しかし、中南部は、特にライン川流域での農業生産は活発で、小麦などの生産が活発な穀倉地帯となっている。そのため、ドイツの食料需給率は約80%を超えたものとなっている。

北ドイツ平原に広がるハイデと呼ばれる荒地では酪農、中部では小麦やジャガイモなどの混合農業、ライン川沿いでは小麦のほかに果樹、野菜などが栽培されている。

 

ドイツは、ルール炭田の石炭とライン川の水運により、ルール工業地域を中心に近代工業が発達している。

産業革命以後、豊かな石炭資源とともに近代工業が発達していたが、第二次世界大戦後、一時工業は衰退した。しかし、その後重化学工業に重点を置き、大企業を中心とした高度の技術による工業化を進め、現在ではEU諸国最大の工業国となった。

 

 

スイスは、時計など精密工業、IC関連機器などの機械工業、薬品・化学工業など高付加価値産業が発達している。

 

スイス

国土は日本の九州より狭く、全土の大半が山岳地帯である。鉱産資源に恵まれないが、この山岳地帯の水を水力発電に利用し、時計やカメラなどの精密機械、化学製品、食料品、絹や綿製品などが生産されている。これらが輸出の大半を占めており、加工貿易が進んでいる。

 

 

ノルウェー王国は、北海油田の開発により石油や天然ガスを産出しており、世界でも有数の輸出国である。

 

スウェーデン王国は、安定陸塊に位置し、欧州における鉄鉱石の最大の産出国である。

 

オランダ王国は、干拓地ポルダーでの酪農、砂丘地帯での園芸農業が盛んで、チューリップ栽培が有名である。

 

デンマークは、酪農製品で有名で、共同組合組織で活動している。

デンマークは国土の約70%が農地である。酪農が中心で、農業教育や農業協同組合が普及し、牛乳や肉類は共同組合の手で加工され、その多くは輸出されている。

 

 

アメリカ

 

アメリカの地誌

工業は東北部を中心に発達したが、1970年代からサンベルトと呼ばれる南部でも新しい工業が発達し、北部の地位が相対的に低下した。

 

五大湖南岸地域は、スペリオル湖岸の鉄鉱石(メサビ鉄山)とアパラチア山麓で産出する石炭とが五大湖の水運で結ばれることによって、工業化が進んだ。

 

シカゴは五大湖最大の港であるだけでなく、運河によってミシシッピ水系の大農業地帯とも結ばれており、鉄鋼のほか、農業用機械、食料品も重要な産物である。

 

サンノゼを中心とする地域は、世界最大のエレクトロニクス産業地域として発展し、「シリコンバレー」と呼ばれている。

 

南部最大の都市ヒューストンは、石油工業の中心都市として発達したが、現在では宇宙産業が重要な地位を占めている。ヒューストン郊外にNASAの宇宙センターが置かれた。

 

アメリカでは同国最大の面積を持つアラスカで油田が開発され、太平洋岸へのパイプラインが完成している。

 

アメリカ合衆国では、プレーリーの北部に春小麦や冬小麦地帯、中部にはとうもろこし地帯、南部には綿花地帯が広がっている。

アメリカには中央部にプレーリーという長草草原地帯が南北に伸びており、この地域が世界的な農業地帯となっている。

 

 

 

中国

 

中国の地誌

中国は国土の面積や緯度の点でアメリカ合衆国と比較されるが、国境を接する国は十数カ国に及ぶ。国土の西部は高山や高原、乾燥地帯が広がり、人口の大部分は平野や盆地の多い東部に集中している。世界的大河川が多く、華中や華南では無数の運河が掘られ水運が重要な交通手段となっている。華北平原には20~30mの厚さの風成土が堆積し、耕地が広がっている。

 

中国の首都北京は、フィラデルフィアとほぼ同緯度に位置する。中国最大の商業都市上海は北緯31度。

 

中国では、近年の目覚ましい経済成長に伴って、食物の高級化による畜産物の需要が増大し、飼料穀物の消費が急増している。膨大な人口を抱えるため、作柄の多少の変動も市場に大きな影響を及ぼし、世界の穀物需給の不安定要因となっている。

 

中国では、チンリン山脈とホワイ川を結ぶ年降水量750mmの線を境に、北部の畑作地帯と、南部の稲作地帯に分かれている。

 

中国は東アジア最大の産油国で、日本と東シナ海を挟んで天然ガスをめぐり対立している。

国境を接するベトナムとの間には南沙諸島をめぐる領土問題がある。

 

一人っ子政策を採用しているが、現在の人口は13億人である。

 

