2017年03月16日

仮想通貨技術で銀行連携

仮想通貨技術で銀行連携 送金サービスなど開発
(2017/3/16 日本経済新聞)

全国銀行協会は複数の銀行が連携して仮想通貨技術を使った新たな金融サービスを生み出す環境を整備する。2017年度中に大手銀行や地銀などが共同で実証実験できる場を設け、金融庁や日銀からも法制度などの観点から助言を受けられるようにする。金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックの開発が加速するなか、送金などの分野で安く利便性の高いサービスの実現を目指す。

 

ブロックチェーンと呼ばれる仮想通貨の中核技術の実用化に向け、「ブロックチェーン連携プラットフォーム(仮称)」を立ち上げる。ブロックチェーンはインターネット上の複数のコンピューターが相互に監視しながら、取引記録を共有する仕組み。巨大なサーバーなどが不要になり、低コストで処理速度も速くなる利点がある。全銀協の加盟行は他の銀行や企業とテーマごとに連合体をつくり、同プラットフォーム上で実験を進める。システム費用は全銀協が負担する方向で調整する。検証結果は全銀協に報告して各行でシェアし、業界全体として知見を蓄積する。

 

検証テーマになりそうなのが、国内外の送金サービスへの応用だ。ブロックチェーンを使えば銀行側の送金コストが10分の1~20分の1に下がるとの見方もあり、利用者が負担する送金手数料も安くなる公算が大きい。手数料が下がれば、小口送金など新たな需要が生まれる。貿易金融の分野でも数日かかっていた手続きが数分で済む可能性がある。全銀協は手形の代わりにネット上でやり取りする電子債権の取引にブロックチェーンを使えばコストを削減できるかどうかも検証する。

 

全銀協が昨年実施したアンケート調査によると7割弱の銀行がブロックチェーンの実用化を検討している。3メガバンクは国内送金への応用に向けた共同実験を実施したが、こうした取り組みは資金やノウハウの乏しい地銀単独では難しかった。今回の枠組みを通じて大手行と地銀の連携も進むと全銀協は期待する。金融庁や日銀も法制度や利用者保護などの観点から銀行連合に助言するなど協力する。銀行だけで取り組むより、実用化を見据えた実験を進めやすくなるのも特徴だ。

 

全銀協は全国の金融機関をつないで資金移動を仲介する「全銀システム」を運営する。安全性が高い半面、送金手数料が割高になる一因にもなっていた。ブロックチェーンの活用が普及すれば、全銀システムの見直し議論に発展する可能性もある。全銀協も「本丸」である全銀システムを補完する形でブロックチェーンを活用できないか探る方向へカジを切った。

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