「世界経済のカラクリ」

「世界経済のカラクリ」
(2009年3月31日発行、学研)

 

 

本書は、経済、金融、経営の入門書でありながら、アメリカを中心とした世界経済の仕組みや日米経済関係史をも理解できます。本来、数冊分の内容が、1冊の新書にまとめられており、軽い気持ちで何回も読んでもらいたい良書です。

 

出版社さんから、「(反米ではない)脱アメリカ的で、しかも経済学の入門書にもなるようなものを作りたいのですがどうですか」というお話しが舞い込んできました「反(脱)アメリカ!、何と心地よい響きだ!」私が最も得意とする分野です。こうして生まれたのが本書でした。

 

しかし、残念ながら、現在、売上げ不振から、一般の流通はストップされ、電子書籍として読むことができます。

 

それでも、内容的には、事例が若干古くなってはいますが、日米経済関係を学びながら、経済・金融・経営の基礎的な項目を一冊で理解できるという傑作です。

 

個人的には、タイトルは「世界経済のカラクリ」というよりも、「アメリカ経済の誤謬―脱アメリカこそ日本経済再生の道―」なんていうのがピッタリだと思っています。

 

<目次>

 

第1章 アメリカの翻弄された世界経済

フォーディズムから世界恐慌へ
金ドル本位制とニクソンショック
レーガノミックスとプラザ合意
冷戦終結とドル支配

 

第2章 アメリカ経済の強さの理由

アメリカ流資本主義
コーポレートガバナンスと株主資本主義
規制緩和と金融資本主義
グーロバル経済とアメリカの強さ

 

第3章サブプライム・ショックとアメリカの失敗

サブプライムローン問題
グローバルスタンダードの誤謬
アメリカは反省しているか

 

第4章 不格好な世界経済

双子の赤字のカラクリ
ドル基軸通貨制の是非
アメリカ一極集中時代の終わり

 

第5章 アメリカの対日本の経済戦争

貿易摩擦と市場開放要求
日本的経営
バブル経済とその崩壊
アメリカのグローバルスタンダードの上陸

 

第6章 日本が真の経済大国になるために

金融立国論の幻想
「貯蓄から投資へ」の有効性
モノ作り日本のすすめ
「外需から内需へ」は必要か
円経済圏の確立へ

 

第7章 日本経済とアメリカ経済の行方

アメリカは日没する国か
日本は日出づる国になれるか
日本の意識改革:ジャパン・ルネサンスへ

 

<結果>

 

出版業界(特に新書や文庫)は、厳しく、現在、「世界経済のからくり」は、「品切れ」状態となっています。品切れと聞いた時、最初、「売れたんだ」と喜びましたが、実際は「とりあえず在庫はなくなったが、今後売れる見込みがないので、重版をしない」とのこと。要は廃刊の運命にあるのです。

 

「経済、金融、経営の解説をしながら、脱アメリカを論じるというのはテーマとして無理がある。」「『世界経済のからくり』というタイトルが余りに一般的で読む気を誘わない」という批評をもらいました。

 

でも、一般の入門書とは違い、脱アメリカを一つの例としてとり上げているがために、経済、金融、経営の仕組みがよくわかると思います。

 

いつの日か、電子書籍でブレイクし、再び紙ベースで復活し、再評価される時が来ると未だに信じていましたが、正直、事例として取り上げている内容も古くなってしまっており、今後、本書がそのままの形で、復活することはないと思われます。

 

そこで、他の出版関係の皆さま、本書をベースに新たな「世界経済のカラクリ」の出版に協力していだけないでしょうか?