中国は人口が多いため「ひとりっ子政策」により人口抑制を図っている。経済面では、経済特別区を指定し、社会主義体制下での開放政策を行っている。

 

長江中流域に長年の懸念であった三峡ダムが建設されることとなった。黄河では1961年に三面峡ダムが建設されている。

 

華北平原では、春小麦、トウモロコシ、コウリャンなどが栽培がされている。華中では、春小麦、米、茶の栽培が盛んである。

 

中国は多民族国家で、人口の約92%を占める漢族の他に様々な少数民族が暮らしている。

 

モンゴル族は内モンゴル自治区を形成している。草原地帯に住み、牧畜を中心とした生活を営んでいる。家畜の乳からは、様々な乳製品がつくられる。ゲルと呼ばれるフェルトでつくられた円筒型のテントに居住し、仏教を信仰している。夏には、ナーダムと呼ばれる祭典が催される。

 

チベット族はチベット自治区を形成している。標高が高く、乾燥した地域に住んでいる。生業は農業と放牧が主であるが、標高が高いところでは、ヤクを飼育している。仏教を信仰し、サンスクリット文字を基にした表音文字を用いている。かつては、ヒマラヤ山脈を越えて交易に従事する者が多かった。

 

ウイグル族は新疆ウイグル自治区を形成している。トルコ系の民族で、アラビア文字を基にした表音文字を用い、イスラム教を信仰している。砂漠と草原が続く乾燥地帯に居住し、牧畜やオアシスにおいて灌漑農業に従事する者が多い。彼らの居住するオアシス都市は、かつてのシルクロードなど東西交易の中継地として栄えた。

 

チョワン族は、コワンシーチョワン族自治区を形成している。中国の少数民族の中で最も人口が多い民族である。社会・文化両面にわたり、漢化が激しい。宗教は祖霊信仰、祖先崇拝が中心であるが、道教や仏教も受け入れている。水稲稲作を基盤とした多彩な季節祭や農耕儀礼が特徴である。

 

 

韓国は社会に儒教の影響が強く、教育水準も高い。アメリカや日本などの資本や技術を導入し、工業化に力を注いだ結果、近年重化学工業の企業が成長している。

 

 

 

東南アジア

 

東南アジアの熱帯林は急速に消滅してきている。日本は世界第一位の木材輸入国で、東南アジアではマレーシア、インドネシアなどが主な輸入国である。

 

東南アジア諸国の中で、NIES(新興工業経済地域群)に該当するのはシンガポールである。アジアでは、シンガポール、韓国、台湾、香港の4地域が該当する。

 

ASEAN(東南アジア諸国連合)の加盟国は、2015年11月現在、タイ、インドネシア、フィリピンなどの10カ国である。

 

タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、ミャンマー、ベトナム、ラオス、カンボジア

 

 

インドネシア

2億人の人口を抱えるこの国は、イスラム教徒が大半を占め、石油、ボーキサイト、すずが主要輸出品となっている。

 

フィリピンでは、大土地所有制(アシェンダ)が残存しており小作農が多く、農村の近代化が立ち遅れている。バナナ、砂糖、マニラ麻などの生産が盛んである。

 

フィリピンは、タガログ語のほか英語、スペイン語も通じ、キリスト教徒が大多数を占めている。稲作を中心とする農業国であるが、近年工業化も進められている。

 

マレーシアは多民族国家であるが、総人口の約半数がマレー人で、残り3分の1が中国人、あとインド人、その他となっている。

 

マレーシアでは、天然ゴムやパーム油の生産が盛んである。

 

シンガポールは、中国人が多数を占める多民族国家であるが、英語を公用語としている。かつての中継貿易港から新興工業地域として発展し、東南アジア金融市場の中心としての地位を確立している。

 

 

 

 

南アジア

 

インド

インドの地形は、ヒマラヤ山脈・ヒンドスタン平原・インド半島」の3地域から形成されている。ヒマラヤ山脈は、インド=オーストラリアプレートと、ユーラシアプレートの境界に形成された褶曲(しゅうきょく)山脈である。ヒンドスタン平原は、ガンジス川が形成した沖積平野で、河口には広大な三角州が発達している。インド半島は安定陸塊のデカン高原が広がっている。

 

 

バングラデシュは、ベンガル湾、ガンジス川、ブラマプトラ川のデルタを中心とする沖積低地からなる国で、大半が低湿地のため熱帯低気圧サイクロンの襲来による暴風雨や高潮の影響を受けやすく、1991年には13万人の犠牲者を出している。人口密度は800人/km2

を超える世界有数の過密国である。

 

ネパールは、ヒンズー教徒が多い。耕地率は16%であるが、農民が就業人口の約9割を占める。大地主制度が残り、貧しい小作農が多く、生産性の低い自給農業がほとんどである。人口増加に伴う耕地化は、土壌浸食と下流域での洪水多発の問題を引き起こしている。

 

パキスタンは、人口が1億人を超え、その大部分はイスラム教徒である。インダス文明発祥の地で、ハラッパー、モヘンジョ=ダロなどの都市遺跡を今日に伝えている。パンジャーブ地方は、英国領時代から灌漑用水路が整備された地域で、綿・稲などの栽培が普及した。

 

インドは、かつては、干ばつや洪水による飢餓が頻発したが、緑の革命の普及などによって生産性が向上し、穀類は自給可能となった。この国を代表する植物は綿花・茶・ジュートである。

 

インドは過去に次々と新しい民族の侵入がなされた結果、多数の言語を持つ多民族国家となっている。世界第二位の人口を持ち、綿花等の輸出が多い。

 

スリランカは、住民の多数派のシンハラ族と少数派のタミル族を主とする複族国家である。シンハラ族は主に仏教を信仰し、タミル族は主にヒンズー教を信仰している。衣類や茶の輸出が多いほか、ルピー等の宝石を産出する国で、黒鉛の埋蔵量は世界屈指といわれる。

 

 

 

 

西アジア

 

西アジアには、イスラム教を信仰する人が多く、断食や豚肉を食べないなどの伝統的な習慣が守られている。その教典であるコーランには、聖地メッカに向かって祈ることが戒律として記されている。現在も、サウジアラビアやイランのように、厳格な宗教上の規範を維持している国もある。

 

ユダヤ人国家の建設を目指すシオニズム運動を背景に、パレスチナに移住するユダヤ人が増加し、アラブ系民族との対立が深まった。ユダヤ人国家であるイスラエルの建国が宣言されると、周囲のアラブ人国家との間で中東戦争が起こった。その結果、パレスチナの大部分がイスラエルの支配下となり、大勢のパレスチナ難民が出た。

 

亜熱帯高圧帯に覆われることから、広い地域が乾燥気候に属する。アラビア半島にはナフード(ネフド)砂漠や、ルブアルハーリー砂漠などの広大な砂漠がある。砂漠地帯を貫流するチグリス川とユーフラテス川はトルコを水源とする。

 

ユーフラテス川は、トルコ北東部の山地を源流としてシリアを通過し、イラクでチグリス川と合流してシャッタルアラブ川となり、最終的にペルシア湾に注ぐ国際河川です。

 

ワジ(涸(か)れ川)

アラビア半島やアフリカ北部の降雨時にだけ水が流れる川。砂漠の中に突如として発生する河川で、代表的なところは、中央アジアのタクラマカン砂漠で一定の時期にだけに発生する涸(か)れ川がある。乾燥した季節には水がほとんど無くなるためワジと呼ばれる。

 

 

サウジアラビアや、アラブ首長国連邦など、ペルシャ湾を中心とする西アジアには、石油資源に恵まれた国が多い。この地域には、第二次世界大戦以前から、外国の国際石油資本(メジャー)が進出してきた。しかし、メジャーに対抗するべく資源ナショナリズムの台頭を受け、石油価格を自国で決定するようになった。?

 

西アジアの地域では、ラクダなどの乾燥に強い家畜を飼育する遊牧が行なわれてきた。ベドウィンは、この地域の代表的な遊牧民であるが、近年では遊牧をやめて定住する傾向にある。オアシスなどの水を利用できる地域では農業も行なわれている。近年では地下水を利用してカナートと呼ばれる灌漑水路が発達し、小麦栽培が盛んになっている。

 

 

サウジアラビアでは、油田は国土の東側に集中し、世界最大の石油の埋蔵量を誇る。タンカーでEU諸国やアメリカ合衆国、日本に送られる。

 

サウジアラビア

成文法を持たない専制君主国である。OPECに中心国で、原油の輸出量が世界第1位であるが、湾岸戦争時の出費と石油価格の低迷で財政難に直面している。一人当たりGNPは世界30位ぐらいである。

 

サウジアラビアにあるイスラム教徒の聖地メッカには、世界各地からイスラム教徒が巡礼に訪れる。

 

イランでは、原油はパイプラインを通って、ペルシャ湾に運ばれ、一部精製され、大部分が輸出されている。

 

イラン

1979年のイスラム革命により共和政に移行したOPEC内2位の産油国であるが、8年にわたる隣国との戦争や欧米諸国の経済制裁で、経済状況は悪化している。国民の大部分がイスラム教徒だが、アーリア系の非アラブ民族である。ペルシャ人。

 

 

イラク

国土の中央に2本の大河と肥沃な平野を持つ。豊富な石油収入によって国内開発を進めてきたが、湾岸戦争とそれに伴う経済制裁によって経済は混乱している。シュメール、アッカド、バビロンの古代メソポタミア文明が栄えた。

 

 

クウェート

ペルシャ湾奥の砂漠に位置する立憲国家である。1990年隣国の侵攻を受けて全土を制圧され、多国籍軍の展開によって湾岸戦争に発展した。食料輸入国である。

 

 

シリア

西部は温暖な気候だが、内陸部は砂漠である。イスラエルとの国境付近は4度の中東戦争のたびに戦場となり、現在も国土の一部がイスラエルの占領下にある。

 

 

アフリカ

 

赤道はアフリカでは、ケニア、コンゴ、ガボン付近を横断している。

 

ガーナは、ブラック・アフリカで史上最初の独立を達成した国である。

 

アルジェリアは、1950年代以前にフランスから独立した国で、アルジェが首都であり、主に石油を輸出し、OPECに加盟している。

 

ナイジェリアは、アフリカ最大の人口を有し、ブラック=アフリカでは最大の産油国である。

 

エチオピアは、1950年代以前に独立した国で、南部のカッファ地方はコーヒーの産地であり、青ナイル川の水源の湖がある。

 

ケニアは、首都ナイロビが高地に立地し、南部のサバナには野生動物の保護地域がある。

 

タンザニアは、アフリカ大陸最高峰のキリマンジェロがある。

 

南アフリカは、アフリカ最大の工業国(アフリカ唯一の先進国)で、首都はプレトリアであり、2002年の環境・開発サミットが開催され、レアメタル(希少金属)の世界的産地である。

 

モロッコは、中央を走るアトラス山脈を中心に気候が分かれ、北部及び西部の海岸平野は地中海性気候で、夏の高温期に乾燥する。また、南部は砂漠気候となっている。リン鉱石、鉛が中心の鉱業とオリーブ栽培などの農業が主要産業である。主な宗教はイスラム教スンニ派である。

 

エジプトは、国土の大半が砂漠気候で、降水量は極めて少ない。農業人口は多いものの、耕地は大河流域に限られており、外貨獲得源は、海外出稼ぎ労働者からの送金、観光収入、運河通航料収入などである。主な宗教はイスラム教、キリスト教である。

 

ジンバブエは、北部が温帯気候で、南部は砂漠気候となっている。また農産物は、とうもろこし、さとうきび、葉たばこであり、クロム鉱、ニッケル鉱、銅、金などの鉱物資源にも恵まれている。主な宗教はキリスト教、伝統宗教である。

 

アルジェリアは、地中海沿岸が地中海性気候、中部がステップ気候、南部が砂漠気候となっている。可耕地が国土の10%としかなく、農業は振るわないが、石油、天然ガスが豊富である。主な宗教はイスラム教スンニ派である。

 

ケニアは、国内を赤道が通り、標高、緯度の違いにより、熱帯気候や乾燥気候がみられる。農業は中心産業で、コーヒー、茶、サイザル麻が主要農産物である。観光収入は重要な外貨獲得源である。主な宗教はキリスト教、伝統宗教、イスラム教である。

 

スーダン

サハラ砂漠に隣接するサヘル地方では、人口増加に伴う耕地の拡大や家畜の過放牧によって地力が低下し、砂漠化が進んでいる。綿花など、輸出用換金作物の生産が奨励されるため、食料がますます不足し、慢性飢餓地帯といわれている。

 

 

 

 

ラテン・アメリカ

中南米では、封建的大土地所有制が残存しており、中米からアンデス諸国ではアシェンダ、ブラジルではファゼンダ、アルゼンチンではエスタンシアと呼ばれる。

 

ブラジルは、世界有数の農業国で生産量も伸びているが、その多くが輸出用の商品生産物であり、米、キャッサバ(マニオク)、フェジョン豆などの自給食糧作物の伸びは人口増加に追いつかない。大土地所有制が温存されているため、貧富の差が極めて激しい。

 

ブラジルは、国土の北部は大河(アマゾン川)の東流する低地、東部内陸は高原である。住民は白人が多く、言語は近隣諸国と異なっている。熱帯作物の生産も多いが、近年工業化が進み、工業製品が輸出品の70%を占めている。インフレがひどく、1994年にデノミを実施した。

 

ブラジルは、スペイン系白人?やメソチソ?ムラート?が多く、日本からの移民も多い。公用語はポルトガル語であり、農業はコーヒーの生産が盛んだが、近年コーヒーのモノカルチャー経済から経営の多角化を進めている。また、工業も、ラテンアメリカ最大の工業国である。首都ブラジリアはブラジル高原南東部に位置する。

 

ブラジルでは、大土地所有制が発達し、ファゼンダと呼ばれる農場で、コーヒーのプランテーションが行われている。

ブラジルの大農園ではコーヒー栽培が盛んであるが、やや内陸のパラナ州へ中心地が移動している。

 

 

 

アルゼンチンは、国土の西部には山脈が南北に走り、東部の豊かな平原では農牧業が盛んである。住民は白人が圧倒的に多く、南部への人口集中が著しい。現政権の努力で、1990年にピークに達したインフレが鎮静化し、経済も持ち直している。

 

 

ベネズエラは、国土の中央部を東流する大河(オリノコ川)を中心に熱帯気候が卓越する。住民はメソチソが大半を占める。中南米の主要な産油国であるが、石油価格の低迷で経済は悪化している。農牧業の生産性は低く、食料の大半を輸入している。

 

ベネズエラは、コロンブスの第3回航海での発見後スペインの植民地であったが、独立後も政情不安が続いた。マラカイボ湖低地とリャノ東部に世界的埋蔵量を持つ油田があり、輸出の大部分が石油と石油製品である。首都カラカスは高原にある近代都市である。

 

 

エクアドルは、国名が示すように赤道直下に位置し、国土の中央部を南北に山脈が走る。太平洋上1000km沖にガラパゴス諸島を領有する。住民はメソチソとインディオで80%を占める。石油が最大の産業だが、農業と漁業も重要である。対外債務の返済に苦慮している。

 

チリは、国土が南北に長いため、気候は変化に富んでいる。鉱業が最大の産業で、果実、水産物も輸出している。住民はメソチソが多い。長年の軍政から民政に移行した1990年以降、経済は回復してきている。

 

 

ペルーはかつてインカ文明が栄え、インディオが人口の半数を占めるが、白人が上層社会を形成する。大土地所有制のアシェンダによる大規模な牧畜が盛んである。クスコが旧インカ帝国の首都として観光で有名である。

 

 

 

メキシコ

南部にマヤ文明とアステカ文明が栄えていた土地で、メソチソが人口の60%を占める。政情は比較的安定しているが、1994年に通貨危機に見舞われ、大規模な国際支援を受けた。

メキシコはかつてマヤ文明が栄え、スペインの植民地時代は「銀の国」と呼ばれたほど、鉱物資源に恵まれている。

 

コスタリカ

白人が人口の97%を占める。民主政治の伝統の下で政情は安定しており、平和憲法によって軍隊を持たず、教育に力を入れているが、産業は農牧業が中心で、財政は苦しい。

 

グアテマラ

スペイン人到来以前はマヤ文明が栄え、現在も先住民が人口の半分以上を占める。貧富の差が激しく、長年内戦が続き、政情は不安定であるが、近年ようやく民主化の兆しがみえてきた。

 

ハイチ

19世紀初頭に黒人国家として独立し、黒人が90%を占めており、フランス領であった歴史からフランス語を公用語とする。極貧国で貧富の差が激しく、政情は不安定で、1995年には国連が介入した。

 

 

キューバ

中南米唯一の共産主義国家である。砂糖のモノカルチャーを脱せず、ソ連崩壊とアメリカの経済封鎖の強化により経済は逼迫、1994年には大量の難民流出が起こった。

 

 

オセアニア

 

オーストラリアは、中央部が平坦になった卓状地で、東部にはなだらかな山脈(グレートディバイディング山脈)が南北に連なり、中央部は大鑽(だいさん)井(せい)盆地、西部は乾燥した台地(グレートサンディ砂漠、グレートビクトリア砂漠)である。

西部台地はオーストラリア全国土の3分の2を占める広大な地域で、高度300~700mの台地が広がっている。これを卓状地といい、最も古い陸塊のひとつ。

 

オーストラリアの気候は、最も広く分布するのは、中央部から西部にかけて広大に分布する砂漠気候で、砂漠周辺にステップ気候、北部はサバナ気候、東部は温暖湿潤気候、南東部は西岸海洋性気候が分布する。また、地中海性気候は南部・南西部に広がっているだけである。ただし、この国では最も居住条件のよいところであるため、人口が集中し、農牧業が営まれ、多くの都市が発達している。

 

オーストラリアは、日本の約20倍の国土を有しており、人口の大多数が南部・南西部の地中海性気候に属する地域である?。首都のキャンベラ、シドニーは温暖湿潤気候、メルボルンは西岸海洋性気候、パースは地中海性気候。

 

オーストラリアは、鉄鉱石、ボーキサイト、石炭などの資源に恵まれており、特にボーキサイトの産出量は世界一である。

 

オーストラリアの農産物の多くは、輸出目的に生産される羊毛、肉類、小麦などであり、特に羊毛の生産量・輸出量ともに世界最大である。

 

オーストラリアは、各種作物の大生産国で、世界の食糧事情に大きな影響力を持つ。しかし、経営規模の拡大と機械化に伴う等高線耕作の無視、防風林の伐採、大量の化学肥料、農薬の投与によって、土壌の劣化と侵食を招いた。灌漑による地下水の枯渇や塩類の集積も深刻化している。

 

オーストラリアはアジア、太平洋地域との関係緊密化を重視した政策をとり、なかでも日本を重要な貿易相手国としており、1995年の輸出額で日本が第1位となっている。

 

オーストラリアは国土の約半分が乾燥地域であり、人口のほとんどは東部と南部の温帯地帯に集中し、首都キャンベラは南緯35度。リオ・デ・ジャネイロは南緯25度。

 

オーストラリアは、かつて白豪主義と称してアジア系移民を制限していたが、1979年にこの制限が廃止され、アジア諸国からの人口流入が増加している。

 

オーストラリアの農業は、南東部では大鑽(だいさん)井(せい)盆地が多く、被圧地下水を灌漑用として利用できることから、牧牛・牧羊や酪農が多く行われ、同じく南東部ではマーレーダーリング盆地で小麦・大麦が多く生産されています。

 

オーストラリアは鉱産資源の世界的な供給国であり、ピルバラ地区は西オーストラリア州に位置し、鉄鉱石の世界最大の産地として有名である。

 

ニュージーランドは、オーストラリア大陸の東に位置し、クック海峡をはさんで北島と南島からなる島国で、首都ウェリントンは北島に位置する。

 

ニュージーランドの農牧業は、オーストラリアと同じく牧羊、酪農、牧牛や小麦栽培が盛んである。

 

ニュージーランドでは、降水量の多い北島と南島の西部で牧牛・酪農地域、少ない南島の東部で牧羊地域が広がっている。

ニュージーランドは西岸海洋性気候で、偏西風の影響を受けるため湿潤な地域は北島と南島の西部で、牧牛・酪農が盛んである。南島東部の偏西風の風下は乾燥地域であるため、牧羊が盛ん。

 

ニュージーランドの南島は、標高3764mのクック山を中心にサザンアルプス山脈が広がり、また、氷河やフィヨルドも見られる。気候は西岸海洋性気候であるが、山脈が中央部を南北に走っているので、東岸と西岸で降水量が異なる。特に南島の西岸が2500mm以上の降水量が見られるのに対し、東岸は700mm以下の所が多い。

 

 

 

 

世界の人口

 

世界の人口は、第二次世界大戦後、技術進歩や医療技術の進歩などにより、人口の急増現象=人口爆発が起き、現在、70億人に達している。

 

世界の人口は、アジアが約60%を占め、次いでアフリカ(13%)、ヨーロッパ(12%)、南アメリカ(5.7%)の順に多い。人口増加率はアフリカが最も高く、年平均3%である。

 

人口ピラミッドは、人口構成を年齢別・性別に表したものであり、発展途上国では富士山型となり、先進国では、釣鐘型、あるいはつぼ型となる。縦軸に年齢、横軸に年齢ごとの男女別人口数が示される。

 

インドは、中国に次ぎ世界第二位の人口を有し、政府による人口抑制策を実施してきたが、人口増加率は、中国を上回っている。

 

 

世界の宗教、民族、言語

民族や言語、宗教問題は、政治的な力関係が如実に反映されることが多く、国際社会の不安定要因の一つとなっている。

 

ヨーロッパには、英語やドイツ語などゲルマン系言語、フランス語やイタリア語などラテン系言語、ロシア語やポーランド語などスラブ系言語などのインド=ヨーロッパ語族の言語を使用する諸民族が広く分布している。その中(ヨーロッパ諸民族)にはそれ以外の語族であるハンガリー語やフィンランド語などを使用する民族が存在している。

ハンガリー人とフィンランド人は起源がアジア系の遊牧民族の人々であり、かつてヨーロッパに進入したマジャール人やフィン人の末裔である。

 

アジアでは、東南アジアのタイや、南アジアのスリランカでは小乗仏教が広く普及している。

一方、東南アジアのインドネシアや中央アジアのカザフスタンなどの地域でイスラム教が広く普及している。また、これらの地域から離れてカスカフ地方に居住するトルコ系諸民族の間にもイスラム教が普及している。

 

東南アジアには多くの華人(中国系住民)が住んでおり、経済活動の一翼を担っている国も多い。これらの国々の中で特に人口に占める華人の割合が最も高いのは、シンガポールであり、次いでマレーシアであり、そのため、マレーシアでは、マレー人の地位確保のために彼らに対する優遇政策であるブミプトラ政策を実施している。

 

中南米では多くの国の公用語がスペイン語であり、これらの地域の人口が世界で総人口に占める割合が高いため?、スペイン語は国連において公用語となっている。しかし、ブラジルはポルトガル語、ハイチはフランス語が公用語となっている。

 

アフリカではイスラム教が広く普及しているが、サハラ砂漠北部のアラブ人居住地域はスンニ派である。イスラム教の勢力範囲は、いわゆるマグレブ地方からサヘル地方の領域にかけてである。

一方、サハラ砂漠以南のネグロイド(黒人)の居住地域はキリスト教である。

 

 

ペルーでは、人口の約1%未満を日系人が占めている。ペルーの人口構成は、インディオが約50%、メソチソ(白人とインディアンの混血)が約40%、白人は約10%。

 

インドネシアでは、1万数千の島々からなる群島国家であるため多様な民族が住んでいるが、国民の多数はイスラム教徒である。

15世紀まではヒンズー教の影響下にあったが、16世紀中部ジャワにイスラム王朝が興り、以来イスラム教国である。イスラム教徒87%、キリスト教徒9%、ヒンドゥー教徒2%。

 

ベルギーでは、フランス語方言であるワロン語と、オランダ語方言であるフラマン語を話す人々の間で、どちらをベルギーの母国語とするかという争いが続いている。

民族構成も、オランダ語系のフラマン人57%、フランス語系のワロン人33%となっている。

 

ベルギーでは北部のフラマン人と南部のワロン人の間で言語を巡る争いがあり、このため北部はオランダ語、南部はフランス語を公用語とし、首都ブリュッセルは併用地区となっている。

 

オーストラリアでは、人口の98%が白人(ヨーロッパ系)、原住民であるアボリジニーは約35万人である(全人口約1900万人)。

移民は白人に限るとされた白豪主義は1975年、人種差別禁止法が制定され、以後難民の受け入れも始まり白豪主義が撤廃された。

 

シンガポールは、中国系が4分の3を占め、政治・経済の実権を握っている。

シンガポールは、1963年マレーシア連邦の一員から、1965年マレーシア連邦を離脱して完全独立した。

 

ブラジルでは、ポルトガル語を公用語としており、白人とインディオの混血であるメソチソ、白人と黒人の混血であるムラートなど混血人種が多い。(く、人種的偏見の少ない社会を形成している)

 

イギリス領の北アイルランドでは、長年アイルランドへの帰属を求めるカトリック系の少数派と、イギリス残留を主張する多数派が激しく争ってきたが、1998年4月に和平合意が成立した。

 

スリランカでは仏教徒のシンハラ族が多数を占めているが、北部ではヒンズー教徒のタミル族が多く、分離独立を進めている。政府は軍事解決を図り、北部の拠点を制圧したが、ゲリラ活動は続き、解決のめどは立っていない。

スリランカでは、英国支配期に労働力としてインドから入ってきたヒンズー教徒のインド・タミル人がスリランカのタミル人を巻き込み、分離独立を求めている。

 

フィリピンではカトリック系住民が多数を占めるが、南部に居住するイスラム教徒のモロ族との間の民族的・宗教的対立がある。近年、政府は南部諸州の自治権拡大の方向で、過激派との和解を図っている。

 

 

東南アジアでは、多民族国家もいくつもあるため、現地語のほか英語が公用語とされている国が多い。タイではタイ語、マレーシアではマレー語が公用語であるが、フィリピンは、ピリピノ語のほか英語も公用語となっている。

 

フランス、オーストリアはそれぞれフランス語、ドイツ語と公用語が一つであるが、スイスは州によって民族構成も分かれており、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語が公用語となっている。

 

ブラジルは長い間ポルトガルの植民地下にあったので、公用語はポルトガル語である。

 

カナダは、ケベック州ではフランス語系住民が多い一方、18世紀にイギリス領となりイギリス系住民が多いため、公用語は英語とフランス語である。

 

国際連合の公用語は、英語、フランス語、スペイン語、ロシア語、中国語、アラビア語の6つである。

 

 

世界の都市

 

キャンベラは整備された街路が広がり、機能によって地区が分けられた典型的な計画都市であるが、同じような計画都市(政治都市)としてはニューデリー、ブラジリア、オタワ、イスラマバード、ワシントンなどがあげられる。

 

エルサレムはキリスト教、ユダヤ教、イスラム教それぞれの聖地となっているが、バチカン、メッカ、メジナ、ラサ、バラナシ、ブッダガヤ、天理、成田などがある。

 

ナイロビは、赤道からわずかしか南に離れていないが、年間を通して平均気温が15~20℃の高原都市である。

 

ニースは地中海に臨み、温暖な気候と美しい風光に恵まれた観光保養都市である。マイアミはフロリダ海峡、アカプルコは太平洋に臨んだ観光保養都市である。

 

ボストンは経済・商工業の発達したアメリカ合衆国屈指の海港都市であるとともに、学術・文化の都市でもある。フランスのツーロンは軍港。

エッセンは、ドイツ内陸部に位置する工業都市で、ライン川近くに位置するが、海港都市ではない。ルール炭田を控え、ヨーロッパ最大の工業地帯であるルール工業地帯の中心都市である。

 

 

日本の輸出入

 

大洋州

日本は鉄鉱石と石炭などの工業原料を主にオーストラリアから輸入している。また、オーストラリアからの食料品の輸入は、食肉(牛肉)と推察される。

 

中南米

食料品のコーヒー、金属原料や原料品の鉄鉱石や銅は、主にブラジル、銅はチリ。

 

アジア

総輸入に占めるシェアが最も高い。魚介類、鉱物性燃料は石油、インドネシアから。石炭は中国から。

割合としては少ないが、再輸入のシェアがあり、これは製品をコストの安い海外(アジア)で生産し再輸入という、日本の製造業における生産の海外移転の結果引き起こされら現象である。

 

戦前の輸出は、中国をはじめとするアジア諸国やアメリカ合衆国との関係の中で、軽工業品、特に繊維製品の輸出に特色があった。

戦後は機械類(一般機器・電気機器)、自動車、鉄鋼、有機薬品などの重化学工業製品や精密機械などの輸出に特色があり、貿易相手国は輸出入ともにアメリカが第一位であった。

 

戦前の輸入は綿花、羊毛などの繊維工業(軽工業)の原料が多かったが、戦後は工業の中心が軽工業から重化学工業に変化したこともあり、代表的な輸入品目としては、原油・石炭・鉄鉱石・木材など重化学工業の原料が挙げられる。

 

ただし、近年円高による生産の海外移転やアジア地域の工業化が、日本の従来の重工業製品を中心とする加工貿易型の貿易構造を変化させている。

 

地図図法

 

モルワイデ図法では、面積が正しく表現されているとともに、中緯度から高緯度にかけて、大陸の形が比較的正確に表されている。高緯度地方のひずみが少ない。

 

緯線は平行な直線で経線は楕円曲線となっており、緯線と経線の間隔を調整することにより、大陸の面積・形が比較的正確に表されるよう工夫されている。この図法としてはモルワイデ図法があり、主に分布図として用いられてきた。

 

 

メルカトル図法では、高緯度ほど面積が実際より大きくなってしまうが、等角航路を、図上では直線で表すことができる。海図として利用

 

距離・面積・方位が正しく表されず、高緯度ほど面積が大きくなっているが、緯線と経線がつねに直角に交わっており、方位を示す角度が地球上の角度と同じとなっている。この図法の例としてはメルカトル図法があり、主に航海図として用いられてきた。

 

 

グード図法では、中緯度から高緯度にかけてがモルワイデ図法で、低緯度から中緯度にかけてがサンソン図法で描かれている。

 

正距方位図法では、図の中心から地図上の任意の1点までの距離と方位が正しく表され、航空図として利用されることが多い。任意の2点間の距離ではない。

 

中心点からみた方位が正しくなるよう工夫されており、図の中心と他の地点を結んだ直線は最短距離を表しているが、図の外縁部では面積や形のひずみが大きく、中心以外の2点を結んでも正しい方位・距離は求められない。このような図法は正距方位図法といわれ、主に航空図として用いられてきた。

 

ミラー図法では、メルカトル図法と同様に、経線と緯線が直交しているが、メルカトル図法に比べると、高緯度地域の面積のひずみが小さい。